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106年ぶりにベントレーがエンブレムを刷新!デジタル時代にこそシンプルなデザインを採用

Winged B:ベントレーの未来のビジョンを具現化するコンセプトカーのEXP15に採用された新エンブレム

左右非対称ウイングの新エンブレムに込められたメッセージとは

新しい「Winged B」は、ロビン・ペイジ デザインディレクターの指導のもと、社内チームが手がけました。初期段階では社内コンペが行われ、インテリアデザインチームのヤン・ナム氏による案が採用。デザインは、初代1919年のF.ゴードン・クロスビーによる原案を現代的にアレンジしたもので、過去のエンブレムに見られたディテールであるダイヤモンドパターンの羽や中央の「B」ジュエルなどを引き継ぎながらも、より鋭くドラマチックになっています。

2025年発表のコンセプトカーで初採用した新ウイングデザイン

注目すべき点は翼の形状だ。従来よりもシャープになり、ハヤブサの翼を彷彿とさせる躍動感を感じる。また「B」の下部にあった羽根の装飾を整理し、クリーンでビジュアル的にも洗練された印象を与えている。センターの「B」マークは単独でもグラフィック要素として使用可能なようにデザインになり、高級時計のような3D感のある仕上がりになっている。

この新エンブレムは、202578日に公開された未来型コンセプトカーで初採用された。同モデルは市販予定車ではないものの、今後のベントレーのデザインの方向性を示す先駆けとなる。伝統と未来が融合したデザイン言語が再定義されている。

1919年の登場から4回目のデザイン変更

ベントレーのエンブレムは1919年に登場し、1931年、1990年代、2002年に改定されてきた。特に2002年の変更では、左に10枚、右に11枚の非対称な羽根を取り入れ、初代へのオマージュを込めたデザインが採用された。今回の変更は約23年ぶりとなる。

ベントレーのロビン・ペイジ氏は、「デジタル化によって複雑性が増す現代において、簡素化と洗練こそが真のラグジュアリーである」と述べている。

AMWノミカタ】

ベントレーには2種類のブランドマスコットが存在する。ひとつはコンチネンタルGTなどに使われる平面タイプのもので、Bマークから羽が生えている姿から「Winged B」と名付けられている。もうひとつはフライングスパーのボンネットマスコットとして使われる立体的なもので、Bマークが飛んでいるように見えることから「Flying B」と呼ばれる。

今回は「Winged B」を刷新したというニュースだが、これまでのエンブレムと同様に羽の数が左右非対称になっている。これはベントレー車のボディがコーチビルダーによって作られていた時代に、偽物のベントレーを見抜くために一見すると左右対称に見えるエンブレムを意図的にデザインしたと言われている。見る人が見れば本物を見分けられるようにするデザイナーの遊び心だったのかもしれない。今回のエンブレムも右が10枚、左が9枚と非対称となる。

このエンブレムは市販車には使用されないと言う。ベントレーは26年にBEVの新モデルを発表し、35年にはすべてのモデルをBEV化すると公言しているが、このシンプルでクリーンな造形は確かにBEVモデル時代にふさわしいデザインだと感じる。

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