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国内外で活躍する日本人女性レーサー「小山美姫選手」が特別講師のアットホームなドライビングスクール

ツァオバークラフト主催「第6回 小山美姫 特別講師 ドライビングスクール&走行会」:フリー走行開始前に、小山美姫選手と参加者、イベント運営スタッフの皆さんと一緒にコース上で記念撮影。こんな事ができるのも貸し切り走行会の醍醐味

運転技術の伸び悩みを解消してくれるドライビングレッスン

モータースポーツシーズンが終了したシーズンオフも、一流トップドライバーは次年度に向けたテストや、さまざまなイベント参加に大忙しです。今回は、人気の女性レーシングドライバーとして、スーパーGTやニュルブルクリンク24時間レースに参戦している小山美姫選手が特別講師としてやって来た、チューニングショップ=ツァオバークラフト主催の走行会の模様をご紹介しましょう。

6回目の開催となったドライビングスクール

2025年12月14日。大分県日田市にある国際格式サーキット=オートポリスで、鹿児島県伊佐市で創業25年目を迎えるチューニングショップ「ZAUVER KRAFT(ツァオバークラフト)」が「第6回 小山美姫 特別講師 ドライビングスクール&走行会」を開催した。

主催者のツァオバークラフトは、チューニングパーツメーカーのHKSが定める「F-CON V Pro」並びに「F-CON iS」取り扱いの対象店、Fコンマイスター&エキスパート資格を2005年に取得。スポーツカーの魅力やそれを操る楽しさを多くのユーザーに伝えている。

着実に実力をつけてきている講師の小山美姫選手

このイベントの特別講師、小山美姫選手は、幼少期からレーシングカートを始め18歳でFIA F4日本選手権に参戦を開始。女性ドライバーのみで争われるWシリーズ、F3アジア選手権などを経て、TOYOTA TGR-DCドライバーとしてフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップで年間ドライバーズタイトルを獲得。FIA公認の男女混合シングルシーター選手権で、史上初の女性チャンピオンとなった。

2023年からはスーパーGTにデビューを果たす。2025年シーズンはapr LC500h-GTでフル参戦。さらに、TOYO TIRESの一員として、TOYO TIRES with Ring Racingのドライバーとして、ニュルブルクリンク24時間耐久レースなども経験。F1参戦の夢を追いかけ、ひとつずつ確実にステップアップを果たしている実力派だ。

チューニングショップの代表がファンとして小山選手に特別講師を依頼

ツァオバークラフトの坂上大輔代表が小山美姫選手を知ったのは、2017年頃のこと。チューニングパーツメーカーSARDの担当者にその存在を教えてもらったそうだ。2019年のオートポリスで開催されたFIA F4日本選手権に参戦する小山選手をひとりのファンとして応援のために、坂上代表が足を運び、声をかけたのが、今に至る関係性の始まりとなる。

「スポーツカー好きとして上手に、速く運転できるようになりたい。そのためにクルマをチューニングし、速く走らせる技術も一所懸命に学んできたつもりでした。同じ思いを共有するお客さんたちを集めて、ドライビングスクールも10年ほど実施してきました。ところが、ある一定の段階で必ず大きな壁が立ちふさがるのです。それを私自身が痛感しましたし、それを乗り越える前に、挫折してしまう方々もたくさん目にしてきました。今まで、雑誌や映像などを通して学んだつもりになっていた我流のドライビングスキルを、第三者の目線で具体的に誰かに教えていただきたい。でも、鹿児島という私たちの生活圏では、現役のレーシングドライバーと直接触れ合う機会はほとんどありません。そんな思いもあって、思いきって小山選手にお声がけしたのです」と坂上代表。

 

「まだ知名度も低かった私に、ファンとしてオートポリスに応援に来てくれたのが坂上さんでした。しかも、ご自身が主催しているドライビングスクールに、講師で来てほしい。坂上さんやその参加者の皆さんだけではなく、スクールを実施している会場のスタッフさんもそのアイデアに賛同しているからと、アピールしてくれたのです。チューニングショップの代表としてだけではなく、ご自身もスクールを主催しつつ、自ら参加者にもなり、しかもレースファンとして応援もしてくださる。その思いがとても嬉しかったですね」と小山選手は、サーキットで直接声をかけてくれた坂上代表は印象的だったと回想する。

結果、初対面から3カ月後の2019年の12月には、早速第1回を開催。この言葉からも分かるように、1年に1度、忘年会のようなスクール&走行会は、坂上代表の、小山選手のいちファンとしての情熱が実ったイベントとして今年で6回目を迎えたわけだ。

基礎練習で学んだことをサーキット走行で実践

これまでの1日開催では、低速域で技術を学べる会場を使って、スポーツドライビングに必要な、停まる、曲がる、走るといった基礎練習を中心にレクチャーしてきた。今回は2日間の開催(2回目)だったので、1日目は基礎練習、2日目にオートポリスのコースを走行して、高速域でそれまで学んだことを復習した。

坂本さんを含む13名の参加者は60分と30分の合計90分、小山選手からのアドバイスを活かして、それぞれの目標をもってコースを走行。タイム計測をはじめ、小山選手が運転する車両の同乗体験も実施されたことで、参加者にとっては有意義な時間だったに違いない。

「小山さんは、練習の意味や目的を明確に伝え、それを目の前で実践してくれます。そのおかげで、私たちが超えることができなかった(ドライビングの)壁の理由が何だったのか? それがはっきりわかるようになりました。最初に教わった、“速く走らようと意識するのではなく、クルマを正しく走らせることが速さにもつながります”という言葉に、私は感動しました。当たり前のことかもしれないけれども、とても貴重なアドバイスでした。小山さんはニュルブルクリンクの耐久レースでの活躍でも分かるように、今まで以上に世界に羽ばたくドライバーさんですから、ますますお忙しくなるでしょう。そのため、今後もこのスクールが継続できるかどうかは分かりません。それだけに、この時間を共有できた今年の2日間は、とても貴重なものになりそうです」と坂上代表は語る。

チューニングショップの代表である前に、サーキットでスポーツドライビングを楽しむユーザーのひとりでもある坂本代表の言葉に、トップドライバーに技術を直接教わるその魅力が溢れていた。そして、それを体験したユーザーの口コミにより、小山選手が講師を務めるスクールは、九州で知る人ぞ知る存在となっていたのだ。

 

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