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元86&スープラ開発トップの多田哲哉氏が期待する、トヨタが世界をリードする電動化時代【みどり独乙通信】

ル・マンの市街を走り、水素電池の優秀さをPRしたトヨタのGR水素バス

トヨタの燃料電池戦略こそ本命。トヨタだけでなく日本を挙げて力強い発信の必要性を強調

かつてトヨタ自動車のスポーツカー部門を統括されていた多田哲哉さんが、BMWと共同で研究開発をしていらした思い出の街、ミュンヘンを再訪。ミュンヘン在住のモータージャーナリストの池ノ内みどりさんが、市内観光で多田氏夫妻をエスコート。観光を兼ねての市内散策は、旧車から未来まで様々なお話が伺えてとても楽しく、有意義なひとときだったようです。

多田氏のミュンヘン来訪と重なった、運命的なスープラ生産終了発表

多田さんご夫妻のミュンヘン来訪には、スープラが20263月をもって生産終了となることが発表され、なんとも偶然なのか、それとも運命なのかと不思議な感覚を覚えました。スープラが生産終了に追い込まれた理由には、電子プラットフォームにOTA(Over the air)機能がないためだとか。86/BRZに続き、スープラもヨーロッパから姿を消してしまうのはなんだかとても寂しいものです。

「私の去った後も、あともう1回くらいはBMWと一緒に次のモデルを作って欲しかったですね」と少々残念そうな多田さん。スープラと姉妹モデルのBMWZ4も惜しまれながら間もなく生産を終了します。

昨年にはBMWのオリバー・ツィプセ社長とトヨタ自動車の佐藤恒治社長が水素燃料電池自動車の協力強化を発表しました。カタチは変わっても多田さんらがスープラとZ4の開発で築いたBMWとの協力関係が、受け継がれていることを感じます。

電動化は水素こそ本命だと多田氏が明言。トヨタの発信力に期待

「今の電動化に向けた動きという話で言うと、 技術的には 水素の方が断然に優れていると言えるでしょう。逆にあまりにもトヨタが先を行き過ぎたのだと思います」とトヨタ自動車の技術力の高さを誇ると共に「BMWだけではなく、他のメーカーともどんどんタッグを組んで、日本が中心となって、もっとその輪を広げて精力的に動いて行かなければならないと思っています」とトヨタと日本の行政が世界をリードすることに大きく期待しているとともに、BMWが本気でドイツを動かし、そしてヨーロッパへその勢力図を広げて欲しい、そしてインフラをしっかりと構築して欲しいと願っているそうです。

ドイツやヨーロッパでは、EUの指針でEV一辺倒だった政策からガラリと方向転換して、なんともよくわからない状況になっています。最近ではミュンヘンでもトヨタ自動車のMIRAIを見掛けるようになりました。Uber RideでもMIRAIを見掛けることがありますので、ミュンヘンの街にも水素電池自動車が街を走り、少しずつPRとなっているのでしょうか。

トヨタの燃料電池バスが欧州の街を走った意義とは

BMWの水素電池自動車の試験車も走っていますが、まだ一般的には水素ステーションのインフラの問題や高額な水素価格の問題もあり、すぐには大きく進展することは難しいかも知れません。しかし、昨年のル・マン24時間レースには、トヨタ自動車が日本から水素電池バスを持ち込み、大きな話題を呼びました。

私もル・マンの水素の特別展示コーナーでは、社会科見学のように楽しく学べる施設でトヨタ自動車の本気のチャレンジに心動かされました。多田さんも「世界の最先端テクノロジーを持つトヨタ自動車はどんどん情報をもっと発信すべきですね」とトヨタに高い期待を寄せていました。

>>>ドイツ在住池ノ内みどりさんのクルマにまつわるコラムはこちら

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