競技ライセンス不要の雪上アドベンチャー
誰でも楽しめる「シバレルラリー」とは!?
2026年2月20日から23日までの4日間、真冬の北海道を舞台に「Shibareru Adventure Rally 2026(通称:シバレルラリー)」が開催されました。競技ライセンスは不要で、普通自動車免許とスタッドレスタイヤを装着したクルマがあれば誰でも参加できるこのイベント。今回は28台53名が集結し、ラリー用の道案内図である「コマ図」を頼りに約1000kmの雪道を走破しました。大自然の絶景やグルメを自由に堪能しながら、なぜ多くの参加者がこの過酷なラリーに魅了されるのでしょうか。今回は、非日常の冒険を通じて絆を深めた「親子の男旅」にスポットを当て、その全貌をレポートします。
厳冬期の北海道を4日間で1000km駆ける
雪渓や美味しいグルメ堪能のシバレルラリー
寒さが厳しい北海道の方言で、凍てつく寒さのことを指す「凍(しば)れる」をその名前の由来とした「シバレルラリー」。ラリー形式を採用しながらも、ラリーで使われる競技の要素を極力取り除き、真冬の北海道ならではの美しい風景やおいしいグルメを堪能できるイベントだ。そして、安心してちょっとした冒険ができるアドベンチャーツーリズムとなっている。
参加条件は極めてシンプルで、ドライバーは普通自動車免許があれば参加が可能。毎日クローズドコースで走行をする機会(“滑らす”ステージ、略してSS)があるので、雪道に慣れていないドライバーでもこのSSで練習してから公道で走行することが可能だ。
車両のレギュレーションも、最低航続距離300kmで、車検を受けており(違法改造車はNG)、自賠責保険に入っていること、そしてスタッドレスタイヤを装着していればOK。あとはスノーブラシやけん引ロープ、そしてバッテリージャンプコードと三角表示板、発炎筒、ガラスハンマー、シートベルトカッター、懐中電灯といったものを搭載していることが条件となる。
雪上走行からグルメ、スキーまで!?
自由なスタイルで楽しみ尽くす1000km旅
手渡されたコマ図(ラリー用の道案内図)を頼りに皆で同じ目的地に向かって4日間を走り抜くのがこのイベントの基本。このルートには冬の北海道ならではのビューポイントがあるし、途中にはCP(チェックポイント)も用意されている。しかし、必ずしもCPを通過しなければならないというわけではなく、それぞれが自由に旅を楽しむスタイルが取れるようになっている。
2026年もルートの途中でスキーを楽しむためにスキー板を積んでやってきた参加者もいた。また、長期の休みを取って事前に北海道入りし、旅の途中にシバレルラリーに参加する者もいれば、北海道在住で新たに北海道の魅力を知りたいと参加する者もいる。毎晩、各日のゴールポイントとなっているホテルでは、その日1日をどう過ごしたかを参加者同士で話し合って盛り上がるのも、このイベントならではの楽しさのひとつだ。
今回は全28台、53名が参加。初日に新千歳から旭川まで移動し、その後オホーツク、そして屈斜路湖を周って帯広・十勝、そして新千歳へ戻るという約1000kmを走破するスケジュールとなっていた。
4日間の親子旅でクルマの中が特別な空間に!
厳冬アドベンチャーラリーで深まる親子の絆
普通に自家用車で参加が可能で、車両はスズキ「ジムニー」から、FR車のトヨタ「GR86」、ラリーでおなじみのGRヤリス、スバル各車、そして本格四駆にピックアップトラックまで、国内外のさまざまな車両が集結した。
車両乗車定員まで参加が可能だが、多くが2人での参加だ。夫婦や友人などの参加形態が多いなか、今回はとくに父親と息子という親子での参加が多くみられた。そこで今回は、そんな親子の男旅に注目してみた。
■内山貴史/こうき組(No.25 The YOKOHAMA Rubber iceGUARD 8/TOYOTA RAIZE/神奈川県)
この春からピカピカの新1年生になる長男こうきくんと、入学前の最後のチャンスということで、男2人旅に参加した内山組。
「周囲の大人たちと普通にコミュニケーションをとれていて、クルマに乗っている間も渡されたコマ図をちゃんと読んでしっかり指示をしてくれて、息子の成長を感じることができた4日間でした。今まで行ったことのない場所に行って、その場に適応していく姿も見ることができて、親としてもいい時間だったと思います」
■井利元聖史/新組(No.88 PlanBee Racing MTR/SUZUKI JIMNY/山口県)
19歳の新くんは、全日本ロードレース選手権J-GP3クラス(No.24 PlanBee Racing MTR/HONDA NSF250R)に参戦しており、普段から親子一緒に行動を共にしていることも多い、仲の良い親子だ。
「普通免許取得からまだ半年で、北海道の雪道の走行はどうかなと思っていたけれど、楽しく安全に走れましたし、いい経験になったと思います」
■林 篤志/壮流組(No.300 Scuderia 884/MERCEDES-BENZ G300 PROFESSIONAL/群馬県)
今回で4回目のシバレルラリーながら、今度小学6年生になる壮流くんと初の親子ペアで参加した林さん。じつは35年前、ご自身が小学校6年生の時に学校を休んで父親と一緒に北海道旅行をしたという経験があり、今回は息子と一緒に同じ体験をしようということで親子での参加となったようだ。
「いつも一緒に居るつもりだけれども、ここまで長い時間一緒にいることができたのは初めてかもしれない。これまで見たことのない息子の様子を見ることができてすごく贅沢な時間になったし、いつのまにこんなに大きくなった? ということがわかったりして、とても良い時間をお過ごせました」
■井手光裕/諒太/晴太組(No.7 IDE FAMILY/LAND ROVER DEFENDER/東京都)
2025年11月に父親から「一緒に行こうよ」という提案があって参加を決め、それぞれ別に住んでいる歳の離れた兄弟との親子3人旅だ。
「比較的仲の良い親子だと思うけれど、クルマのなかで長時間過ごすことでいろんな話ができたし、それぞれの距離が少し近づくきっかけになりましたね。次回もタイミングが合えば3人で参加したい」(父)
息子たちも普通にクルマもドライブも好きということもあって
「めっちゃ楽しかった。都内とかではアクセルをフルに踏むこともなく、車両のフルパワーなんて味わえないけれど、今回はその一部を知ることができましたし、ドライブもちょー楽しかった。エゾシカとキタキツネを直に見ることができたし、北海道の自然を味わうことができて良かった」
と「シバレルラリー」に参加した親子チームの皆さんはコメントしてくれ、厳冬の北海道の雪さえ溶けそうなほど熱い4日間1000kmの行程を楽しんだ様子だった。
