休日の息抜きに没頭できる! 接着剤がいらない手のひらサイズのトラック
静岡の老舗模型メーカーである青島文化教材社(アオシマ)から、クルマ好きの好奇心を刺激する新製品が発表された。初心者でも手軽に組み立てられる「楽プラ スナップキット」シリーズの新作として登場するのは、なんと「日野デュトロ ダブルキャブ」である。1/32スケールで2トントラックのWキャブを立体化するのは、模型界初の試みとなる。接着剤も塗装もいらないお手軽キットは、どのようなギミックを備えているのだろうか。
プラスチックの着色とシールを用いて細部の塗り分けを忠実に再現する
プラモデルといえば、特有の接着剤の匂いや、塗料を乾かす手間にハードルを感じる人が多い。しかし、アオシマが展開する「楽プラ スナップキット」シリーズは、そうした旧来の常識を見事に覆している。
ボディはプラスチック材料自体に着色を施すことで塗装作業を不要とし、美しいツヤを実現している。さらに、パーツ同士をパチンとはめ込むスナップフィット方式を採用し、接着剤を一切必要としない。今回のデュトロも、パーツ総数をわずか35点に抑え込んだ初心者向けの製品となっている。細かな意匠や塗り分けが必要な部分は、付属のシールを貼るだけで再現できる設計だ。
ただし、窓枠やバンパーなどの塗り分けをシールで補うため、ピンセットを用いた繊細な作業が仕上がりの美しさを大きく左右する。ニッパーひとつで手軽に組めるキットとはいえ、大人が休日に集中して取り組むのにちょうど良い奥深さを持っているのだ。
名車から身近な軽自動車まで幅広い車種を展開する「楽プラ」の魅力
今回発表されたマニアックなデュトロだけでなく、王道のスポーツカーから身近なモデルまで、非常に幅広い車種を網羅しているのも「楽プラ」シリーズが絶大な支持を集める理由である。
日産「スカイラインGT-R」の各世代やホンダ「NSX」といった昭和・平成のスポーツヘリテージから、スズキ「ジムニー」や「ハスラー」など現代のストリートで見かける身近な軽自動車まで、クルマ好きのツボを押さえたラインアップが揃う。さらに近年では、手軽さはそのままに一回り大きくて本格的な「1/24 楽プラ スナップカー」シリーズもスタートしており、幅広い年齢層のプラモデル離れを食い止める重要な役割を担っている。
新規金型を追加してニッチな2トン低床平トラックのWキャブを立体化する
この製品の最大のトピックは、「2トン低床平トラックのダブルキャブ」という極めてマニアックな車種選択にある。シングルキャブではなく、あえて後部座席を備えたWキャブを選んでくるあたりに、実車を深く愛するアオシマの熱意が感じられる。
そもそもWキャブは、人員と機材を同時に運ぶ必要がある建設現場や消防車両などで重宝される、働くクルマの象徴的な存在である。これをコレクションしやすい1/32スケールで立体化するため、今回専用の新規金型が大幅に追加された。単なるバリエーション展開にとどまらない、本気の作り込みが施されている。
カラーバリエーションは実車でも定番のホワイトをはじめ、ブルー、シルバー、そしてお洒落なターコイズの全4色が用意された。
現代のカスタムトレンドを取り入れてオフロード仕様に組み上げる
カスタム好きの心を揺さぶるのは、精巧なボディ形状や下部フレームのリアルな造形だけではない。なんと、サスペンションパーツの選択によって「リフトアップ仕様」に組み立てることが可能となっている。
近年、トヨタ「プロボックス」などの商用バンや実用のトラックをリフトアップし、オフロードタイヤを履かせてアウトドアレジャーへ持ち出す「オーバーランド」的なカスタムが、感度の高いオーナーたちの間で大きなトレンドとなっている。そうしたリアルな実車カスタムの流行を、いち早くプラモデルのギミックとして落とし込むアオシマの企画力は秀逸だ。
価格は2750円(税込)と、誰もが気軽に手に取れる設定だ。2026年7月15日より受注予約が開始されており、発売は同年11月を予定している(※公開されている画像は3D設計図に着色したものであり、実際の製品とは異なる場合がある)。
