サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

2024年、STIのモータスポーツが熱い! ニュルブルクリンク24時間レースは今シーズンでラストチャレンジです

王座奪還となるシリーズチャンピオンを目指してチーム一丸となって臨む

シリーズチャンピオンを目指すのみ!

スバルと同社のモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は、2024年1月12日(金)から14日(日)まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「東京オートサロン2024」にて、2024年シーズンのモータースポーツ参戦体制を発表した。詳細をお届けしよう。

SUPER GT 300クラス

GT300クラスでは、2021年に初のシリーズチャンピオンを獲得してから2022年、2023年とチャンピオンの座を退いていたBRZ GT300。今シーズンは王座奪還を目指してレース展開を進めていく。チーム総監督に小澤正弘氏が就任し、チーム運営は「R&D SPORT 」が担当。R&D SPORTの澤田稔氏が監督を務める。ドライバーは井口卓人選手と山内英輝選手の2名体制と2023シーズン同様の体制だ。

今シーズンからGT300クラスにカーボンニュートラル燃料が導入される予定となっているが、それに合わせたセッティングをし、準備は万端とのこと。

見た目に大きな進化はしていないが、空力面のアップデートとタイヤパフォーマンスを最大限に引き出すセッティングを施し、優勝へ向けチーム一丸となって闘う。

話を伺ったのは、STI広報宣伝部の田邊陽介氏は次のようにコメント。

「昨シーズンは優勝を逃したものの、粘り強くポイントを重ねるレースができたと思っています。速さは十分持っていると自負していますので、シリーズチャンピオンに向けて皆様のご期待に応えられるよう、チーム全員が優勝へベクトルを向けて頑張ります。ご声援をいただけたらと思います」

スバルのモータースポーツではお馴染みの、井口選手と山内選手の最強コンビの活躍に期待したい。

ニュルブルクリンク24時間レース

ニュルブルクリンク24時間レースは、今シーズンも辰巳英治総監督、沢田拓也監督が就任し、SP4TクラスにSUBARU WRX NBR CHALLENGEで挑む。ドライバーは、カルロ・ヴァンダム選手、ティム・シュリック選手、佐々木孝太選手、新たに久保凛太郎選手を迎えた4名で闘う。これまでスバルのモータースポーツを幾度となく勝利へ導いてきた辰巳総監督は、今シーズンでラストチャレンジとなるため、チームの優勝への意気込みはいつも以上に熱くなっているだろう。

2024年マシンは、WRX S4をベースにした2023年参戦車両に、WRX S4 STI sport# PROTOTYPEにも導入された前後異形ホイールを装着し、ドライバーの意のままに走れる走行性能を持たせた。また、ボンネットやフェンダー、テールランプ周りにガーニーフラップを追加し、空力性能の向上も図っている。リヤウィングの翼端版は2023年のマシンと比較し、ひと回りほど大きく形状を見直し、より空気の流れを整流する効果を得られているそうだ。

マシンのラッピングにはチェリーレッドの桜の花びらをモチーフにしたデザインが施され、「桜咲く」とゲン担ぎの思いが込められていた。今回も全国のSUBARU販売店から選抜された精鋭メカニック8名がチームに参加し、レースをサポートする。

スーパー耐久シリーズ

スーパー耐久シリーズは、今シーズンは将来のBEV(電気自動車)も含めた市販車への技術的なフィードバックを目的とした活動にシフトする予定だ。チーム名は昨シーズン同様「Team SDA Engineering」で、チーム体制は、SUBARU技術本部の本井雅人氏を代表に、監督は伊藤奨氏、ドライバーは井口卓人選手、山内英輝選手とともに、SUBARUエンジニアが一丸となって挑む。

マシンはBRZ CNF Concept。カーボンニュートラル燃料に対応すべく、エンジンにさまざまな改良を行っている。具体的には、クラッチを切ると同時に一瞬スロットルを煽り、エンジン回転数を上げてからシフトダウンするブリッピングを自動的に行う制御を導入している。また、昨シーズンの最終戦前から導入したNA用アンチラグシステムで、立ち上がりの速度低下を軽減し、リニアに加速してくれるマシンに仕上げているそう。

またこのマシンは環境にも配慮しており、ボンネットと左右のドアは、スバルの航空部門で出たカーボンの端材を集めて再利用しているとのこと。カーボンニュートラル燃料を始めとした環境への配慮は、マシン作りにも反映されてきているのだ。

また2024年のレースは、シーズン途中から新マシンを導入するとのことだが、プレスブリーフィングでスクリーンに映るBRZの背後にチラリと見えた車両がもしかしたら!? と我々の心をくすぐった。詳細はまだ非公開なので、続報に期待が高まる。

全日本ラリー選手権

そのほか、全日本ラリー選手権は、2024年シーズンは、WRX S4をベースにした車両でシリーズ参戦する新井敏弘選手のチーム運営の一部サポートを行う。TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupでは、2023年同様にTOYOTA GAZOO Racingに協力し、大会運営をサポートするとともに、STIがサービスチームを派遣してSUBARU BRZ Cup Car Basicで参戦するユーザーを支援する。

毎シーズン、ドキドキとワクワクを与えるモータースポーツ。今シーズンは新たにカーボンニュートラル燃料の導入など、レースの展開にどのように影響してくるのか目が離せないシーズンになりそうだ。AMWでは新ドライバーの久保凛太郎選手の活躍にも今シーズンは注目していきたい。

モバイルバージョンを終了