個人間でバイクをシェアできるアプリが誕生
2025年3月28日(金)から30日(日)の3日間、東京お台場にある東京ビッグサイトで「第52回東京モーターサイクルショー」が開催されました。東京ショーは、開場が西ホールから東ホールに移動しワンフロアで見やすい展示となりました。今回は会場で気になったブースを紹介します。
諦めていたライダー生活を取り戻せるチャンス!
メーカーブースでは、最新モデルや登場間近のコンセプトモデルなどはもちろん、ベテランライダーたちにも好評なヘリテイジモデルや完璧にレストアされた旧車なども多く並んでいた。また、バイクライフに必要なライディングギアなどもチェックできる場となっている。今回注目するのは、このモーターサイクルショーのJ-TRIP(Jトリップ)のブースに間借りする形で初めて出展となった「Let’s・ラ・Go(レッツラゴー)」だ。
「レッツラゴー」は、個人間バイクシェアというバイクのシェアリングサービスのアプリ。バイクのシェアとは、期間を決めて所有バイクを希望者に貸し出すサービスで、借りる側は借りている期間に応じてその費用を支払い、バイクオーナーはそれを報酬として得るというもの。
バイクをレンタルするサービスは他にもあるが、レッツラゴーはアプリ上で簡単にバイクを見つけることができ、貸し手は自身の眠らせている愛車を活用することができる。
このシェアサービスは、完全に個人間でのシェアではなく、全国約1700拠点のオートバイ協同組合連合会(AJ)の店舗をはじめとする登録店舗でバイクの貸し出しが可能。バイクオーナーもバイクショップを使えるアプリとなるのが嬉しい。
バイクがないなら貸してもらえばいい
結婚や出産などライフステージの変化でバイクを降りた人、そして高齢でバイクに乗る機会が減っているライダーもいる。そのバイクのミスマッチを解消しようというのがこのアプリ開発の原点にあるのだ。
バイクを貸す側(個人)は2台まで登録できる。そのバイクを借りる側は、アプリのチャット機能で、使用期間や車両の引き取り場所と返還場所などの詳細を詰めていくことになる。それらが合意となれば、クレジット決済で費用を前払いすることがアプリ上で可能となる。
ちなみにシェアバイクの貸出料金は自由に設定が可能で、レッツラゴーアプリの手数料を差し引いた金額が車両オーナーの取り分となる。
このシェアのアプリでは独自のバイク保険(対人対物賠償無制限、人身傷害補償3000万円、搭乗者傷害特約500万円など充実の補償)が付与されている。この保険料は借りる側負担となり、車両保険の基準額によって変動する。貸し出し期間中は、貸し手が入れているバイク保険は使用しない。これで、借りる側も貸す側も安心ということになる。
個人所有のバイクということでその車体の状態についても気になるところだが、トラブル防止のためこのアプリに登録するバイクについては12カ月点検が必須となっている。
このレッツラゴーを進めるのは、元ロードレース世界選手権(WGP)ライダーである青木拓磨氏。現在は自身の4輪レース活動以外に、年間30戦以上も開催する「Let’sレン耐(通称:レン耐)」を主宰している。このレン耐は、自身がバイクを持っていなくてもバイクを借りてレースができるということで、レンタルでバイクレースを行っている。
「バイクがなければ借りればいい」という形式で行われているレースを、今度は公道でのツーリングなどにも拡げた形とも言える。ちなみに2025年から、このレン耐のエントリーについても、この「Let‘s・ラ・Go」アプリ経由で参戦することができる。バイクをもっと楽しむための新たな取り組みは、昔バイクに乗っていた、バイクを降りてしまった元ライダーに刺さるかもしれない。
