平日と土曜日の3時間半しか提供されない一期一会の定食
ドライブの際に立ち寄る高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア (PA)。民営化以降、サービスが向上し、その土地の名産品も食べられるようになっています。この“SPめし”では、全国の高速道路のサービスエリアやパーキングエリアを廻ってオススメのご飯を紹介しています。今回は中央自動車道下り・小黒川PAの揚げなすとメンチの小黒川定食を紹介します。
地元の新鮮野菜を販売する「やさい村」を併設
中央自動車道は、東京の高井戸ICから愛知県の小牧JCTまで延長距離366.8km。東名高速の東京ICから愛知県小牧ICまでの延長距離が346.7km。わずか20kmしか距離の差はないが、中央自動車道が時間を要するのはほとんど山間部を走行するからだ。
その中央自動車道も高井戸ICから岡谷JCTまでと岡谷JCTから小牧JCTまでの区間では周囲の景色がかなり異なる。1015mの最高地点がある岡谷JCTより東側は山間をぬって走行するが、西側は恵那山トンネル付近を除くと比較的開けた場所を走行する。
長野県伊那市にあり、南アルプス山脈を一望できるのが小黒川PA下りだ。このPAは、地元で収穫された野菜が持ち込まれ、季節に応じた新鮮な野菜が販売されている「やさい村」を展開。取材した7月中旬はお昼前でトウモロコシなどは売り切れとなっていた。
小黒川PA下りには白樺亭というフードコートが朝7時~夜8時まで営業している。手作りの商品を中心に数多くのボリューム満点の料理を揃えている。また、大盛りサービスに加えてスタンプサービスも行っている。
当初は、1300円の小黒川黒とんかつ定食を食べる予定だった。これは厚めにカットした豚肉に伊那産の赤松炭パウダー「伊那赤松妙炭」とパン粉の名店である東京の「中屋パン粉工場」の黒パン粉を贅沢に使用し、3種類の食べ方を楽しめるというもの。
食券を購入しようと券売機に並ぶと平日と土曜日の11時~14時半のみ販売する小黒川定食を発見!この定食はメンチカツ、揚げなす2個、鬼おろし、ごはん、みそ汁、漬物がセットでなんと価格は690円。
一期一会を信じる筆者は迷わず小黒川定食をチョイスした。揚げたてのメンチカツも惹かれるが、艶々に輝く揚げなすの新鮮さは写真からでも伝わりそうなほど。揚げなすを鬼おろしに付けて食べると、ご飯が止まらないほどオイシイ。
揚げなすとメンチカツという揚げ物の盛り合わせだが、これをスッキリとさせるのが鬼おろし。揚げなすだけでなくメンチカツも鬼おろしに付けて食べると軽く食べることができる。このボリュームで690円はコスパ良好すぎ。たしかにこのコスパがよい定食をフルタイムで提供するのはこのご時世厳しいだろう。
お昼前という時間帯にも関わらず、次々と職業ドライバーが来店する。この白樺亭ではスタンプサービスも行っているのでリピーターが多いということだろう。店舗の外には日よけの付いたテラス席も用意され、敷地内には遠くに広がる南アルプス山脈と一緒に記念写真が撮影できるフレームが設置されており、旅行の途中に立ち寄りたいスポットだ。
