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10万円のダイハツ「エッセ」でポール獲得! 家族3人で東北660耐久に挑む「爆走田中組」の強さの秘訣はプライスレスな親子の絆だった!?

ダイハツ エッセ:車両は一平さんが東北660選手権を戦っていたときと同じ状態。改造範囲の狭いクラスなのでチューニング費用を抑えられるのも魅力

技術・作戦・チームワークで証明した中田ファミリーの底力! 

福島県のエビスサーキット西コースで開催された東北660耐久レース第3戦に、父・勝則さんと息子の一平さん・陸さんからなる中田ファミリーが参戦しました。過去最多の29チームが集うなか、10万円で購入した中古のダイハツ「エッセ」で予選ポールポジションを獲得して、決勝でも安定した走りで準優勝を果たしています。

家族参戦のきっかけとドライバー3人それぞれの豊富なサーキット経験

2025年11月23日、福島県のエビスサーキット西コースで東北660耐久レースの第3戦が開催された。200分の決勝を争うこのレースには過去最多となる29チームがエントリー。改造範囲が制限された3クラスは、同じ規則が適用される学生クラスを含め24チームが集結する激戦区だ。

そこに参戦し、予選で堂々のポールポジションを獲得したのが中田一平・中田勝則・中田陸の家族チーム「爆走田中組」だ。Aドライバーの一平さんがいつも組んでいる友人の都合がつかず、父の勝則さんと弟の陸さんと家族で参加することになったという。

一平さんは東北660選手権の3クラスでシリーズ上位に入った実力のあるドライバーだ。弟の陸さんは埼玉大学自動車部の現役メンバーで、関東のサーキットで軽自動車による耐久レースに参戦した実績がある。父の勝則さんは軽自動車のレースこそ初だが、サーキット走行そのものの経験は豊富だ。

エビスサーキット西コースが初体験だった陸さんは「思った以上に広いです」と語った。勝則さんも「東北660シリーズの車両はとにかくコーナリングが速く、運転の楽しさをストレートに感じられるのが魅力だと思います」と目を輝かせた。

リアを動かすマシンセッティングとタイヤ戦略で予選ポールポジション獲得! 家族一丸で挑んだ決勝の結果は?

マシンは一平さんが東北660選手権で使ってきたダイハツ「エッセ」だ。東北660耐久レースはガソリンの使用量が制限されないため、基本的には全開走行のまま200分を走り切ることになる。

走行面では、ローパワーのFF(前輪駆動)ゆえにリアを積極的に動かして向きを変えると同時に、動き出しが分かりやすく流れすぎてスピンに陥らないよう工夫を凝らした。タイヤ交換によるタイムロスを抑えるため、空気圧は極端に上げず、温間で2.5前後をキープする設定とした。

予選はもっともクルマに慣れている一平さんが担当し、1分18秒188で見事ポールポジションを獲得した。決勝のスタートは、もっともレース慣れしており混戦に強い一平さんがステアリングを握った。それぞれ60〜70分ずつ走行するオーソドックスな作戦を基本としながら、セーフティカーの介入や走行中断が発生した場合は、ガソリンの残量やピットの混雑を考慮しつつ、臨機応変にドライバー交代を行うと決めていた。

路面温度が低い冬季の開催かつ過去最多の参加台数にもかかわらず、練習・予選を含めてノークラッシュでレースを終えたのは特筆に値する。ペースを落として無給油で走り切る作戦を選んだチームもあるなか、中田ファミリーはスプリントレースと大差ないタイムで周回を重ねた。給油によるタイムロスも最小限に抑え、2位でチェッカーを受けた。

惜しくも予選からポジションを落とす結果にはなったが、東北660シリーズの経験者が一平さんのみというチームながら、トップとわずか1周差での準優勝は大健闘といえるだろう。安定したラップを刻むテクニックはもちろん、ドライバー交代や給油などピットワークを含めたチームワークのよさも、好成績の一因に違いない。

10万円のエッセが証明したドライビング技術と作戦の重要性

中田ファミリーのエッセのベース車両はネットオークションで購入した10万円の中古車だ。エンジン系はレギュレーションに従い、マフラーやエアクリーナーのライトチューンにとどまる。足まわりはリーズナブルながら東北660でもユーザーの多いシュピーゲルを使用する。あとは安全性に影響しない範囲での軽量化を施した、いい意味で特筆する点のないオーソドックスな仕様だ。最小限のチューニングでも、運転技術・セットアップ・作戦次第で耐久レースの頂点を狙えることを証明したといっていい。

60分のセミ耐久である東北660選手権・特別戦では、過去に何度か兄弟や親子でのタッグ参戦があった。しかし本格的な耐久レースに家族でエントリーするのは今回が初めてだという。中田ファミリーは今後も東北660に限らず、レースを通じて家族のコミュニケーションをどんどん深めていくに違いない。

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