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高速道路「制限速度120キロ引き上げ」のメリットとデメリット

合法的に120km/hで走行できる

警察庁が安全性の条件を満たす高速道路の一部区間の制限速度を120km/hに引き上げを認める方針を固めたことがニュースなどで報じられている。
制限速度が120km/hに引き上げられるのは、新東名高速道路・静岡県内の御殿場〜浜松いなさジャンクション、東北自動車道・岩手県内の花巻南〜盛岡南インターチェンジの区間で、2017年にも試用されるようだ。

50年以上据え置かれてきた高速道路の制限速度

そもそも高速道路の制限速度が100km/hに制定されたのは、今から50年以上も前となる1963年に日本初の高速道路・名神高速道路が開通したときだ。それからクルマも高速道も進化し、高速化していく。それなのに制限速度は、さすがお役所仕事ともいえるほど改訂されることはなかった。
一説には、制限速度を引き上げて交通事故が増えたときの責任を取りたくなかったようだ。

その一方で、大型トラックの速度超過による事故が増え、平成15年9月よりスピードリミッターの装着が義務づけられた。その結果、大型トラックは90km/h以上のスピードが出なくなった(大型トラックの高速道路の制限速度は80km/h)。
それでも走行車線をゆっくりと走行するクルマがいると、大型トラックは追い越し車線へ。どんなにがんばってもリミッターが作動する90km/h走行となる。

日本の高速道路の最低速度は50km/h。さすがにこの速度で走行しているクルマがほとんど見ないが、トラックに追い越されるようなクルマは70〜80km/hで走行している。
つまり、現行の制限速度100km/hとの速度差は20〜30km/h。速度無制限区間をもつドイツのアウトバーンから見れば、日本の高速道路では「速度の格差」は小さいといえる。

1960年代の日産スカイラインと日産GT-Rの現行モデル。50年間でクルマの進化は著しい。

追い越し車線を走り続けると減点1&反則金6000円

最近は走行車線が空いていても追い越し車線を漫然と走り続ける乗用車が増えているが、その人たち中には「制限速度内で走行しているのだから、なにか?」と心の中で思っているはず。100km/h以上で走行することは「猛スピード」とで、ゆっくり走行することが正とれされてきたのだから仕方がないだろう。


しかし、このように追い越し車線を走り続けるクルマを見て「マナーが悪い人」と思われるかもしれないが、じつはこれは「通行帯違反」というれっきとした交通違反・「ルール違反」。普通車の場合、減点1点、6000円の反則金となる。

 

ドライバーの運転スキルの向上が必要だ

制限速度が引き上げされれば、追い越し車線を走行するクルマは120km/hまで出すことができる。つまり、トラックのリミッター作動速度との速度差は30km/h。もっといえば、トラックに追い越しをかけられるような速度で走行するクルマが、制限速度が引き上げされても走行ペースが上がるとは思えないので、その速度差は40〜60km/hとさらに広がる。

180km/h以上のスケールをもつ国産車がある

従来より「速度格差」が大きくなるわけだから、今後は追い越しする側もされる側も他車を意識する必要がある。ある意味、今後は高速道路を走る人たちの緊張感が高まるはずだ。当然、運転スキルのアップも必要だ。
さらに、走行する速度域が高まるから、今後はタイヤの空気圧のチェックなどクルマのメンテナンスには気をつけてほしいところだ。

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