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終結が見えない三菱自動車の燃費不正事件

日産自動車が三菱自動車を買収!?

2016年4月20日の夕刻に三菱自動車が自ら発表した「燃費不正問題」。自動車業界はおろか日本全体に大きな衝撃を与え、今なおマスコミ各社が注目する事件となった。
果たして、どのようなカタチで“落としどころ”を見出すのであろうか。
その一つに「日産自動車が三菱自動車を買収する」という選択肢もありそうだ。

ことの発端は、日産自動車主導で行なわれていた次期型軽自動車開発の過程で、日産自動車と三菱自動車合弁会社NMKVから供給されている明らかになったのは、すでに各報道機関からのとおり。被害者となった日産自動車は事態の推移を静観する構えを見せている。三菱自動車ekワゴンや日産自動車デイズは、両メーカーの。つまり、今回の一件は三菱自動車単独の問題ではなく、日産自動車も巻き込んだ。

一方、三菱自動車は2000年のリコール隠しなど、過去2度に渡る不正問題を起こしている。こうした隠ぺい体質は企業風土そのものに問題があり一朝一夕には改善できるものではない。どうも日本企業の場合、悪しき企業体質は自助努力では改善できないようである。
日産自動車も不正こそはなかったが過去に業績が低迷し、カルロス・ゴーンがトップに就任して日本人企業家ではできないような大ナタをふるいV字回復させている。

「ゴーン(日産自動車CEO)が来る前の古い体質の日産だったら、今回のような事件が発覚したとき『三菱さん、こりゃマズイよ。どうする?』、『日産さん、ここはひとつ穏便にお願いします』となぁなぁの関係で済ませた可能性が高いでしょう。しかし、今の日産はゴーンが率いる外資系企業ですから、日本的なあいまいな関係は許されない。たぶん、ハッキリと「NO!」を出したのでしょう。ゴーン体制になってからの日産は企業コンプライアンスに関してはとくに厳しくなりましたからね」と元日産関係者は語る。

三菱自動車を動かした大きな力は日産方面からだったのか、あるいは別の方角からなのかは現時点で不明だが、企業として存続の危機に立っていることは間違いない。

三菱自動車をグループがどこまで支援するか?

三菱財閥を源流に持つ巨大グループとして、三菱自動車に対して救いの手を差し伸べてきたが、家紋であるスリーダイヤを3度に渡り汚した三菱自動車の犯した罪は大きい。仏の顔も三度まで。となれば解体か身売りか。

今回の事件の最大の被害者である該当車種ユーザーへの補償と優遇された税金面の問題は、多くのメディアで報じられているとおり。
だが、直近の記者会見ではじつは1990年代から燃費不正が行なわれていた事実が公表され、この問題はさらに拡大するであろう。したがって補償額はかなりの数字に達することが予想されるが、不正を行なった三菱自動車、あるいはグループとしての支払うのは義務であろう。

日産自動車も被害者の一人。
現行車種による売上計画の見直し、すでに開発がスタートしている新型車種の発売時期と販売計画の修正、新型軽自動車に投資した開発コストといった巨額の損害賠償を三菱自動車へ請求する権利が、日産自動車にはあるといえよう。
三菱自動車との提携を解消すると、日産自動車は新たな提携先を模索しなければならず、新型軽自動車の投入は大幅に遅れることになる。大きな売上の軽自動車部門が一時的ではあれ無くなることは避けたいはずだ。
だが、三菱自動車が身売りすれば、日産自動車は現行車種の売上計画の見直しだけで済むだろう。当然、新型車の開発を急ぎ、当初予定よりも早めれば痛手は少なくて済む上に、軽自動車の生産部門が手に入るのだ。

一方、三菱自動車からすればユーザー補償とは別に、日産自動車への損失補償は最小限にとどめたいはずだ。さらに軽自動車の生産拠点である水島工場の従業員とその家族の生活、さらには傘下の下請け企業の問題など、できるだけすみやかに通常の状態に戻したいと考えるだろう。日産自動車以外の売却先を模索するにしても時間はかかり、従業員や下請け企業の生活に支障をきたす。ゴーン体制下であれば一気に体質改善し、業績も回復に向かうであろう。

以上の点を踏まえれば、日産が三菱自動車を吸収することが、もっともベストな選択であるとは考える。有能な経営者であれば、ピンチを最大のチャンスに切り替えるはずである。結果、日産は水島工場の救世主となるのではないか。

(文:酒呑童子)

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