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不死鳥のように蘇り頂点を極めた「トヨタ18系クラウン」

2015年VIP業界を騒がせたトヨタ18系クラウン

2015年noVIPカー業界を騒がせたクルマたち。
その中で2015年の大阪オートメッセ会場に彗星の如く現れた、独創的なフォルムのトヨタ18系クラウンも忘れてはならない。
ドラマの始まりは、信頼できる板金業者の方との出会い。
理想の1台が完成し、意気消沈気味だったオーナーにも数多くの幸せが訪れた。

2015年の大阪オートメッセ会場に展示されていた、水色の18系クラウンを覚えているだろうか。
大排気量のスーパーカーを想わせる獰猛なスタイリングを見て、衝撃を受けた人も多かったはずだ

クルマを手がけたのは緻密なボディ加工に定評がある、三重県の「ガレージエクセレント」。
18系クラウンのオーナーの勝山クンがこのお店の門を叩いたのは、藁にもすがる思いだった。

「数年前、別のお店で外装をひと通りイジりました。そこからさらに進化させようと思っていたのにトラブルが続いてリメイクできず、本気で辞めようと思った。落ち込んでいたそんな時に、友人が紹介してくれたお店がエクセレントさんでした」と勝山クン。

ガレージエクセレント代表の浦田サンが放った、「皆が驚くような18クラウンを作る自信があるから、もう一度頑張ろうよ」。その言葉が勝山クンを元気付けた。

目標は昔からの夢だった大阪オーとメッセ出展。
2014年9月から作り始め、完成したのはショー前日。短期間でありながら、アラが一切ないダイナミックなフォルムを作り上げた。注目度の高さは想像を絶するほどだった。

「クルマが完成し、メッセという大舞台に出展できて嬉しかった。今までずっと悔しい思いをしてきたこともあって、涙が出ちゃいました」。

そこからリアバンパーなど細部を煮詰め、製作中だった内装も完成させて10月のドレスコードパーティにエントリー。何とデビュー1年目で、全体総合優勝の座を手にした。

「いつか総合優勝を獲るのも夢だったので、もう感動しました。浦田サンの言葉を信じて良かったです」。

オートメッセ出展にイベント総合優勝
愛車が与えてくれた「充実した1年」

すべてに手を入れたと言っても過言ではないエクステリアは、どの角度から見ても美しい。
特に真横から見た姿は格別。そしてスーパーカーが好きな人であれば、ブリスターのモチーフがランボルギーニ・アヴェンタドールであることが容易に想像できるはずだ。

一番見てほしいのが、リアリティを追求したリアフェンダー。実車の雰囲気に近付けるべくフロントドア先端まで鋭く伸ばし、別体風パネルの奥に潜むダクトは実際に穴を開けている。
このダクトを目立たせたいから、フロントフェンダーのダクトには穴を開けていない。そして左右対称にしたいから給油口を埋め、リアのドアノブもスムージングしてクーペ風に演出した。

「昔東京に遊びに行った時、偶然街中を走るアヴェンタドールを間近で見たんです。あの時の衝撃がずっと忘れられず、本物は絶対に乗れないからクラウンをベースにアヴェンタらしい雰囲気を再現してみました」。

造形の自由度が高いFRPの方が作りやすいのだが、強度や完成度を考慮して鉄板で製作。鋭さと滑らかさが共存したラインを出すのは至難の技で、経験豊富なガレージエクセレントだからこそ実現した芸当だ。

ボディカラーはセダンでは珍しい水色で、ベースはBMW・M4に採用されたヤスマリナブルー。この色の選択も、実はアヴェンタドール意識したからだ。

「リバティウォークの水色アヴェンタに影響を受けました。パールを多く加えて輝きを強めています」。

納得が行かずに作り直した最新仕様のリアバンパーは、JOB+クールレーシング86用。奥行きのあるディフューザーが、スーパーカーテイスト漂うブリスターに良く似合う。

「始まりは、あの日東京で見たアヴェンタドール」。

外装はランボルギーニ・アヴェンタドールを強く意識しているが、ベースがあくまで高級セダンのクラウンであることは忘れていない。
フロントマスクをメルセデス・ベンツCLS風に作ったのも、ウイングを極端に大きくしなかったのも、セダンらしさを残したかったから。

グリルもベンツを意識したバンパー一体グリル。横から見たノーズの長さも必見

「何のクルマか分からなくなるまでイジると、クラウンに乗る意味がなくなってしまう。ベース車の味をしっかり残すことがポリシーです」。

内装もアヴェンタドールの枠にとらわれず、目を付ける人が少ないシトロエンのDS5のデザインを参考にレザーで張り替えて意表を突く。色使いも日本が生んだドレスアップカーらしく、赤と白の2色で遊んだ。

DS5の特徴である、シート中央の縦ラインを再現

「DS5は内装がオシャレ。特にシートパターンはそっくりなので、ぜひ実車と見比べて欲しいですね」。

最後の最後に、VIPスタイルの表紙を飾る偉業も成し遂げた18系クラウン。
今後長い月日が経とうとも、きっと彼は「2015年」を忘れないだろう。

三重県 勝山 真弥(24)A型・蠍座・VIP歴5年
「100点と言うとそこで終了なので」、現仕様の完成度は99点。「浦田サンをはじめ、クルマに携わって下さった皆サンには本当に感謝です」と勝山クン

(レポート:VIPスタイル編集部)

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