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「セルシオがLS」になり「アリストがGS」になっても「ハリアーがLEXUS化」しないワケ

レクサス化すると日本名は消滅するのが普通だが……

 レクサスといえばトヨタの高級ブランドとしておなじみだが、その販売網は1989年、まずアメリカで整備された。そのいっぽうで日本国内の展開は2005年から。これだけのタイムラグがあったのはご存じだろうか。

 では、2005年以前はレクサスのモデルを日本市場で買うことができなかったかといえば、そんなことはない。レクサス車に日本独自の名前を与えて販売していたのだ。

 フラッグシップのレクサスLSは「セルシオ」、GSは「アリスト」、ESには「ウインダム」という名前が与えられていた。そのほか日本専用クーペの「ソアラ」は3代目からレクサスSCとしてグローバル展開したこともあった。

2代目は10年に渡って売れた長寿モデル

 そんなレクサスのラインナップにおいてLS(セルシオ)のテイストを意識しながらクロスオーバーSUVとして1997年に誕生したのが初代RX。日本名は「ハリアー」だ。

 直4エンジンとV6エンジンを積んだそのSUVはけっして安価なモデルではなかったが、当時まだまだ景気のよかった日本市場とSUVブームという追い風もあってスマッシュヒット。順調に6年目にFMC(フルモデルチェンジ)を果たしキープコンセプトの2代目へと進化する。

 結果的に、この2代目モデルは2003年2月から2013年10月までと、異例といえる長きにわたり販売されることになった。

3代目レクサスRX登場もハリアーは引き続き2代目

 ターニングポイントとなったのは2009年。先述したように2005年秋からは日本でもレクサス・ディーラー網が整備されはじめたことで、日本のレクサスでもRXを扱うようになっていた。そしてグローバルでは2009年にレクサスRXがフルモデルチェンジを果たす。よって順当にいけばハリアーはディスコンとなるはずだった。

 しかし、レクサスRXが誕生したにも関わらず、実質的には先代RXといえるハリアーは生き残った。アリストやソアラ、セルシオといった日本版のレクサス車は、レクサスの展開にあわせて“移籍”したにもかかわらず、なぜハリアーはレクサスRXとは別モデルとして継続生産されることになったのか。

 明確な理由は明らかにされていないが、現実的にハリアーが売れていて、そのスケールを考えるとレクサスに移行するのが難しい状況だったからといえる。

 セルシオのユーザーであればレクサスLSに移行するのはウェルカムだろうが、ハリアーの価格帯は感覚的にはセダンだとマークII(マークX)に近い。その意味からもレクサスRXは受け皿とはなり得ないと判断したのだろう。実際、継続生産されたハリアーからV6ガソリン車が消滅したのは、そうした状況を示している。

3代目ハリアーからは国内専用車として変身

 レクサスRXとしては3代目へとFMCした後も、実質的には2代目RXといえるハリアーは日本で売れ続けた。そうして前述したように10年もの長寿モデルとなったのだ。結果的に、レクサスとは異なる「ハリアー」というモデルの存在感も示すことになった。あくまで国内専用車というキャラクターを確立したのだ。

 そうなってしまうとハリアーをフェードアウトさせて、レクサスRXに集約させるというのはなおさら難しくなる。そこで、3代目ハリアーはレクサスとはまったく関係なく、日本専用モデルとして開発された。メカニズムとしては海外向けのRAV4ロングのアーキテクチャを利用しつつ、ハリアーという名前に期待される内外装に仕上げたモデルだ。

 初代・2代目はレクサスRXの日本版だったが、2代目の途中から日本専用モデルとなり、3代目にして完全に日本市場をターゲットにした高級SUVとしてハリアーは生まれ変わったのだ。

 ハリアーというブランド力のある名前に、日本のユーザーニーズを考慮したデザインが組み合わさったのだから、国内市場で評価されないはずはない。またしてもスマッシュヒットを続けることになる。

2020年6月、4代目にフルモデルチェンジ

 そして、2020年6月、ハリアーは4代目(国内向けに開発されたモデルとしては2代目)へとFMCする。特徴的な縦桟グリルなどひと目でハリアーとわかるエクステリアは、初代からの伝統を感じさせるもの。パワートレインは、2.0Lガソリンエンジンと2.5Lハイブリッド、ハイブリッドには歴代モデルとして初めてFFを設定するなど、国内ニーズを捉えたラインナップとなっている。

 つまり、4代目もヒット間違いなし。トヨタ車として初採用した調光ガラスのパノラマルーフといった装備もハリアーらしいもので、その人気はさらに高まりそうだ。

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