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現代に蘇ったS-MX! 恋愛仕様っぷりで無双できる「フリード+」は最強の車中泊カーだった

ホンダ・フリード+のラゲッジルーム

究極の車中泊カー「S-MX」を継承する
2列シートミニバンの「フリード+」

 1996年、ホンダは若者ウケ抜群のデートカーを発売した。それが、初代ステップワゴンの全長を切りつめたようなコンパクトカーで、ホンダのクリエイティブムーバーシリーズとしてデビューしたS-MXだ。このS-MXは、車高を15mm下げたローダウン仕様を用意したこともさることながら、ベンチシートを基本とした車内はコンパクトカーにして、「スペースアップモード」なるフルフラットシート(ベッド)アレンジが可能であった。

 まだアウトドアブームは到来していなかった代わりに、当時筆者が某男性誌で「走るラブホ」と名付けた1台である。その意味は前席が怪しい喫茶店のカップルシートのようであり、1・2列目席のシートアレンジによって、車内をフルフラットにしてベッドルームと化すことができた(1/2列目席フラットアレンジ)。また、その枕もと近くには親切にもティッシュボックストレイが備わっていただけでなく、知る人ぞ知るオプションの全周カーテンには、小さなポケットが付いていて、そこに避妊具を隠し入れるなんてことができたからであった。

アウトドア仕様としてデビューしたフリード+がS-MXのDNAを継承!?

 走行性能といった部分では、とくに見るべき点はなかったものの、使える遊びグルマとして当時の若者を熱狂させたことは間違いなく“究極のラブホ休憩料金いらず”のデートカーだったのである。もし、2022年現在、S-MXが存在していたとすれば、もっと健全な!? 車中泊カー&アウトドアカーとして脚光を浴びていたはず。だが待てよ……、いまのホンダには5ナンバーサイズのコンパクトミニバンのフリードから3列目席を取り払ったフリード+があるではないか。そう、S-MXの意思を引き継ぐ、現代のクリエイティブムーバー、S-MXになりうるのである。

フリード+がS-MXの後継と言える理由:01
「大容量ワゴンと呼べる大空間」

 ここで、あらためてフリード+について説明すると、コンパクトカーながら大容量ワゴンというキャラクターであり、ラゲッジルームは開口部地上高335(4WDは505mm)~720mm(後者はラゲッジボード上段セット時)と、ラゲッジボードを無視すれば、これほど開口部地上高の低いクルマはほかにない。

 一方、フロアの奥行きは後席使用時でも1035mm、幅は1270mm(ラゲッジボード上段)、天井高にしても975~1360mmと、後席を使った状態でもアウトドアグッズを余裕で積み込める広さとなる715Lもの容量がある。そしてラゲッジルームを上下2段で使え、多彩なシートアレンジ性を持つところも、アウトドアで大活躍してくれるポイントだ。

フリード+がS-MXの後継と言える理由:02
「足を伸ばせるベッドルームへのアレンジ」

 そしてS-MX化(=ベッドルーム)はどうなんだ? と言えば、それはラゲッジボードを上段にセットすればOKだ。このシート&荷室アレンジでは、ベッド長1890mmを確保でき、車中泊カーとして文句なしのスペースが出現(天井高975mm)。それに加え、ホンダアクセスによるホンダ純正のフリード+用のアウトドア、車中泊用のアクセサリー(プライバシーシェード=全周カーテン、ラゲッジクッションマット=ベッドマットレス、テールゲートカーテン=タープなど)も豊富に揃っているから無敵、完璧である。

フリード+がS-MXの後継と言える理由:03
「ベッドルーム化しても荷物がしっかり置ける」

 しかも、ラゲッジボード下にはドッカーンと空間があり、就寝時に不要な荷物をベッド下にどっさり収納できるのだから超便利。実際、筆者は家族と愛犬とともにフリード+で車中泊を行ったことがあり、このクラスのコンパクトカーとしては「じつに使える!」という好印象を持てたほどである。ここだけの話、アウトドアカー転じて現代のS-MXに見立て、プライバシーシェードによって完全密室になりうる、寝心地良しのマル秘なデートカーとして使いまくるのもいいじゃないか!!

フリード+がS-MXの後継と言える理由:04
「手ごろな価格とコンパクトさが魅力」

 そんなホンダ・フリード+は、S-MX同様に価格的にも財布に優しく、ガソリン車なら約218万円から手に入り、またアクティブなエクステリアデザインを纏った、アウトドアテイスト満点のクロスオーバーモデルのクロスターまで揃っているのだからバッチリすぎるのである。コンパクトクラスのアウトドカーと言うと、コンパクトSUVやクロスオーバーモデルがまず頭に浮かぶはずだが、車中泊性能まで含めれば、やはりフリード+が最強と言えるかもしれない。

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