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「グランツーリスモ SPORT」のクルマが25台限定で現実になった! マクラーレン「ソーラスGT」を買うと付いてくるオーナー特典とは

デザイン性と軽量化につながる、3Dプリントによるチタン製コンポーネントなども用いられた

バーチャルからリアルへ

 ゲームソフト「グランツーリスモ SPORT」に登場するマクラーレンのバーチャルコンセプトカーが、サーキット専用モデル「ソーラスGT」としてリアルの世界に登場することとなった。

スタイルを忠実に再現しつつも走行性能は完璧に

 バーチャルレースで数百万人がドライブしたというコンセプトカーを、モータースポーツへの参戦からハイパーカーの開発を行ってきたマクラーレンが培ってきた技術を活用しリアルモデルへ。モータースポーツ由来のパワートレインを用いた、個性的なスタイルのシングルシーターが25台限定で生産される。

 未来的なエクステリアはバーチャルコンセプトカーのスタイルを忠実に再現。もちろん、ただ再現されているわけではなく、「すべてのものに理由がある」というマクラーレンのデザイン理念に則り、数値流体力学と風洞を駆使したエアロダイナミクスを実現させた。

 車体中央にはスライド式キャノピーを用いた運転席を配置。エアロダイナミクスを優先させた形状、タイヤを覆うポッドやツインエレメントの固定式リヤウイングを採用する。また、運転席上部のエアインテークやサイドポッド内蔵のラジエターなど、レーシングカーにインスピレーションを得た仕立てが取り入れられている。

 他のマクラーレンモデル同様に、カーボン製モノコックボディを採用、前後シャシーストラクチャーなどにもカーボンが用いられている。

 エンジンは840ps・650Nmを超える出力の5.2L V10を運転席後方に搭載する。サーキット以外には不向きな各気筒独立のバレル式スロットを採用。削り出しコンポーネントを用いて実現させた、10000rpmを超える最高回転数を誇る。

 また、完全なギヤ駆動のため、補機類などを駆動させるチェーンやベルトも存在しないという。組み合わされるのはレース由来の7速シーケンシャル・ギヤボックス。なお、0-100km/h加速の目標タイムは2.5秒、最高速度は320km/hとうたわれるが、サーキット専用モデルのため数値はそれほど重要ではないとのことだ。

オーナーの希望を実現させる数々の仕掛け

 スライド式キャノピーを開けて乗り込むところから特別感が味わえるシングルシートの運転席は、F1スタイルのヘイロー型コクピット保護装置を備えた本格レーシング仕様だ。ドライビングポジションが車両中央なので、左右対称に180°が見渡せる。

 狭い室内に合わせディスプレイや基本的な操作スイッチはステアリングに一体化、後方視界は広角カメラによって確保されている。シートは固定式で、ペダルボックスの位置を調節するのもレーシングカー同様だ。

 さらに、25名のオーナーに完璧な「レーシングドライバー」を体験してもらうため、オーナーの体型に合わせて型取り(シートフィッティング)を行ったオリジナルのシートを装着。FIA認可のレーシングスーツやヘルメットなども、それぞれに合わせた特注品を用意する。無線通信用のイヤーピースまで備えられた。

 今回のモデルは、「ラグジュアリーブランドが特別な顧客に向けた小ロットのサーキット専用モデル」にふさわしいホスピタリティが充実しているのもポイントとなっている。購入希望時には個別のプレゼンテーション、マシン開発時にはソフトウェアを中心に各オーナーのビジョンが反映される。

 さらに、オーナーの希望に合わせたカスタムメイドを行うなど、開発段階からオーナーとの親密な関係が構築されるのもカスタマーとしては嬉しいポイントだ。その後も、ドライバー育成指導プログラムなど、レーシングドライバー体験をサポートしていくことで、オーナーへのホスピタリティは継続していく。

 現在、テスト走行を行う段階というソーラスGT。25台はすでに完売しており、デリバリーは2023年にスタートする。

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