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小さく可愛いフィアットは「500」だけじゃない! ちょっとマイナーな「126」を愛するオーナーの楽しみ方とは

フィアット126のデビューは1972年。500の後継という位置づけだった

「さいたまイタフラミーティング2022」で出会ったクラシック・フィアット

 2022年11月3日に開催された「さいたまイタフラミーティング2022 in吉見町」はその名のとおり、イタリア車&フランス車とそのオーナーのためのイベント。埼玉県・吉見総合運動公園を会場に約500台ものイタフラ車が集合して、オーナー車両の展示のほか、メーカーやショップなどのブース展示やフリーマーケットなども行われていた。じつに多彩なイタフラ車のなかから、今回はちょっと珍しいクラシック・フィアットをご紹介しよう。

500に比べて圧倒的に生存台数が少ないフィアット126

「ルパン三世」などでお馴染みの2代目フィアット「500」の後継モデルという位置づけで、1972年にデビューした2ドア、リヤエンジン・リヤ駆動モデルが「126」。500に比べ少し角ばったボディには、594ccで23psを発揮する空冷直列2気筒OHVのエンジンを搭載している。ちなみにこの126のデビューから数年間は500(R)も併売されている。これは500の人気の高さゆえで、逆にいえば、当時の126の立ち位置もわかるだろう。そういった関係で、逆に現代では現存する台数が意外に少ないレアモデルとなっている。

新旧コンパクトRRの2台体制なカーライフ

 オーナーの金井基喜さんは、3年程前にネットでこの1973年式126を発見し、現車を見に行くこと5回、どうしても欲しくなって手に入れたのだそうだ。「人が乗っていなくて、かぶることがほぼないのも理由のひとつだったんです」と金井さんは言う。

「2~4速はシンクロがついているので、1速だけ注意すればダブルクラッチもいらず、意外と乗りやすいクルマなんです。サスペンションというか、たぶんシートが柔らかいのもあってショックを吸収してくれるので、乗り味もマイルドです。RRなのでフロントが軽く操舵もしやすく、旋回性も悪くないですよ」。ちなみに金井さんの足グルマはスマート・フォーツー。つまり、2台ともコンパクトRRなのだ。

オーバーホールして新車と見まごうようなエンジン

 金井さんのフィアット126はボディなどに大きな変更は加えていないそうだが、リヤに鎮座するエンジンは新車かと見まごうほどにピカピカ。じつは走行距離が約10万kmの頃にタイミングチェーンのギヤがナメた状態になってしまい、止まってしまったことがあったのだという。

 その際、「どうせエンジンを降ろすなら全てやってしまおう」と、デッドストックのクランクシャフトをはじめ、ピストンなど交換できるパーツは全て交換し、ブロックなどはブラストをかけ再塗装やリメッキを行い、約半年かけてオーバーホールを行った。その際、ショップが専門店ということもあり、パーツ類の調達は意外にもすんなり進んだのだそうだ。基本的にはオリジナルをベースとした作業となっているが、点火系をフルトラの同時点火にするなどの変更も加わられている。

 このエンジンの作業はショップで行ったが、リヤ&フロントスピーカーなどのオーディオ関連や、タコメーターや電圧計などの追加メーター設置は金井さん自身で行っているとのこと。ちなみにタコメーターはハーレーの流用。同じ2気筒エンジンつながりで、このチョイスになったそうだ。

 シンプルきわまる構造だけに、自分で手をかけられるところは自分でイジり、愛着もひとしおな様子が伝わってきた金井さん。古くて新しいコンパクト・フィアットとのカーライフを楽しんでいるのでした。

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