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日産「スカイラインGT-R」でアドバン ネオバ「AD09」と「AD08R」の新旧比較! 現役スーパーGTドライバーが選んだのは?

HKSテクニカルファクトリーのR34GT-R

HKSテクニカルファクトリーのR34GT-Rに新旧モデルを装着して試走した

GT500ドライバー平手晃平選手が「新旧ADVAN NEOVA」を徹底比較

 GT-Rオーナーから支持される『横浜ゴム』の最新スポーツラジアルタイヤ「ADVAN NEOVA AD09(エー・ディー・ゼロキュー)」。今回は進化幅をより明確にするために旧モデル「AD08R」と同条件で比較することにした。スーパーGT GT500ドライバーの平手晃平選手がその性能を語る!

(初出:GT-R Magazine 164号)

13年ぶりに全面刷新されたネオバの新旧性能に触れる

「ストリート最強のカスタムチューニングタイヤ」というコンセプトを引っ提げ、令和4(2022)年2月からリリースが開始された『横浜ゴム』の「アドバン ネオバ AD09」。従来の「同AD08/AD08R」は、各社が凌ぎを削るハイグリップラジアルタイヤ市場でも高い人気を博すロングセラーモデルだけに、新作の登場を待ち侘びていたファンも多かったことだろう。

 GT-R Magazine 163号では本誌野田がその進化ぶりを体験したが、今回は現役スーパーGTドライバーの平手晃平選手にインプレッションを依頼。ワインディングで前モデルであるAD08Rとの比較試乗を実施した。

 2022年シーズンからヨコハマタイヤを履く「KONDOレーシング」に移籍。24号車の「リアライズコーポレーション・アドバンZ」でGT500クラスを闘う平手選手。現在プライベートではR35GT-Rを所有しているが、今もっとも欲しいクルマはR34GT-R。取材は『HKSテクニカルファクトリー』のデモカー「BNR34」で行うことが決まっていたこともあり、今回の企画には打って付けのテスターである。

 取材当日は不安定な天候で、路面はウエットからハーフウエットへと変化していく状況。グリップ自慢のネオバだけに、ドライ路面でその性能を試してもらいたいという思いもあったが、逆に路温が低いウエットコンディションというのは新旧比較をするのに絶好のシチュエーションとも言える。まずはHKSテクニカルファクトリーのR34にAD08R(前後ともに265/35R18)を装着。その走りを体感してもらった。

「個人的にアドバン・ネオバを試すのは今回が初めてです。濡れた路面でもAD08Rのグリップはハンパないですね。グリップの限界自体も高いのですが、懐が深いところがとくにいいです。タテ/ヨコ方向ともに限界点が掴みやすく、アンダーステアもオーバーステアも出さずに絶妙はところで粘ってくれます。かなりレベル高いですよ。これが旧モデルなんですよね!?」

 と、平手選手はネオバ初体験を興奮気味に語ってくれた。

速さは当然、大切なのはいかに安心感があるか

 今回のタイヤテストに用いたHKSテクニカルファクトリーのデモカーは、ノーマルエンジンにHKS GTIII-SSタービン&272度カムを装着し、パワーは約520psというスペック。サスペンションはHKSの最新車高調であるハイパーマックスSで、ショップデモカーと言えども一般ユーザーに近いライトな仕様でまとめている。

 今回はタイヤのインプレをお願いしていたのだが、平手選手はテスト車のほうも気に入った様子で、

「エンジンの調子がすこぶる良くて、もたつくところもまったくないです。サスも路面のアンジュレーションをちゃんと拾ってくれますし、濡れた路面でも安心して踏めます。クルマとしてのパッケージがすごくいいです」と楽しそうに語っていた。

 濡れた路面に500psオーバーのR34という組み合わせでも、とにかく安心感があるとAD08Rのポテンシャルの高さを指摘。ハイスピード領域では一瞬滑るシーンもあったそうだが、そこからズルズルと流れることなく、すぐにグリップを取り戻してくれるところにも驚いたようだった。

縦のグリップが素晴らしい理想のストリートラジアル

 いきなり旧モデルですでに高評価を得た形だが、いよいよ新作のAD09に交換。サイズはAD08Rと同じ前後265/35R18だ。画撮り用の撮影を終えた後、そのまましばらく試乗に出てもらった。路面が多少乾き始めてきたこともあるのか、明らかにAD08R装着時よりも走りに勢いがある。アドバン・ネオバの最新作AD09の走りを堪能した平手選手は、その第一印象を次のように説明してくれた。

「最初に乗ったAD08Rと比べて、まずタテ方向の剛性が上がっていることに気付きました。とくにブレーキング時のスタビリティが高く、しっかりと減速しつつ安心してコーナーに入っていくことができます。ヨコ方向のグリップがいくら高くても、タテが弱いとどうしてもブレーキングに自信が持てなくなりますし、ターンインでステアリングを切っていく時もヨコ方向のグリップへの移行を探りながら操作する必要が出てきます」

「その点、AD09はAD08Rと同等かそれ以上のヨコ方向のグリップ力を持ちながら、タテ方向が強化されたことでターンイン時の安心感が明らかに高まっています。当然、減速側だけではなく加速側のトラクション性能も良いので、サーキットなどではラップタイムも確実に向上するはずです」

「それと、柔らか目のコンパウンドが奏功しているのか、AD09のほうが乗り味に高級感がありますね。ゆったり走っていてもしなやかですし、しっとり感があります。このR34とAD09の組み合わせは自分の理想にかなり近いです。このまま乗って帰りたいくらい気に入りました!」

 平手選手いわく、AD08Rもポテンシャル的には今でも十分通用するとのことだが、新しいAD09はタテ方向のグリップ力と剛性感が強化されたことに感銘を受けたようだ。それでいてSタイヤのようなゴツゴツ感はない。サーキット派にはA052が用意されているだけに、新型ネオバAD09はグリップ一辺倒ではなく、剛性感としなやかさが同居するバランスの取れた進化を果たした。「ストリート最強」というコンセプトに偽りはなさそうだ。

(この記事は2022年4月1日発売のGT-R Magazine 164号に掲載した記事を元に再編集しています)

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