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【15万円の不動車を再生】80年代ポップな3輪車はヤバすぎでした。光岡自動車の「BUBU501」とは

「光岡自動車」が、1982年に独自に生産・販売をスタートさせた「BUBU501」

三角牛乳パックのような3輪車

むかし懐かしの三角牛乳パック(テトラ・クラシック)を連想させる、不思議な乗り物のことを覚えているだろうか。富山県に本社を構える日本で10番目に自動車メーカーとして認可された「光岡自動車」が、1982年に独自に生産・販売をスタートさせた「BUBU501」というミニカーだ。当時はマイクロカーという呼び名で売り出された。

そのBUBU501の車体に松下電器時代(パナソニック)のブランド「ナショナル」の文字と「ナショナル坊や」をラッピングして全国各地のカーイベントに参加するのは、大阪府在住のkaorububuさんだ。

50ccのリア1輪車で「501」

発売当時、このBUBU50シリーズには、さまざまなタイプがあり、その呼び名は50㏄のエンジンを搭載してブゥーブゥー走るリア1輪の乗り物ということで「501」の名が与えられた。

さらに、これとほぼ同じモデルのBUBU504というマイクロカーも後に登場。このモデルはリア2輪仕様になっていたので、モデル名が「504」と名付けられた。一説によると、リア1輪の501は3輪車で安定性が悪く、急ハンドルで転倒しまう事例が多発。その報告を受けた光岡自動車がマイナーチェンジモデルとして安定した走行が可能な4輪車のBUBU504を誕生させたと言われている。

そんなBUBU501をkaorububuさんは、今から6年前に埼玉県の農家から購入。倉庫の中で放置され朽ちかけていた不動車を15万円で買い取り、修理して蘇らせたそうだ。

ボディは金属ではなくFRP製で作られ、窓はガラスの代用品としてアクリルで作られている。ドアは片側、左側のみで右側はボディ一体成型になっている。

じつはこれが一番の問題で、不安定なリア1輪仕様の3輪車は、コーナーリングがとても弱く、オーバースピードで突っ込んだり、急ハンドルを切るとよく転んでしまう。そして、もしそれが左側に転倒したら……、運転手はもはやどうすることも出来ない状態に陥る。

こうなったら、BUBU501の中でジタバタもがきながら通行人に救助を求めるしかないと、冗談がすぎるヤバい乗り物でもあった。

サスペンションの取り付け位置を変更

筆者の友人がこのBUBU501を所有していた時期があった。その時にもよく倒れていたが、一番最悪だったのが渋谷の交差点で左側に倒れてしまったとき。スクランブル交差点で、それはそれは本当に恥ずかしい思いをしたという話に爆笑したことを思い出してしまった。

ある意味でキケンな乗り物であったBUBU501を、kaorububuさんは転ばないように安心して乗れるように改良。サスペンションは取り付け位置そのものを変更し、キャンバーを付けてコーナーリング時にタイヤの接地面積を増やし、車体が安定するように工夫するとともに、ピロボール採用の調整式タイロッドをオリジナルで製作してトー調整も行えるようにしている。

ちなみにその角度は踏ん張り重視でトーアウト方向に向けているそうだ。

エンジンは非力なオリジナルエンジンから載せ替え、ホンダの空冷式2ストローク単気筒に換装。このエンジンは、たまたま所有していたホンダ「リード50」から流用したということだった。

懐かしさを感じる車体にナショナルカラーの組み合わせなので、よく年配の方からも声をかけられるというkaorububuさん。じつはこのBUBU501以外にもマイチェンモデルのフロント1輪、リア2輪の「BUBU502」も所有している。さらに、走るバスタブなんて呼ばれた「サイデスカー」も所有。こちらは昭和のヤマザキパン仕様としてお馴染みのロゴとキャラクターになっていた女の子スージーちゃんを描いた仕様にしているという。

どこまでもマニアックなkaorububuさん。これからも昭和のマイクロカーマニアとしてBUBU50シリーズオールコンプリートを目指して頑張ってもらいたい。

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