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「カウンタック」のライバルはフェラーリ「BB」で間違いなし! 70年代スーパーカーブームのアイドルのいま【スーパーカー列伝02】

2022年12月のRMサザビーズ「MIAMI」オークションにて33万5000ドル(邦貨換算約4580万円)で落札された1974年式フェラーリ365GT4/BB

スーパーカーブームの龍虎対決といえば「365GT4/BB」と「カウンタックLP400」

1970年代中ごろ、子どもたちの周りにあるさまざまなモノがクルマ関連グッズと化した空前絶後の「スーパーカーブーム」は、池沢早人師さんによる漫画『サーキットの狼』をきっかけとして巻き起こりました。当時の子どもたちを熱狂させた名車の数々を振り返るとともに、「今もし買うならいくらなのか」、最近のオークション相場をチェックしてみましょう。

フェラーリ初の12気筒ミッドシップ市販車として華々しくデビュー

なんといってもスーパーカーブームの牽引役となったのは、最高速度対決を繰り広げたフェラーリ「365GT4/BB」とランボルギーニ「カウンタックLP400」である。

まず、300km/hという最高速度を掲げるカウンタック(プロトタイプモデルのLP500)が1971年3月に登場。それに対抗し、ロードカー最速の座を守るために半年後に発表されたのがフェラーリ初の12気筒ミッドエンジン市販車となった365GT4/BBのプロトタイプだ。

フェラーリのフラッグシップとして生産モデルが1973年にリリースされた365GT4/BBの最高速度は302km/hとアナウンスされ、これは当時の世界最速であった。大人になってから考えれば、わずか2km/hの差はフェラーリの意地というかブラフであり、そんなトップスピードはマークできないだろうことをすぐさま理解できるが、スーパーカーカードや自動車大百科などに記されていたスペックを九九以上に暗記していた往時の子どもたちは「フェラーリのBBって、カタチがカッコイイだけじゃなく、走ってもスゴイんだなぁ~」と素直に喜んだのだった。

「ビービー」が半ズボン少年たちの合い言葉だった

車名の「BB」とは「ベルリネッタボクサー」のことで、「ベルリネッタ」はイタリア語でクーペのこと、「ボクサー」は水平対向エンジンを意味している。BBのことを正式名称の「365GT4ベルリネッタボクサー」と呼ぶような頭脳明晰な子どもは僅少で、筆者を含め、学校から帰ってからのドロケイ、缶けり、牛ぶた(牛乳瓶の蓋)の見せ合いっこなどに興じていた冬でも半ズボン姿の元気なキッズたちは総じて「ビービー」と言っていた。

エクステリアデザインを担当したのがピニンファリーナ在籍時のレオナルド・フィオラヴァンティであったこと。水冷V型12気筒エンジンのバンク角がスクーデリア・フェラーリ製F1マシン譲りの180度であったこと。フェラーリの創業者であるエンツォがミッドシップの扱いにくさを危惧していたが、ランボルギーニとマセラティがミッドシップエンジンのロードカーを発表したことで方向性を転換しなければならなかったこと等々を知っていたのも、成績優秀な子どものみであった。ちなみに、車名の「365」という数字は当時のフェラーリの慣習で、1気筒あたりの排気量365ccに由来している。

512BB~テスタロッサと系譜は続くも「元祖」の輝きは不滅

宿敵カウンタックとのスーパーカー頂上決戦で往時の子どもたちを一喜一憂させたフェラーリ365GT4/BBは、アメリカの排気ガス規制に対応するため、1976年に「512BB」へと進化。その後、1981年に燃料供給装置をトリプルチョークキャブレターからインジェクションに変更した「512Bbi」となった。その後継モデルが「テスタロッサ」であり、BBシリーズは進化するたびにマイルドで乗りやすくなっていった。

やはり、実測で270km/h前後のトップスピードしかマークできなかったとはいえ、387台(367台とする説もある)しか生産されなかった365GT4/BBこそが、現在に至るまでのフェラーリデザインを決定づけたマイルストーンであり、「ビービー」のベストオブベストだといえるだろう。

今は価格が落ち着いて3500~5000万円ほど、ただし予算には余裕を

旧車ブームのなかで懐かしいスーパーカーの価格も一段と高騰したが、2022年12月にアメリカで行われたRMサザビーズ「MIAMI」オークションでは、1974年式フェラーリ365GT4/BBが33万5000ドル(当時の邦貨換算で約4580万円)で落札されている。

ピーク時に1億円近いプライスを掲げていることもあったが、価格が落ち着いてきてからは3500~5000万円といったあたりが相場となっている。なんとなく「安い」ような気もしてしまうが、海外から日本に持ってきて、難なく乗れるように各部をきっちり仕上げるとそれなりのコストがかかるので、購入を検討しているなら、予算にかなりの余裕を見ておいた方がいいだろう。

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