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合流や信号待ち右折時のアクセルオンはどうなる? 「急発進抑制装置」を実際に「プリウス」で試してみました

急なアクセルの踏み込みで作動するが、アクセルの感度調整は5段階に設定可能

経済産業省が主催する「サポカー実感試乗会」が2月26日に開催

経済産業省が主催する「サポカー実感試乗会」が2023年2月26日(日)に埼玉県のアリオ上尾で開催された。「サポカー」とは、先進安全技術でドライバーの安全運転を支援してくれる「セーフティ・サポートカー」の略称で、その普及啓発のために行われたのが今回のイベントだ。

そこで自動車メーカーの試乗車とともに用意されていたのが、後付けの急発進抑制装置を装着した「データシステム」の試乗車だ。いったい、どのようなものなのだろうか。

急発進抑制装置ってどんな仕組み?

昨今、ペダルの踏み間違いによる自動車事故などが増加している。それを防ぐ急発進抑制装置とは、簡単にいうと、アクセルの信号を拾い停車時に急激にアクセルが踏まれるとエンジンの回転数をアイドリング状態まで落とすというもの。

そのためギアが入っていればクリープはするが、輪留めがあれば走りだすことも防げ、輪留めがない状態でもゆっくりしか進まないので、ブレーキに踏みかえればすぐに止めることができる。言葉にすると簡単なシステムだが、その作動条件など各メーカーではさまざまな工夫が凝らされているようだ。

エンジンを始動させるとつねにオンの状態

データシステムの試乗車はトヨタ「プリウス」。装着されていたのは、「アクセル見守り隊」(3万800円/消費税込)と、オプションで用意される「ウインカー連動キャンセルアダプター」(4400円/消費税込)。

アクセル見守り隊は、エンジンを始動させると同時に機能がオン。機能動作にともなうアクセルの感度調整は5段階に設定可能で、停車時に急激にアクセルが踏み込まれるとエンジンの回転を制御するとともに、ランプとブザーでドライバーに知らせてくれる。また、アクセルとブレーキを同時に踏んだ場合(高齢者では少なくない現象だそうだ)は、ブレーキが優先でアクセルは制御されることになる。

ウインカー連動キャンセルアダプターがあるとさらに便利

基本的にエンジンオンの状態ではつねに作動中となっているため、ある程度のアクセルの踏み込みが予想される側道からの合流や信号待ちでの右折時などではどうなるの? という疑問も出てくるだろう。そのような場合は手動で機能をオフにでき、アクセルを戻すと再び機能は自動的に作動する仕組みになっている。

ちょっと面倒かなとも思ってしまうが、そんな人のために用意されるのがオプション設定のウインカー連動キャンセルアダプターだ。

ウインカー連動キャンセルアダプターは文字通り、ウインカーに連動して装置の動作をキャンセルするためのもの。交差点での右左折待ちの際、左右どちらかにウインカーを出しておけば、装置の動作はキャンセルされて素早いアクセル操作にも対応。ただし停車時に使用することが多いハザードランプの点灯時には、装置の動作はキャンセルされないといった配慮もされている。文字で読むと長くなるが、これらの装置の動作は試乗すればすぐに体感することができた。

すでに所有しているクルマに高い安全効果を発揮する

今回の同乗試乗会では、ペダルの踏み間違い急発進抑制装置等に加えて、衝突被害軽減ブレーキを搭載した自動車メーカーの試乗車と乗り比べすることができた。走行時の衝突事故を含めてより安全性を担保するには自動車メーカーの最新のサポカーがお勧めだが、たとえば高齢であと数年は乗るつもりだが新規にクルマを買い替える予定がない人は後付けの急発進抑制装置も有効、といった具合に、試乗体験を通して自分の中に判断基準ができたという参加者も多かったようだ。

データシステムではオートバックスセブンの協力による3カ年計画が立てられ、これから3年で1200カ所の指定自動車教習所で教習車に急発進抑制装置を装着し、高齢者講習後にその効果を体験できる体制を整えていくとのことだ。

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