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『サーキットの狼』のロータス「ヨーロッパ」を完コピ! 風吹裕矢が降りてきそうな究極のミニカーの製造法とは【モデルカーで知る名車】

「星マーク」やフロントスタビライザーなども劇中車を再現

シャシーの裏側までじっくり観察できるのがモデルカーの愉しみ

価格帯やスケールにもよるが、最近のミニカーはおしなべて出来が良く、モノによっては実車と見間違えるほどのリアリティとなっている。そんな「高解像度」な最新ミニカーの代表ブランドのひとつが「オートアート」である。世界的にも多くのファンを持つ同社の新作が、この1/18スケールのロータス「ヨーロッパ・スペシャル」(サーキットの狼/風吹裕矢仕様)だ。実車では普段なかなか見ることのできないシャシー裏側も含め、あの人気漫画の主人公の愛車をじっくり観察してみよう。

ABS樹脂とダイキャストの長所を組み合わせる「オートアート」

ミニカーの紹介の前に、まずはオートアートの製品について一言。同社製品の特筆すべき魅力は、なんといっても「オートアート・コンポジットダイキャストモデル」と呼ばれる独自の構造にある。一般的なミニカーのボディは亜鉛合金製のボディか、あるいはレジン樹脂製のボディがほとんどだが、オートアートのそれは、ボディには独自配合したABS樹脂を用い、インナーボディには金属製のダイキャスト・パーツを採用。それぞれの素材の利点を最大限に生かし、ダイキャストモデルに劣らない高剛性と重量感を実現しながら、樹脂ボディならではのリアルでシャープなボディラインを再現している。ドアやエンジンフードなどの開閉箇所も極限までチリが合った仕上がりとなっているのだ。

風吹裕矢のヨーロッパを細部に至るまで再現

前置きが長くなったが、あらためてオートアートの1/18ロータス・ヨーロッパ・スペシャルについて。ご覧のとおり、1975年から週刊少年ジャンプに連載された漫画『サーキットの狼』の主人公、風吹裕矢の愛車を正確に再現したモデルだ。

モデル化にあたっては、茨城県の「サーキットの狼ミュージアム」やロータスの専門店「ニュースピード エンジニアリング」の協力を得て実車を徹底取材している。まずはロータス・ヨーロッパのスケールモデルとして正確に作った上で、膨大なコミックの資料も徹底的に検証。勝利数を意味する「星マーク」やリアウイング、作者の池沢早人師(当時は池沢さとし)氏の愛車と同じ練馬ナンバーなど、細部まで劇中車を再現した仕上がりとなっている。

Y字型バックボーンフレームやエンジンルームまでリアルな作り

オートアート・コンポジットダイキャストモデルならではの「ボディはABS樹脂、インナーボディはダイキャスト」というミニカーの構成は、まさにバックボーンフレームにFRPボディを載せた実車と同様。そのうえで再現された、モデル後期の豪華になった室内から、ビッグバルブのロータス・ツインカム・エンジンが再現されたエンジンルームまで非常にリアルな作りで、現代のこのクラスの量産ミニカーのお手本と言えるクオリティとなっている。

モデルを裏側から見てみると、ロータス・エランのそれをちょうど180°ひっくり返したようなY字型のバックボーンフレームにミッドシップ・マウントされた縦置きのエンジンや、劇中でレース中にヒットしてしまったシーンも出てくるフロント・サスペンションのスタビライザーなどもリアルに再現されている。

『サーキットの狼』が日本のクルマ文化に与えたインパクトの大きさ

『赤いペガサス』、『ドロファイター』、『ひみつ指令マシン刑事999』……。1970年代中頃にはクルマやレースを題材とした数多くのマンガが生まれ、テレビのバラエティ番組や歌謡曲をはじめとするあらゆる業種とともに空前のスーパーカーブームを牽引していったが、その全てのきっかけとなったのはやはり『サーキットの狼』であった。

日本のクルマ趣味の世界に大きなインパクトを与えた漫画作品の連載開始から半世紀近く経ったいま、その作品の劇中車が最新のミニカーとしてリリースされたことに、日本ならではのクルマ文化の歴史も感じるのである。

■AUTOart 1/18 ロータス ヨーロッパ スペシャル(サーキットの狼/風吹 裕矢)
定価:3万4100円(消費税込)
問い合わせ:株式会社ゲートウェイ・オートアート・ジャパン
https://www.autoartmodels-jp.com
©S.IKEZAWA/animedia.com

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