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ランボルギーニ「カウンタックLP400S」が約1億3000万円で落札! 高額なのはバルボーニ監修のレストアのおかげ!?

ロー&ワイドなボディが特徴的だった

まだまだ目が離せないカウンタックのオークション相場

2023年2月1日、RMサザビーズがパリで開催したオークションにおいてランボルギーニ「カウンタックLP400S」が出品された。今回はいくらで落札されたのか、同車について振り返りながらお伝えしよう。

世界を驚愕させる存在となったカウンタック

1970年代の半ばに、突如として日本を襲ったスーパーカーブーム。その主役のひとつに数えられるのは、間違いなくランボルギーニ カウンタックだろう。ランボルギーニからは1966年に、V型12気筒エンジンを横置きミッドシップする「ミウラ」が誕生し、当時ベルトーネでチーフスタイリストの職を務めていたマルッチェロ・ガンディーニが描いた流麗なボディスタイルの魅力とともに、ハイパフォーマンスカーの新たなブランドのキャラクターを確立。

それに続いて1971年にプロトタイプのLP500が初公開されたカウンタックは、さらに前衛的なエンジニアリングとシルエットで、世界を驚愕させる存在となったのだ。

当時パオロ・スタンツァーニによって編み出されたV型12気筒エンジンの縦置きミッドシップを可能にする設計が、結果的にはいかに効率的なものであったのかは、その後の12気筒モデル、「ディアブロ」、「ムルシエラゴ」、そして先日の生産中止と後継車へのバトンタッチが宣言された「アヴェンタドール」にまで引き継がれたという事実からも明らかだろう。

V型12気筒エンジンとギヤボックスを直列に接続し、ボディ後方から搭載。ギヤボックスがキャビンの中にまで進入するという手法は、スタンツァーニが将来的な4WD化も視野に入れた結果の策であったことも疑う余地のないところである。

実際にカウンタックの最初のプロダクションモデルとなったLP400が誕生するまでにはさらに2年近くの時間を必要とするが、ランボルギーニは1973年に発表したカウンタックを、ここから次々に進化させていく。

LP400Sはコレクターの中でも非常に人気の高いモデル

その進化型の第一弾モデルとして誕生したのが、今回RMサザビーズ社のパリ・オークションに登場したLP400S。最初のLP400は、前後フェンダーもクリーンでスムーズな造形だが、このLP400Sになると前後ともにオーバーフェンダーが組み合わされ、スーパースポーツとしてのアグレッシブさが増しているのが分かる。

もちろんそれはただのオプティカルなチューニングではなく、その内側に収められるタイヤが、フロントで205/50VR15、リアで345/35VR15サイズのピレリ製P7に改められたことが直接の理由だ。

リアミッドに搭載されるV型12気筒エンジンもトルク特性が見直され、実用域でもより扱いやすいキャラクターへと変化している。パワースペックは353psと、LP400より若干低下したが、サスペンションのジオメトリーも変更され、より軽快にコーナリングを楽しめるスーパースポーツへと進化を遂げた。

実際に生産されたLP400Sは、RMサザビーズの調べによれば237台。このうちカンパニョーロ・ブラボーの「テレダイヤル」ホイールを装着した初期型のシリーズⅠは、コレクターの中でも非常に人気の高いモデルだ。

バレンチーノ・バルボーニ氏監修のもとフルレストアを行っている

出品車のシャシーナンバー1121028は、シリーズの14番目に生産され、1978年10月26日に完成。ビアンコ色の内装に、ブルーノッテ・メタリザートという印象的なカラーコンビネーションが施されている。ちなみにメーターパネルは、LP400から引き継がれたSW製メーターを装備しており、こちらも初期型のみの数少ない仕様となる。

この個体は2016年にオークションで落札された後、かのバレンチーノ・バルボーニ氏監修のもとで、モデナでフルレストアの作業をうけたという。そのフィニッシュにはやはりコレクターの目を大いに刺激する魅力があったのだろう。

最終的な入札価格は91万6250ユーロ(約1億2880万円)にも達することになった。一時は落ち着きを見せたかのようにも思えたカウンタックのオークション相場だが、まだまだその動きには注目しておかなければならないようだ。

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