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道路で発電! 劣化EVをリユースして街路灯に! 自動車関連事業が環境問題に貢献しています

「EVリパーパス」の活用例として、車両後部にバッテリーを搭載したオフィスカーも持ち込まれた

環境問題に向き合う企業が増えてきた

東京都八王子市に本拠を置き、環境問題にまっ正面から取り組んでいるMIRAI-LABO。2023年3月15日(水)~17日(金)に東京ビッグサイトで開催された「第13回 [国際]スマートグリッド EXPO[春]」に出展した。

劣化したEVバッテリーをリユースする

今回の出展のメインとなるのは、「EVリパーパスバッテリーユニット」である。中古EVで使用されたバッテリーを再利用するもので、同社ではすでに、EV(電気自動車)の使用済みバッテリーとリサイクルスチールからできた、電線を必要としない「自律型ソーラー街路灯 THE REBORN LIGHT」をリリースしている。

高性能で耐久性に優れているものの、劣化によって走行可能距離が短くなってしまうと廃棄されてしまうEVバッテリーをリユースするというもの。MIRAI-LABOの独自のバッテリー制御技術であるMBMS(マルチプル・バッテリー・マネジメント・システム)技術を活用し、長寿命と安定性を兼ね備えた商品に生まれ変わらせているという。

このバッテリーを使って、太陽光で発電したエネルギーを蓄電し、夜間に照明として使用するもの。同社独自の高効率リフレクター技術と低電流駆動回路により、通常のLEDライトよりも省エネで明るく照らすことができる自律型の街路灯で、電気工事、電気供給(電線)が一切要らない。

EVで使用されたバッテリーを、別の用途でリパーパス(再製品化)するこの展開をさらに拡大していくということで、街路灯以外にオフィスのバックアップやピークカットのために使用することや、移動型オフィスの電源として使用することも考えられるという。使用しているバッテリーは、現在のところ日産リーフに搭載されていたものを使用する想定であるが、今後他車種のバッテリーの使用も視野に入ってくるだろう。

路面で発電する「Solar Mobiway」にも注目

ブースには他にも環境に良さそうな展示があった。それが路面で発電する、日本初の太陽光路面発電パネル「Solar Mobiway」である。これはソーラー発電所のためにわざわざ山林を切り開いて造成したり、太陽光パネルを架台に載せるのではなく、道路や歩道、駐車場、工場など既存の地面に設置するというもの。既存の土地を有効活用できるほか、表面には滑り止め処理を施した保護樹脂板が一体となっているため、試験で40トンの特殊車両を通過させても壊れなかったというのも頼もしい。

また、同社では、この太陽光路面発電パネル「Solar Mobiway」による分散発電と、EVリパーパス蓄電池による分散蓄電を組み合わせ、センシングや通信、そして照明を自律した電力でまかなうAIR(オートノマス・インテリジェント・ロード/自律型知的道路)というインフラサービスの紹介も行っていた。これは、送電ロスがなく、設置場所を選ばず、発電しながら出力ができるという、これまでの太陽光発電のネガティブな面をクリアするものとなる。

自動車関連事業でもしっかりと環境問題に向き合う企業が多くなってきた。こういった事業が早くわれわれの目の届くところで事業化されていくことを期待したい。

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