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昭和の国産名車が「ダッジ チャージャー」風に大変身! 『ワイルド・スピード』のドミニクが好きすぎて…ベースの車は?

ヘッドライトはきちんと動作するリトラクタブル式で、ノーズにはアメリカの戦闘機を意識してシャークマスクが描かれている

ドミニク・トレックにあこがれて

ギンギラギンのボディにシャークマスクを描いたマシン。完全に趣味で作ったこのクルマの正体は日産「331グロリア」だった。オーナーである中村さんは、最新作がもうすぐ公開になる話題の映画『ワイルド・スピード』主演のドミニク・トレットのファンだ。そして、このクルマは第6作目『ワイルド・スピードEURO MISSION』に登場したドミニクの愛車「ダッジ チャージャー デイトナ」に憧れて、製作に挑んだレプリカ風のモデルだった。

グロリアのシルエットを活かして製作

中村さんは次のように話してくれた。

「昭和の名車として知られる日産330系セドリック・グロリアは、どことなくアメ車っぽいスタイルを持っているので、そのシルエットを活かせば、ダッジ チャージャー デイトナのようなクルマが作れるんじゃないかと思ったんですね」

彼はない物は自ら作り出す技術を持っており、ファイバーを作ってあらゆるボディメイキングを楽しんでいる。その腕前は趣味の領域を完全に超えていて、以前、このクルマを見た時は、特撮TVシリーズ『ウルトラマンタロウ』に登場する科学特捜隊専用車に似せたマシンになっていた。

そのクルマも仕上がりが凄かったが、今回のモデルもそれを上回る出来栄え。どうやら毎年のようにリニューアルを繰り返しているようで、2023年は1969年にNASCARレース参戦用ホモロゲーションモデルとして特別に製作されたダッジ・チャージャー・デイトナモデルをモチーフに製作に挑んだという訳である。

彼にとって、まったく同じ見た目のクルマにすることは簡単なことだ。FRPを自在操って、フェンダー、ボンネット、ドア、バンパー等をすべて自らの手で作り出せるからだ。その腕はFRP職人としてもハイレベル。しかも彼の場合、製作段階で少しずつ過激なアレンジの方向に向かってしまう傾向がある。

どうせ作るならもっと面白くしたい、純正スタイルのままではつまらない、そんな想いから、ご覧の通りのボディデザインとなり、よりワイドフェンダーを強調するシルエットマシンのようなクルマになってしまったわけだ。

戦闘機を意識したシャークマスクもアレンジ

日産331グロリアをダッジ チャージャー デイトナに寄せて製作したシルエットボディは、前後フェンダーとバンパーをワンオフ製作。フロント60cm、リア40cm延長させ、造形を整え作り込んでいる。

ヘッドライトはきちんと動作するリトラクタブル式で、ノーズにはアメリカの戦闘機を意識してシャークマスクが描かれている。

最初の思い付きはドミニクの愛車仕様だったが、作っていく中で修正と変更を加え、自分らしく表現したそうだ。それがボディ職人である中村さんの製作流儀。ちなみにこのシャークマスク、ユニークなのが、目玉がウインカーになっている点だ。

一方、リアについては、ダッジ チャージャー デイトナらしく巨大なウイングをセット。そこにも星条旗を思わせるペイントを施してアレンジが施されている。

テールの作りも斬新で、縦2連の丸テールは、懐かしの昭和車「ポーター」用を埋め込んでいた。そして、ルーフに取り付けた可愛いエアスクープも昭和のクルマ好きとっては懐かしのダクト形状。これは「ミラ」のボンネットに付いていたダクトを流用しているそうだ。

まるでプラモデルのようにリメイクマシンを生み出してしまう中村さん。乗る事よりも作ることの方が大好きで、これからもどんどん面白いクルマを生み出しいく予定だ。今後のアレンジ構想はたくさんあるという。

最後に、オーナーとクルマの写真に注目してもらいたい。このポーズ、実は『ワイルド・スピードEURO MISSION』のポスターのオーマージュである。

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