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【エアコンの効きが悪いときの対処法】修理費が30万円になることも! 修理は「クルマの電気屋さん」一択の理由とは

本格的な夏を迎えたらエアコンは必須不可欠だ

早めの点検で出費を抑える

GW前後にやっておきたいことのひとつに、エアコンの点検がある。GWでも快晴の日はかなり気温が上がり、6月になれば梅雨で湿度が上昇する。湿気でガラスが曇ったらエアコンを使って車内を除湿し、曇りを取り除けないとかなり不便。そして本格的な夏を迎えたらエアコンは必須不可欠だ。近年の夏の猛暑・酷暑を考えると、エアコンなしでは体調を崩すこともあるし、集中力が途切れて安全運転に支障が生じる可能性も……。

エアコンフィルターは1万キロもしくは1年に1度の交換が目安

クルマ用のエアコンは、家庭用エアコンの5倍ぐらいの冷房能力がありながら、ユニット全体のサイズはかなりコンパクトで、かなり優秀な機械なのだが、耐久性だけは家庭用にはかなわない。だいたい6~10年も使っていると効きが弱くなったり、壊れたりしてくる。それだけ過酷な状況で使われているので仕方がないことだが、そうなる前に点検をしたい。

エアコンの点検には、大きく分けて2通りある。ひとつはカー用品店やディーラー、電装屋で行っている無料点検。これは風量、冷え具合、冷媒ガスの量、ガスの詰まり・圧力異常、電気回路システムのエラー、コンプレッサーのトラブルの有無などを、簡易点検してもらうもの。

花粉などを取り除くエアコンのフィルターは、1万キロもしくは1年に1度の交換が目安なので、エアコンのフィルターの交換とセットでこうした簡易点検を受けるのがベスト。エアコンのフィルターも無交換で目詰まりしてくると風量が弱くなったり、異臭の原因になるので大事なメンテナンスになってくる。

エアコンのフィルターを交換しても冷えない・効きが悪い場合は、専門店(電装屋)での本格的な点検が必要となってくる。

エアコンが効かない原因は冷媒ガスのリーク

じつはエアコンが効かなくなる原因の7~8割は、冷媒ガスのリーク。簡易点検で、「冷媒ガスが減っている」と診断された場合、冷媒ガスを補充すれば一時的に効きが回復するが、エアコンの冷媒ラインは密閉されているのが基本なので、冷媒ガスが減るというのはどこかから漏れているからに他ならない。漏れているところにガスを補充しても、やがて漏れて減るだけなので、直ったことにはならないので要注意だ。

それどころか、冷媒ガスを補充しすぎて、オーバーチャージでエアコンが壊れるケースも多く、またガスだけ補充して、コンプレッサーの潤滑用オイルを給油しないと、コンプレッサーが焼き付いてしまうこともあるので、安易な冷媒ガスの補充はおすすめできない。

冷媒ガスが不足したら電装整備専門店に持ち込む

冷媒ガスが不足していることがわかったら、電装整備専門店に持ち込み冷媒ガスを真空引きしてもらい、ガス漏れの有無の確認と、漏れていた場合はガス漏れ箇所の特定を診断してもらおう。

これは有料での点検になり、シングルエアコンのクルマで1万円~1万5000円ぐらい。ツインエアコンのクルマで1万5000円~2万円ぐらいかかる。

冷媒ガスのリーク箇所の特定は、たくさんの箇所のチェックが必要で、パーツの脱着も多く、配管のクリーニングやコンプレッサーオイルや蛍光検査液、新しい冷媒ガスなどの充填のためのコストがかかるが、効きの悪いエアコンなら早めにこの有料点検を受けること。放っておくと、ガスのリークだけでなく、コンプレッサーの焼き付きや配管の詰まりにつながり、重症化=修理費アップにつながるので、早期発見や早期手当が何より重要。初期なら10万円で直る故障が、エアコンシステム一式となると、30万円コースになることもある。

エアコンの修理は街の電装屋にお願いするのが賢いやり方

エアコンの修理はディーラーなどでも受け付けているが、実作業はほとんど外注の電装整備店というのが実情。そのためディーラーなどに頼むと、費用が1~2割増しになってしまう。

新車の保証期間内であれば、もちろんディーラーに点検修理を出すべきだが、補償期間を過ぎているクルマは、ネットで「クルマの電気屋さん」「電装屋」などで検索し、直接、街の電装屋(カーエアコンの専門業者)に点検と見積もりを依頼するのが賢いやり方となる。

カーエアコンは複雑なシステムなので、ノウハウがないところに頼むと二度手間三度手間になり、トータルコストが高くつくので、点検修理は専門業者一択と覚えておこう。

なお、エアコンのメンテナンスとしては、前述のフィルター交換の他、エバポレーターのクリーニング(ディーラーやカー用品店で実施でき5000円前後)、エアコンガスのクリーニング(真空引きして、冷媒ガスの不純物や水分を除去して再チャージするメニュー。1~2万円)なども効果的。

あとは夏以外の季節も年間を通して、エアコンを積極的に使うのもエアコンを長持ちさせるコツ。春でも秋でも冬でもエアコンのスイッチをONにすることで、コンプレッサーの潤滑用オイルが循環し、コンプレッサー本体や各部の密閉シールゴムの寿命を延ばしてくれるからだ。

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