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実走行43キロ!! 2億円オーバーのマクラーレン「セナLM」の内外装はどうしてパパイヤ・オレンジ?

マクラーレンセナLMのフロントマスク

存在感あるフロントマスク

わずか7台のみの希少な個体がオークションに登場

マクラーレンのアルティメットシリーズである「セナ」。希少なモデルをベースに、ル・マンの名を冠したサーキット専用モデル「セナLM」はわずか20台かぎりの限定車として販売されました。そのなかでも7台のみ製造された、パパイヤ・オレンジにペイントされた個体がRMサザビーズのパリ・オークションに出品されました。

F1GTRのル・マンでの活躍を讃えるモデル

マクラーレンにとって忘れることのできないモータースポーツでの金字塔のひとつといえば、1995年に開催されたル・マン24時間レースではないだろうか。この年のル・マンに、マクラーレンは「F1」ロードカーをベースとした「F1GTR」を投入。優勝を含め上位5台のうち4台までをこのF1GTRが占めるという偉業を成し得たのだ。

そしてそれから25年の時が経過した2020年、マクラーレンはアルティメット・シリーズの「セナ」をベースとした「セナLM」を発表。LMのネーミングからも容易に想像できるように、それは1995年のル・マンでの偉業を記念した特別なセナであった。しかしマクラーレンはこのセナLMに関して、デビュー時には一切オフィシャルなインフォメーションを発信してはいなかった。

わずかな情報から判明したのは、それが20台かぎりの限定車であり、サーキット走行専用モデルとして発売されていた「セナGTR」からさまざまなコンポーネントや技術を継承したモデルであるということ。

今回RMサザビーズが「P1」や「スピードテール」などとともにパリ・オークションに出品したセナLMは、この20台の中でも7台のみが製作された、マクラーレンのカンパニーカラー、「パパイヤ・オレンジ」のエクステリアカラーを持つもの。

ブラックの巨大なリアウイングやスプリッター、あるいはグレー系のカラーが選択されたOZレーシング製のホイールなど、エクステリアのカラーコンビネーションは、もちろんマクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)の手によるもの。

だが、さらに仔細にボディをチェックしていくと、セナLMに独自のディテールが多く採用されていることも分かる。リアウイングの翼端板にあしらわれたLMのロゴや、5本スポークのホイールデザインからは、かつてのF1ロードカーにも設定されたF1LMの姿を彷彿させられるファンも多いことだろう。

注目のパワーユニットは、4LのV型8気筒ツインターボとセナのそれに等しいが、シリンダーヘッドやポート研磨などさらなるチューニングが行われた結果、最高出力はスタンダードなセナからさらに25psのエクストラを得た825psにまで強化された。

組み合わせるトランスミッションは7速DCT。マクラーレンからはこのセナLMに関してのパフォーマンス・データは公表されていないが、スタンダードモデルでも0-200km/h加速を6.8秒でこなし、最終的にその加速は最高速の335km/hまで連続することを考えれば、LMのテストデータにはこれ以上に魅力的な数字が並ぶことは間違いのないところだ。

新車同然の希少車は2億2600万円で落札

今回RMサザビーズのパリ・オークションに持ち込まれたセナLMは、2020年に生産された20台のうちの1台。前でも触れたとおり7台しか存在しないパパイヤ・オレンジを基調色とする左ハンドル仕様である。

セナはそもそも500台の限定生産車として2017年末に発売されたが、このときの価格は日本円で約1億2000万円だった。ならばそれよりもはるかに台数の少ないLMの、しかも超人気色ともいえるパパイヤ・オレンジには、いったいどれほどの値がついたのだろうか。

結果は160万2500ユーロ(邦貨換算約2億2600万円)という価格での落札だった。モデル自体の珍しさに加えて、走行距離がわずかに43kmという新車同然のコンディションだったことも、この落札価格を達成した大きな理由といえるだろう。マクラーレンのアルティメット・シリーズは、今回のRMサザビーズによるパリ・オークションを見るかぎり、どれも高値安定といった印象だ。

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