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ダイハツ「ストーリア」と共に20年! 親子でラリー参戦「壊れて動かなくなるまで乗ります」

すこし変わったフロントフェイスで、前期モデルは宇宙人顔、そしてこの後期モデルは犬顔といわれたストーリア

使い切れる性能が楽しい

2023年で開催2回目を数える「しもやまラリー」が5月20日(日)、愛知県豊田市内で開催となった。この「しもやまラリー」は中部・近畿地区戦の一戦として組み入れられている。全日本選手権ではなく、最近エントラントが急増しているTOYOTA GAZOO Racing「ラリーチャレンジ」でもない、地区戦に長く参戦しているダイハツ「ストーリア」を紹介する。

ダイハツ「ミラ」の競技車両から始まったラリー人生

今回ピックアップするのは「しもやまラリー2023」に参戦したダイハツ ストーリアだ。ストーリアといえば1998年に登場し、6年あまり販売された5ドアハッチバックモデル。1000cc、1300ccの2種類のエンジンによるモデル展開と、713ccターボエンジンを搭載したモータースポーツ専用モデルともいえる「X4」も登場していた。

X4の存在もあって、長らくこういったラリーの現場でも見かけることはあった。だが、販売終了からもうすぐ20年。車両区分などの変更で実質的な勝負権がなくなったこともあって、さすがにあまり見かけなくなった。

今回「しもやまラリー」に参戦をしていた坂口 進&坂口 元弥選手が乗るストーリア(DB☆YH-CDKRT大洋GFストーリア/DE-5クラス)は、そのモータースポーツ成分強めのX4ではない。1300ccのNA(FF)モデルである。

少しクラシックな顔立ちにフェイスリフトされた後期モデルだが、当時、ラリー系ショップのアレックスが手がけた、ロールケージなどを組み込んだ状態で販売されていたコンプリートカーだ。小さいクルマが好きで、「性能を使い切って遊ぶ」をモットーに、ストーリアにこだわっている坂口 進選手。そもそも競技を開始したのは同じダイハツの「ミラ」の競技車を手にしたことからだった。

クラブの先輩から購入したミラX4は4WDターボ車だったが、「4WDは難しい」と感じてしまったそう。そこで次に手に入れたのがストーリアで、新車で購入して早20年。少し前まではドライバーとしてではなく、コ・ドライバーとして他車に乗ることも多かったようだが、現在は息子の元弥選手とペアを組んで、ストーリアで参戦を続けている。

「これだけ長いこと乗ってきていると降りるに降りれない」と坂口 進選手はコメントする。

ここまでこだわって乗っていると、ダイハツ関係者か? と誰もが思ってしまいそうだが、まったく関係がない。若いころは日産車を中心に乗っていたが、ラリー用にミラを入手してからはずっとダイハツ車で参戦を続けてきた。ちなみに現在、自家用車としては「ハイゼット カーゴ」を使い倒している。

コ・ドライバーの元弥選手もストーリアに夢中

ライバルとなるトヨタ「ヴィッツ」や「ヤリス」でも車重は1tを超えるなか、今回の実測車重は912kgと非常に軽量である。馬力もトルクもないものの「こちょこちょと細かいコーナーが続くようなコースをキャンキャン走ってくれる」ところに、このクルマの魅力を感じているそうだ。

先日もフロントまわりを思いっきりクラッシュしてしまい、フロントメンバーが曲がってしまった。部品も出ないこともあり、クラッシュを機に姉妹車「デュエット」を部品取り車として購入。フロント部分を移植していて、まだまだ走っていきそうな気配だ。

今回も一緒にストーリアに乗るコ・ドライバーの元弥選手は5年前に自動車免許を取得している。そんな元弥選手の愛車も、ストーリアであった。こちらは、彼と同い歳となる前期モデルのストーリアX4。当初は部品取り車として格安で譲ってもらった1台だったが、実際に現車を確認したら状態も良かったことで、普段使いでも楽しいと通勤にもドライブにも使用している。

低速時はトルクがスカスカでエンジンが5000回転以下だったら軽トラにも抜かれてしまうが、雪道をガンガンに走れるイベントである「御岳スノーランド」に参加したら、雪道でもガンガンに登って行けるし、雪上ドリフトもできるし、ドッカンターボも気持ちいいし、と現在はすごく愛着がわいているとか。

「壊れて動かなくなるまではしっかり乗ろうかな」と親子2人のストーリア・ライフはまだまだ続く……。

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