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ケン・オクヤマの最新作がヴィラ・デステに! 最新作「kode61 Birdcage」はマセラティ「Tipo61」がモチーフでした

ボディの素材は軽量なFRPを使用

山形のファクトリーでハンドメイドで製作

自動車のコンクール・デレガンスとしては、アメリカのペブルビーチなどとともに、世界最高峰の格式を誇る「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」。風光明媚なイタリアのコモ湖畔で開催されるこのコンクール・イベントにはさまざまなクラスが設けられているが、そのコンセプトカー部門に2023年、日本のカロッツェリアから1台のモデルが出品された。

奥山清行氏がデザインを手がけた「kode61 Birdcage」

GMのチーフデザイナーに始まり、ポルシェのシニアデザイナー、ピニンファリーナのデザインディレクターなど、超一流のキャリアを積み重ね、2006年には日本の山形市に本社を設立。自動車をはじめオートバイや鉄道、あるいは眼鏡やロボットなど、さまざまなデザインを手がけてきた奥山清行氏が代表を務める、KEN OKUYAMA DESIGNの「kode61 Birdcage」がそれだ。

日本のカロッツェリアからコンセプトカーが、権威あるコンクール・イベントに出品されるのは、もちろん今回が初めてのことになる。かつて同社からは、2008年のジュネーブ・ショーで「k.o7」と「k.o8」の両モデルが登場。また2016年のモントレー・カー・ウイークでは「kode57 Enji」がリリースされ、2022年の同イベントにおいては「kode57ベルリネッタ」が披露されているが、ヴィラ・デステのコンセプトカー部門においても、そのフィニッシュは観衆からの大きな注目を集めることになった。

「kode61 Birdcage」のコンセプトは、奥山氏がピンファリーナに在職していた時代にマセラティとともに製作したコンセプトカー「Birdcage 75th」の進化形であるという。イタリアの伝統的なオープンスタイル、バルケッタを現代の最新技術を用いて再現したボディは、全長4657mm×全幅4657mm×全高1140mmとコンパクトなもの。ホイールベースは2500mm、前後のトレッドは1654/1661mmなので、コーナリングでの楽しさは抜群だろう。前後のサスペンションは不等長のダブルウィッシュボーン形式を採用。ブレーキはディスクであることのみ発表されている。

最大の見どころは機能性とともに芸術品としての美しさ

搭載エンジンは4244ccの排気量を持つV型8気筒。最高出力は396ps、最大トルクは442Nmの性能を得ている。組み合わせるトランスミッションは6速MTで、重量配分を最適化するためリアに搭載される。これもまた、かつてマセラティが製作した「Tipo61 Birdcage」に共通する基本設計ということになる。

「kode61 Birdcage」の最大の見どころは、やはり機能性とともに芸術品としての美しささえ感じる、繊細かつ強固なフレームワークだろう。空気の壁を切り裂く鋭利な刃物を想像させるかのようなボディデザインは、紛れもなくBirdcage75からの進化形であり、未来的な感覚もディテールの多くに盛り込まれている。ボディの素材は軽量なFRP。前後に装着される20インチ径のタイヤとホイールは、それだけでフットワークの力強さを物語る。

インテリアの作りも、これまでの一連の作品を継承したものになっている。ドライバー側とパッセンジャー側のキャビンを完全に独立させ、左右対称に分割されたダッシュボードと独立した格納式ウインドウシールドが、スポーティな感覚をさらに高めている。左右のシートをベストラインと同じ高さで分割するセンターパネルも大きな特徴だ。「kode61 Birdcage」は、今後山形のファクトリーにてハンドメイドされ、限られたカスタマーのもとへとデリバリーされることになるという。

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