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ルノー「カングー」で宮城・鳴子温泉へ1200キロ弾丸旅! こけしの里で新型の使い勝手を検証してきました

宮城県大崎市・鳴子温泉の「日本こけし館」にて、巨大こけし、張りぼてこけし、ビンテージこけしたちと「カングー」の夢の競演

3代目になっても「カングーらしさ」は健在!?

こんにちは。AMW編集部の見習いのこけしです。生まれは宮城県の鳴子温泉、名前はまだありません。ルノーの「カングー」が3代目に生まれ変わって、2023年2月から日本でも正式発売されました。かわいいフランス車の最新バージョンは日本の風土の中でも似合うのか? 走りや使い勝手はどうなのか? 故郷の鳴子温泉に里帰りしてチェックしてきました。

しっとりコシのあるルノーらしい乗り味でガンガン走れる!

こけし、じつは先代のカングーには合計5000km以上乗ったことがあります。新型がフランスで発表されたときは、リアのハッチゲートが跳ね上げ式になり、従来通りの観音開き=ダブルバックドアは商用モデルの「エクスプレス」だけの設定となったので心配していましたが、日本仕様のカングーだけダブルバックドアを採用! ボディカラーもポップなイエロー(ジョン アグリュム)や「道具感」をアピールするブラックバンパーがラインナップされて、親しみやすいカングーのイメージを引き続き楽しめることになってひと安心でした。

今回お借りしたのは1.5L直列4気筒SOHCディーゼルターボエンジン×7速ATの仕様。実際に乗りこんでみると、ボディサイズは全長4490mm×全幅1860mm×全高1810mmと少し大きくなりましたが、フロントノーズが視界に入って見切りがいいし、バックのときにはリアカメラもあるので、取り回しで不安を感じる場面はありません。

さっそく神奈川県某所の秘密基地を出発し、高速道路で宮城県を目指します。2代目カングーから3代目の登場まで14年もの間がありますので、やはりボディの剛性感、しっかり感の進化ははっきり感じられますね。

先代では古い設計ゆえの「ゆるさ」も味として愛されていたところですが、そういった部分は現代的にアップデートされつつも、路面の継ぎ目などでちょっとした突き上げがあったとき、ゆったり上下の揺れを吸収しながらもフワフワではなく、しっとりコシのある足まわりのセッティングは、しっかりルノー。「メガーヌ」、「ルーテシア」、「アルカナ」など、最先端のルノー車のシャシー思想に基づいて実用ミニバンを作ったらこうなる、という意味で、ちゃんと「最新カングー」を味わえて、思わず笑顔になってしまいました。

高速道路を100km単位で移動していると、新たに搭載されたアダプティブ(追従式)クルーズコントロール(ACC)とレーンキープアシストの恩恵も非常に大きいです。先代までのカングーを愛用している人には「そんなの無くても運転が楽しいから疲れないよ!」という方も多いと思いますが、やっぱり先進運転支援機能は、あればあったで大助かり。渋滞や流れがダラダラのとき、ちょっと疲れたかなと思ったときはACCにお任せして、自分で走りを楽しみたいときはアクセルを踏んでいく、というメリハリもまた楽しいものです。

普段は近所でデイリーユースしながら、でも遊びに行くときは思いっきり遠方まで出かけるというアクティブな人には、高速での直進安定性も高くてガンガン走っていける新型カングーのキャラクターが大いにマッチするはずです。

ちなみに2日間で1216km走破しての燃費はカングーのフランス風表示で5.1L/100km、つまり19.6km/L。8割以上が高速道路ですが、非常に優秀です。ディーゼル仕様なので経済的にもかなり助かりますね。

こけし文化の一大拠点、宮城県・鳴子温泉へ

さて、旅の1日目は途中の仙台でスーパーGT第6戦SUGOのプレイベントを取材しつつ、夕方にこけしの生まれ故郷、宮城県大崎市の鳴子温泉に到着しました。

いわゆる「伝統こけし」は東北地方各地の温泉地でお土産として古くから親しまれてきた工芸品で、主に10~12の系統があると言われています。それぞれこけしのスタイルもデザインも異なっていて、さらに製作する工人によっても違いがあり、そしてこけし一体一体でもまた顔に個性があるので、じつは昔からコレクターも多いんです。

鳴子温泉は昔から屈指の湯治場として知られる一方、日本最古のこけしの産地とも言われ、こけし文化の一大拠点として栄えてきた土地。鳴子こけしは首を回すことができる構造になっているのも特徴ですが、ボディに対して頭が小さめで、均整のとれたプロポーションとちょっと都会的でオシャンティーな表情が魅力……と自分では思っているのですが、いかがでしょう?

宿泊したのは鳴子温泉でも老舗の鳴子ホテル。2023年で創業なんと150年だそうです。ホテルの周辺も、ホテルの中も数々のこけしが出迎えてくれる中、まずは温泉につかってゆったり。源泉かけ流しの硫黄泉はかなり濃厚で、あっという間に体が温まってお肌もすべすべに。ラッキーなことにベランダに専用の足湯があるお部屋に泊まることができ、鳴子温泉郷を一望しながらくつろぎます。そして夕食は、金目鯛と生わかめのしゃぶしゃぶ、仙台牛のロースト、三陸産穴子などなど宮城の山海のグルメを味わったのでした。

身長185cmの大こけしはカングーで車中泊できる?

あくる日は、鳴子温泉に来たら一度は入ってもらいたい共同浴場「滝の湯」(さらに熱くてディープなお湯)でひと汗かいてから、鳴子近辺のスポットを巡り(画像ギャラリーでじっくり見てください!)、この旅の最終目的地であるこけしの総合ミュージアム「日本こけし館」へ。

日本こけし館は、鳴子に限らず多彩にして膨大なこけしのコレクションが展示されているだけでなく、工人による実演や絵付け体験、こけし&こけしグッズの販売まで、こけし好きでなくても必見の、こけし文化のステーションとなっています。

そして鳴子温泉では毎年「全国こけし祭り」を開催していまして、このお祭りのパレードの見どころのひとつが、等身大(?)のこけしをかぶってパレードする「張りぼてこけし」なのです。

2列シート5人乗りのカングーは、何でも積めそうなユーティリティも大きなポイント。後席を倒してしまえば、国産ミニバンほどフラットではないとはいえ、ラゲッジフロアにマットや毛布などを敷いて工夫すれば車中泊も可能なスペースがあります。今回、特別にお借りできた張りぼてこけしは身長185cm。人間としてはかなり大柄な体型ですが、カングーで車中泊できるのか試してみました。

後席を倒し、ヘッドレストを外した助手席をめいっぱい後ろに倒して……するとどうでしょう! 助手席がちょうど、大こけしの首の位置とマッチして、枕のように使えることが判明しました! ボディはラゲッジルームで斜めに収まっているので、身長185cmだと1名しか寝ることはできませんが、正直、まさか入るとは思っていなかったのでビックリです。

なお助手席を起こして後席を倒した状態では、ラゲッジの奥行きはメーカーデータで1880mmで先代比+80mm、ラゲッジルームの容量は先代より+132Lの2800Lとなっています。身長170cm程度の人であれば、助手席を倒さないでも2人が横になるスペースがありそうです。身長185cmの張りぼてこけしは、実際的には長尺物の積載の参考にしてくださいませ。

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こちら鳴子温泉を舞台に繰り広げられる年に一度のこけしの祭典、「全国こけし祭り」は、2023年は9月1日(金)~3日(日)に開催されます。各地の伝統こけしが集結し、こけしパレード、コンクール、トークショー、即売会、ビンテージこけしのオークションなどなど、こけしをエンジョイできるフェスティバル。興味のある人はぜひ、遊びに行ってみてくださいね。

■日本こけし館
http://www.kokesikan.com

■全国こけし祭り
https://kokeshimatsuri.com

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