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「無印良品」の失敗作! 170台しか売れなかった「マーチ」あらため「MUJI+Car 1000」とは? 今なら激売れの予感

無印良品×日産自動車のコラボカー

異業種間での合同プロジェクトを展開するというと、自動車業界でいえば1999年にトヨタとアサヒビール、花王、松下電器、近畿日本ツーリストがはじめた「WiLL」がよく知られている。これは20代から30代をターゲットとして商品開発をおこない、共同でマーケティングをおこなっていくというもので、クルマとしては「WiLL Vi」とか「WiLL VS」、「WiLLサイファ」が開発、販売された。そんなWiLLプロジェクトが進行していた2001年5月、無印良品で知られている(株)良品計画が「Muji+Car 1000(ムジカー1000)」を発売した。今回はこのクルマについてプレイバックしてみよう。

1000台限定発売

このクルマは日産2代目「マーチ」(K11型)をベースとして1000台限定で販売されたもの。無印良品のオンラインショップで予約・販売をし、納車や整備は日産ディーラーがおこなうという、これも異業種合同プロジェクトといっていいものだった。

このMuji+Car、無印良品のらしさがあふれるクルマだった。バンパーやドアミラーは無塗装だったし、リアシートやラゲッジはビニール張りと、よくいえば質実剛健なつくりとなっている。そのリアシートは「マーチBOX」と同じく、床面がフラットとなるダブルフォールディング機構を採用していたので、荷室を広く使うこともできた。

そのほか外観では、テールランプはK10型マーチ、フロントグリルは専用品を採用。ホイールもスチール製を採用し、全体にすっきりとした印象となっていた。UVカットガラスの採用やオゾンセーフエアコンの装備、CG10DE型エンジンを搭載したことによる良・低排出ガス車認定なども、無印良品としてこだわった部分だったといえる。トランスミッションは4速AT、駆動方式はFFのみで、車両本体価格は消費税別で93万円だった。

時代を先取りしすぎてしまった

ここまでの説明でわかるように、このモデルは無印良品の企画から生まれたものだ。当時出された日産のプレスリリースを見てみると、

「日産自動車は、同サイト(ムジネット)開設当初より、仮想生活空間におけるカーライフ分野のパートナー企業として参画し、無印良品のコンセプトにあった商品紹介を行うとともに、ユーザーの提案を活用したクルマづくりについて検討を進めていた。今後も共同企画・開発を継続していく予定である」

とある。おそらく日産としては1987年に発売した「Be-1」、1989年の「パオ」、1991年の「フィガロ」のように、ニッチな層への訴求を狙っていったのだろう。

では、その戦略は成功だったのか、あるいは失敗だったのか。このMuji+Car 1000、1000台限定と称しながらも、実際に販売されたのは170台だったといわれている。つまり、残念なことに失敗だったのだ。当時のマーチの価格は、同じエンジンを搭載した3ドアボディ車でおよそ95万円。プレミアム感がないことこそが売りとなるクルマなのに、価格は普通のマーチと変わらない、という部分が、商売的にはつらかったのかもしれない。

実際、街中で見かけたのは1度か2度くらいで、それも発売直後だけだったように記憶している。いまもまだ乗っている人がいるかどうかもわからない。まさに幻のクルマ、といっていいのがこのMuji+Car 1000なのだ。

ちなみに、Muji+Car 1000の予約がはじまった2001年4月20日から5月10日までに購入申し込みをし、成約した人には無印良品のオリジナル折り畳み自転車がプレゼントされた。カーゴスペースがビニール張りだったので、そこに積んでお出かけをし、出先では自転車で移動をするという使いかたも想定されていたのだろう。いまだったら普通にありそうなシチュエーションだし、クルマに余計な装備はいらないというコンセプトも、いまなら受け入れられるかもしれない。時代を先取りしすぎてしまったクルマ、それがこのMuji+Car 1000だったのだ。

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