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新型発売まで秒読み! スズキ「スイフト」の愛され続けた4世代の歩みを5分で振り返ろう【カタログは語る】

世界戦略車として新規開発され、2004年11月に登場した2代目スイフト

ジャパンモビリティショーで5代目スイフトのコンセプトがお披露目

東京モーターショー改め「ジャパンモビリティショー2023」会場にて、世界初公開されたスズキの「スイフトコンセプト」。大切なのは「モノ」ではなく「コト」。そう変化してきている世の中でスイフトコンセプトは「デザイン」と「走り」だけではなく、「クルマと日常を愉しめる」という新しい価値を提供するモデル(以上、スズキのニュースリリースより)と説明されている。高効率エンジンの搭載や、6速MTも用意されるスイフトスポーツが存続するかどうかなど、注目したいこともいろいろだが、正式な登場を心待ちにしたいところだ。

初代(2000年) 始まりはKeiのワイド版だった

ところでそんなスイフトだが、もともと最初のモデルは、SUV風味のクロスオーバーカーとして登場したことは今は懐かしい話のひとつ。当時の軽自動車にラインアップした「Kei」のドアパネルなどを活かし、簡単に言うと「ワゴンR」からワイド版の「ワゴンR+」が登場したように、ボディを拡幅して誕生したのが初代スイフトだ。1.3Lエンジンを搭載し、バッジエンジニアリングのシボレー「クルーズ」も登場。地方の駐在所でパトロールカーとして配備されていた姿もおなじみだろう。

2代目(2004年) 世界戦略車として一新、不動の人気を確立

その一方で、世界戦略車として新規開発され、2004年11月に登場したのが2代目スイフト。スズキの新型車としてはそれまでとは体制を一新、初めて日本、ハンガリー、インド、中国の世界4カ国で一斉に生産を立ち上げたクルマでもあった。開発初期にイタリアのデザイナーとデザインコンセプトを創出、一新したプラットフォームは欧州のテストコース、道で熟成するなど、開発手法もそれまでとは違っていた。それまでのような軽自動車派生ではない専用プラットフォームを採用、リアサスペンションのトーションビームもスズキ車では初めて(それまではITL式)だった。

もちろんそうした経緯と説明を聞くまでもなく、2代目スイフトは姿カタチも、走りも、じつに新鮮で奮った出来ばえに感じられた。とくに外観スタイルは、筆者個人の感想で言うと、スズキ車としては1993年登場の初代ワゴンR以来のシンプルながら利発的、かつチャーミングなクルマに思えた。

また2005年9月にはスイフトスポーツを設定。じつは初代にも3ドアで設定があったが、標準車が1.3Lと1.5Lだったのに対して新開発の1.6LオールアルミDOHC VVT(125ps/15.1kgm)を搭載。モンローのショックアブソーバー、前後15インチ大径ディスクブレーキ(フロントはベンチレーテッド)などを採用。文字どおりスポーティでファンな走りを愉しませてくれた。

3代目(2010年) さらなる高剛性&軽量設計を追求

さらに続く3代目は2010年8月に登場。一見すると2代目のイメージを色濃く残したスタイリングながら、全長は2代目+155mmの3850mmに、ホイールベースも+40mmの2430mmに伸ばされるなどした。ただし新規開発されたプラットフォームは高剛性、軽量設計とし、最軽量グレードで970kg(XG・5速MT車、同・CVT車は990kg)と1tを切る車両重量を達成している。

この世代もおよそ7年と長いライフをまっとうし、2011年にはアイドリングストップ仕様を追加したほか、同年11月にはRSを設定。このRSは欧州スペックのダンパー、タイヤなどの採用をはじめとし、爽快な走りをアピールするモデルだった。

なお2013年には4WD車に動力性能と環境性能を両立させたK12B型1.2Lをベースにしたデュアルジェットエンジンも搭載。副変速機を備える7速マニュアルモード付きCVTも組み合わせていた。

4代目(2016年) フローティングルーフのデザインも見どころ

そして2016年12月になると4世代目が登場。「HEARTECT(ハーテクト)」と名付けられた新プラットフォームを採用したほか、新設計のサスペンションやパワートレインなどが投入され、より現代的なスペックを身につけた……そんなモデルへと進化を果たした。

とくにパワートレインでは、1.2Lは新採用のK12C型デュアルジェットエンジンとし、発進~加速時に最大30秒間モーターでエンジンをアシストするISG搭載のマイルドハイブリッドを設定。このISGはアイドリングストップ後のエンジン再始動にはスターターモーターの役割も果たす仕組みとしていた。

エンジンにはもう1タイプ、1LターボのK10C型ブースタージェットも設定。こちらは1.5LのNA並みの高出力/高トルクを実現しながら20.0km/L(JC08モード走行燃費=当時)の優れた低燃費性能も発揮するというエンジンだった。

また単眼カメラとレーザーレーダーによる衝突被害軽減ブレーキをはじめとした先進安全技術も搭載。ハイビーム/ロービームを自動で切り替える機能もスズキ車として初採用した。

3代目に対しホイールベースを20mm伸ばし全長は10mm短くしたボディは、3代目に対してヒップポイントを低くした(前:−20mm、後:−45mm)パッケージングが特徴。Cピラー部にもブラックアウトした部分を回しフローティングルーフとした外観デザインはこの4代目の特徴のひとつ。

さらに2017年9月にはスイフトスポーツが登場。140ps/23.4kgmの性能を発揮する1.4L直噴ターボのK14C型ブースタージェットエンジンを搭載。足まわりにモンローのショックアブソーバーや専用スタビライザー、コイルスプリング、ブッシュを使うなどし、歴代モデル同様、走りに磨きをかけたスペックを身につけていた。果たして次期最新型のスイフトスポーツがどんな仕様で登場するのか? も、今からの楽しみのひとつではある。

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