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現地を走ってわかった震災地での安全な運転とは? 二次災害を避けるための注意点をまとめました【令和6年能登半島地震】

郵便局の駐車場は、来客用の駐車場が大きく陥没し、吹き出した地下水はまるで湖のようになっていた

令和6年1月1日に突如発生した最大震度7の地震

能登半島地震でたくさんの被害が出ています。この災害で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復旧、復興を心よりお祈り申し上げます。地震発生から1週間が過ぎようとするこの時期ですが、いまだ余震は止まず、また進む復旧とは裏腹に新たな犠牲者が発見されるなど、傷ましい震災のリアルがあらわになっています。そんな現地で見たレポートをお届けします。

復旧は進み震災の爪痕は減るがいまだ余震は続く

震源は能登地方に集中していますが、被害は日本海沿岸に広範囲に渡っています。筆者は、石川県から350km超離れた新潟県新潟市在住ですが、被害は大きく、交通機関を中心に震災の爪痕がそこかしこに見受けられます。

液状化も各所で顕著で、かなり大きく地盤沈下している箇所もありました。郵便局の駐車場では、来客用の駐車場が大きく陥没し、吹き出した地下水はまるで湖のようになっています。地面は傾き、クルマの前半分は浸かってしまい動かすことができない状況です。偶然にも乗員がいなかったことが幸いでした。

もしもこのような状況に遭遇したなら言うまでもないですが、すみやかにクルマから脱出して逃げることです。愛車が大事なのは重々わかりますが、あれこれもがくよりは自身の命を最優先の行動が求められます。

同じエリアの中でも被害の程度はさまざまで、どうやらもともとの地形が影響しているようです。元・砂丘だった地域や元・湿地だった地域などそれぞれのルーツの「境目」が大きく陥没しているようです。

停めた車両の行く手を阻むアスファルトの隆起

また近隣では、地面に大きくダメージを受けている駐車場が数多くありました。地面がひび割れているだけでなく、まるで出庫するのを邪魔するようにアスファルトがめくれあがっている駐車場もあります。

これは住んでいる地域によっては死活問題です。難指示が出ている地域で、避難場所まで距離があったり高齢者を送る場合など、どうしてもクルマが必要だからです。また暖をとるための灯油を確保するため等で買い出しに行くにもクルマが必要です。

SUVなど段差を乗り越える余裕のある作りのクルマならまだ救われますが、段差を無理矢理、乗り越えようとして途中でつっかえてしまい難儀している車両を見かけました。めくれたアスファルトですが、ご自身での撤去は危険をともないます。専門業者等に頼むのが無難です。揺れによる変形や液状化で吹き出した土砂が邪魔をして車庫のシャッターが開けられないお宅も多くありました。

傾いた電柱の脇を走る際に感じた多大なる緊張感

走っていてそこかしこにあったのが、地面の液状化で傾いてしまった電柱の数々です。できれば避けて通りたいところですが、幹線道路だとそうもいかないことも多く、渋滞に巻き込まれノロノロ運転になった際は、傾いた電柱の脇を走るのはかなりの緊張感でした。

さらに走る際に危険を感じたのは路肩の塀です。数カ所は地震の影響で倒壊しており、さらに倒壊直後はカラーコーンなど何の注意喚起もないので、走っていて突然、倒れたブロック塀が出現するなど危険きわまりない状況でした。

路肩のガレキを避ける歩行者の存在に留意

また路肩は、アスファルトが隆起しているだけでなく、液状化で噴き出した土砂が累積していたり、地下水で滑りやすくなっていたりと歩行者にとってもとても歩きにくい状況です。その都度どうしても車道側に避けて歩くことになるので、ドライバーとしてはそこも気をつけて運転しなければならないポイントです。

スーパー、コンビニの駐車場にも危険がいっぱい

運良くクルマを出せる環境にあるなら、日用品や飲み水を買い出しに行くこともあるでしょう。その際は、駐車場へのアプローチも危険です。今回の震災は夕刻に起こりましたが、スーパーの内部も陳列棚が倒れたりとパニックが起こっていました。

お客様の安全確保が優先されるため、駐車場入り口のケアは後手に回る可能性があります。進入側にアスファルトがめくれて危険なケースが多く見られたので無理矢理、進入してパンクなどを起こさないよう気をつけましょう。また液状化している駐車場もあります。ぬかるみでスリップするのも危ないですが、水たまりのためどれだけ地面が陥没しているのかがまったくわかりません。水たまりには近づいてはいけません。

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自然災害については口が酸っぱくなるほど聞かされている「事前の心構え」ですが、はたして自身が完璧に準備ができているかというとなかなかおぼつかない点もあります。お住まいの地域がどのような地盤なのか、津波や液状化への対応等に関しては自治体がさまざまな注意喚起をしてくれています。避難経路などを含めて、確認しておくことの大事さをあらためて肝に銘じました。

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