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GR「スープラGT4EVO」で開幕戦デイトナに参戦! 服部茂章率いる「ハットリモータースポーツ」がIMSAシリーズに挑戦

服部代表は「序盤はレースを完璧にリードしてデイトナ優勝の期待が高まりましたがレース中盤に他車と接触した際にフロント部分にダメージを負い、オーバーヒート状態になりエンジンパワーが下がってしまいました。後半にはタイヤトラブルから予定外のピットインを余儀なくされましたので、燃料をセーブして走り切る戦略に変更しましたが水温が燃費にも影響を及ぼし最終ラップに燃料補給が必要となり順位が大幅に下がりました」の50号車のレースを振り返る

クラス22位で4時間のレースを完走

アメリカでNASCARトラックシリーズを中心に、NASCARインフィニティシリーズ、ARCAメナーズシリーズなどに参戦を続ける「Hattori Racing Enterprises(HRE)」。その服部茂章代表が2022年に創設した「Hattori Motorosports(HM)」チームが、2024年のIMSAシリーズ開幕戦デイトナに参戦しました。そのレポートをお届けします。

スープラGT4EVOの2台体制でIMSAシリーズに挑む

デイトナ24時間レース(Rolex 24 At Daytona)が行われる週末に、アメリカ・フロリダにあるデイトナスピードウェイでIMSA Michelin Pilot Challenge開幕戦が開催された。GS(グランドスポーツ)とTCR(ツーリングカー)の2クラスのマシンが混走で行われるレースで、この開幕戦は4時間の耐久レースとなる。

服部茂章氏率いるHMは、2022年にGT AmericaSeriesに参戦。2023年からはこのIMSA Michelin Pilot Challengeシリーズに参戦し、2023年7月のカナダ・オンタリオ戦で初優勝を遂げている。

今シーズンは、10戦行われるシリーズに参戦予定だ。エントリー車両は、トヨタ「GRスープラGT4EVO」を2台持ち込み、チームとしては初の2台体制で臨んでいる。現在世界のGT4レースに参戦をしているスープラGT4EVOは、3L直6ツインターボエンジンを搭載。車両重量は1360kg、ボディサイズは全長4460mm×全幅1855mmとなる。

ゼッケン50をつける「IBARAKI TOYOPET TOYOTA GR Supra GT4 EVO」には、ベテランのジャック・ホークスワースとタイラー・マクソンのペアが乗り込んだ。50号車は走り出しから好調で木曜午後に行われた予選セッションではホークスワースによって1分53秒71というタイムを記録。トップとは0.873秒差という僅差で、50号車は3番手のスタートポジションを獲得することとなった。

チームのもう1台、ゼッケン51をつける「Racing to end Alzheimer’s TOYOTA GR Supra GT4 EVO」はマーク・クヴァンメのドライブで1分56秒462のタイムを記録し24番グリッドからのスタートなった。

2024年1月26日(金)現地時間午後1時45分にIMSA Michelin Pilot Challenge Series第1戦がスタートした。50号車はホークスワースがスタートドライバーを務め、2列目イン側から好調なスタートを切った。序盤の30分間ほどはこの50号車がレースをリードし、その後出されたこの日最初のフルコースコーションでマクソンへとドライバー交代した。

ほかと異なる戦略により、50号車は一時15番手まで順位を落とすことになったが、約1時間でトップ10に復帰するところまで順位を上げていく。そして再びドライバー交代を行い、ポジションアップ回復を図っていたが、残り50分というところで右リアタイヤがパンクし、ピットへ戻らざるを得なくなった。

しかし、チームはこのストップでの給油で最後まで走り切る燃料セーブの戦略に変更。レース最終盤で追加の給油を受ける車両が出てきて順位が大きく変動していく中で、残念ながら50号車も残り1周となったところで給油を余儀なくされ、クラス17位でチェッカーを受けることとなった。

予選24位を獲得した51号車は、レーススタート直後に燃圧のトラブルに見舞われピットインを余儀なくされる。チームは51号車に部品交換が必要と判断し、いったんマシンをガレージに移動して作業に取り掛かり、燃料ポンプの交換作業を行い、再度コースに送り出す。

スタートドライバーのクヴァンメは周回遅れながらも終始安定した走りを見せ、その後も、マット・フォーブッシュ、ニック・ガランテとバトンをつなぎながら順位を徐々に上げていき、クラス22位で4時間のレースを走り終えた。

服部代表は次のようにレースを振り返った。

「50号車は、序盤はレースを完璧にリードしてデイトナ優勝の期待が高まりましたがレース中盤に他車と接触した際にフロント部分にダメージを負い、オーバーヒート状態になりエンジンパワーが下がってしまいました。後半にはタイヤトラブルから予定外のピットインを余儀なくされましたので、燃料をセーブして走り切る戦略に変更しましたが水温が燃費にも影響を及ぼし最終ラップに燃料補給が必要となり順位が大幅に下がりました。

いっぽう、今回レースでのメンテナンスを請け負った51号車のマシンは燃料ポンプに不具合が出てしまい部品交換で周回遅れとなりました。チームにマシンが運ばれたのがレースの数日前で細部の点検をする時間が取れなかったのが悔やまれます。しかしレース中の走行ペース自体はとても良かったので次戦以降に期待が持てると思っています」

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