サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

奇抜すぎるベントレー「ベンテイガ EWB」は純正マリナー仕立て。オプション受注を1年前倒しさせた夫婦のオーダーとは?

マリナーが手がけた「ベンテイガ EWB」の「 無限の選択肢」

ベントレーのビスポーク部門のマリナーがまた奇抜なクルマを発表しました。ツートーンカラーのエクステリアカラーを望んだ顧客のために、「ベンテイガ EWB」のデュオトーンのプログラム全体が12カ月早まったというのです。発表を早めるきっかけとなった顧客仕様のベンテイガ EWBとはどのようなものか見ていきます。

キングフィッシャーに惹かれて

カリフォルニア州アーバインに住む夫婦が依頼したベンテイガ EWBは、ベントレーのビスポーク部門であるマリナーのクラフツマンシップを象徴する1台である。当初、夫婦はベンテイガ EWB アズール V8 ファーストエディションを注文するためにディーラーを訪れ、標準オプションで用意されている460億通りのコンフィギュレーションからエクステリアカラーとインテリア仕上げを選ぶつもりだった。

しかし、マリナーのデザインマネージャーであるフィル・ディーン氏の助言もあり、夫妻はさらに自分らしいクルマを作ることを決意したという。鮮やかなキングフィッシャーブルーのエクステリアカラーに即座に惹かれたものの、ブラックラインスペックを引き立てるために、対照的なエクステリアカラーが必要だと感じた。ベントレーのペイントショップと話し合った結果、デュオトーンでの製作が可能であることがわかり、それによりベントレーはベンテイガ EWBへのこのオプションの受注を予定より1年前倒しするためのプロセスを開始したという。

マリナーによる特別仕様

顧客から依頼されたベンテイガ EWBは、カリフォルニアの日差しをまぶしく照らすように考案されたキングフィッシャーブルーにオニキスをあしらった個性的なデュオトーンのエクステリアのモデルとなった。ウェルネスにフォーカスしたアズールパッケージを基本仕様とし、ブラックラインとツーリングスペックを加えた後、リアプライバシーガラスの追加とテールゲートのベントレーレタリングの削除も要望された。

ボンネット、ルーフ、アッパーボディに採用されたオニキス仕上げは、ブラックラインスペックのグロスブラックのグリル、フロントエアインテーク、ウィングベント、サイドコーチライン、リアディフューザーとシームレスに一体化している。キングフィッシャーブルーとのコントラストが際立ち、ダークなルーフとキャビンがこのクルマにより低くスポーティな印象を与えることに成功。ペイント仕上げの22インチ10本スポークホイールも、ボディと同色のキングフィッシャーにペイントが施されているのも珍しい。

マンダリンとインペリアルブルーのレザーをドラマチックに組み合わせたキャビンは、ラグジュアリー感をより鮮やかに表現している。フェイシア、リアセンターコンソール、ドアインナー、ピクニックテーブルには、軽量かつ現代的でサステイナブルなオープンポア・コアのウッドパネルが選択された。

しかし、最も大きなインパクトを与えるのは、シートボルスター、ロアフェイシア、ステアリングホイールの6時位置のタブ、ギアレバー、ドアトリムにあしらわれたアクセントカラーのキングフィッシャーの輝きである。ピクニックテーブルを伸ばすと、その上面にもキングフィッシャーのアクセントが現れる仕様となった。

細部にもこだわった意匠が施される

貴重品を安全に保管できるマリナーキーボックスは、インペリアルブルーのレザーとマンダリン、インペリアルブルーアルカンターラの組み合わせとなる。ベントレーのシートエンブレムはキングフィッシャーで刺繍され、キャビン全体のコントラストステッチにも同色を使用。インペリアルブルーのオーバーマットにもキングフィッシャーマイクロパイピングが施され、マンダリンステッチとアウターバインディングが施されている。また、トレッドプレートには「One of One」のメッセージが刻まれているのも顧客仕様の表れである。

人気のパーソナリゼーション

今回、顧客からの要望により実現したベンテイガ EWBのデュオトーンのエクステリア仕様は、いまでは工場オプションとして提供されており、これは顧客がカラーとトリムにおけるオプションの提案に貢献した例のひとつである。

2023年に英国クルーにあるベントレーの工場を出荷される車両の約75%にマリナーのデザインが採用された。これは、2022年よりもマリナーのオプションが43%増加したことを意味し、ベントレーのラインアップ全体においてラグジュアリーなパーソナリゼーションに対する需要が高まっていることを証明している。

AMWノミカタ
初めてこのベンテイガ EWBのデュオトーン仕様を見たとき、「日本ではこれは無いな」と思ったほど奇抜に見えた。しかしカリフォルニアの太陽の下では、とても美しく映えるのかもしれない。マリナーはこんな仕様アリなの? と思えるモデルをときどき公表する。すなわちそれは顧客の要望したクルマはどんなに奇抜であろうが製作するという工場のケーパビリティを証明していると言えよう。日本では先日限定10台のベンテイガ アズール ニンバスコレクションが発表された。パーソナリゼーションにますます重きを置くベントレーの勢いが止まらない。

モバイルバージョンを終了