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実走行504キロのレクサス「LFA」が2億2000万円以上!?「ニュルブルクリンクパッケージ」は64台の超希少車でした

155万ドル~195万ドル(邦貨換算約2億2095万円~2億9055万円)の推定落札価格がつくも、流札となったレクサス「LFAニュルブルクリンクパッケージ」(C)Courtesy of RM Sotheby's

次のオーナーにとって最上な1台だが……

2024年3月1日〜2日、RMサザビーズがアメリカ・マイアミで開催したオークションにおいてレクサス「LFAニュルブルクリンクパッケージ」が出品されました。500台のみ生産されたレクサスLFAの中でも、このニュルブルクリンクパッケージはアメリカに25台のみ納車されたうちの1台となります。

ニュルブルクリンクパッケージは全64台がリリースされている

レクサスが、2010年から2012年にかけて500台を限定販売したスーパースポーツ「LFA」の人気は、デビューから現在に至るまで、衰えることを知らない。その中でも究極のLFAといえるのが、コンセプトカーの「LF-A」時代の2008年から2015年まで参戦し続けたニュルブルクリンク24時間レースにちなみ、2012年によりサーキット走行にフォーカスしたチューニングを施した高性能仕様の「ニュルブルクリンクパッケージ」だ。RMサザビーズの資料によれば、その生産台数はLFAの全500台のうち64台と考えられている。

ちなみにLFAのニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)での最高ラップライムは、当時世界最速となった7分14秒64。これは専用設計のブリヂストン製POTENZA RE070を装着しての記録だったものの、LFAの持つポテンシャルを証明するには十分なタイムであったといえる。

2024年のRMサザビーズによるマイアミ・オークションには、ほかに紹介するもう1台のスタンダードなLFAも出品されているが、いずれも同じ2012年式。エスティメート(推定落札価格)を比較してみると、スタンダード仕様でも80万~90万ドル(邦貨換算約1億1920万円~1億3410万円)と新車価格の3倍以上の評価を得ているのに対して、このニュルブルクリンクパッケージのエスティメートは155万~195万ドル(邦貨換算約2億2095万円~2億9055万円)と、こちらは新車価格の5倍に迫ろうという勢い。2023年12月に開催されたオークションでは172万ドル(約2億4470万円)での落札が実現したのだから、それを知れば今回のオークションへの注目度もさらに高まる。

出品されたLFAニュルブルクリンクパッケージは、500台中336番目に生産されたモデルで、ニュルブルクリンクパッケージとしては、アメリカで25台のみが納車されたうちの1台である。

走行距離504キロの新車コンディション

ボディカラーはLFAの中でも人気の「9K5」オレンジで、インテリアはレッドとブラックのアルカンターラでフィニッシュされた唯一のモデルと推察される。フロントミッドに搭載されるエンジンは、570psにまで強化された(スタンダードなLFAは560ps)4.8LのV型10気筒。軽量な20インチ径BBS製のマグネシウム・ホイール、クリア塗装のフロントリップスポイラーやバンパーカナードなどは、このニュルブルクリンクパッケージの専用アイテムで、さらにリアには大型の固定式カーボンウイングが装着されている。

サスペンションの専用チューニングによって車高は10mmローダウンされ、ブレーキもフロントに390mm径カーボンセラミックディスク+6ピストン対向モノブロック・キャリパー、リアには同じく360mm径ディスク+4ピストン・キャリパーが備わる。

このような日本という国こそが生み出す、極上のパフォーマンスとエクスクルーシブ性を持つLFAが、プライベート・コレクションで長い時間を過ごすことになるのも不思議なことではない。この336号車は2021年にシカゴを拠点とする有名なコレクションに購入され、2022年には右フロントショックアッセンブリーとバッテリー交換などのサービスを受けた。直近では現オーナーによって空調管理された倉庫に保管されている。

現在オドメーターは、わずか315マイル(約504km)を示すのみ。タイヤのコンディションも含め、次のオーナーによって保管される準備はすべて整っている。オリジナルのオーナーズマニュアル、アッセンブリー写真、サービス記録などももちろん車両とともに提供されるという最上の1台だったのだが、残念ながら今回はこのモデルを落札するビッター(入札者)は現れなかった。はたして次に、我々がLFAニュルブルクリンクパッケージをオークション・シーンで見ることができるのは、いつのことになるのだろうか。

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