運命的な再会を果たしたルーテシアのベーシックグレード
ルノーのコンパクトハッチとして1990年に初代モデルが登場したクリオ(日本名ルーテシア)を愛するユーザーが一堂に会する「クリオミーティング」が2024年11月17日に静岡県立三ケ日青年の家マリーナ広場で開催。今回で通算27回目、三ケ日青年の家を会場にしてからは10回目を数える今イベントの会場から、一見するとごくフツーのベーシックグレード、じつは希少な「ルーテシア ゼン0.9L」を紹介します。
「ゼン0.9L」は希少な3ペダルの5速MT仕様
ブルー・ドゥ・フランスと呼ばれるボディカラーが印象的な“taizou”さんの2015年式ルノー「ルーテシア」は、「ゼン」という、4代目ルーテシアに設定されたいわゆるベーシックグレードとなる。
ただこの個体は2014年12月に日本仕様に追加された「ゼン0.9L」というモデルで、通常のゼンが直列4気筒1.2L直噴ターボ+EDC(エフィシエント・デュアル・クラッチ)であるのに対し、ゼン0.9Lは直列3気筒900ccターボに3ペダルの5速MTが組み合わされているというのが大きな違い。
クリオ/ルーテシアのMTモデルというとホットなモデルを想像してしまうが、この世代以降のホットモデルは全て2ペダルとなり、このゼンが唯一の3ペダルMTグレードとなる。
探し出した中古車に感じたデジャヴとは……
“taizou”さんもその点に魅力を感じ、ひと目惚れをしたブルー・ドゥ・フランスのボディカラーで3ペダルMTのゼン0.9Lという、この仕様一択で中古車を探して、この個体に巡り合ったというわけなのだ。
ただ、このゼン0.9Lのナンバープレートに“taizou”さんは既視感があった。過去に撮影した写真を見返してみると、なんと新車時にルノー岡崎店で試乗した個体そのもので、試乗車としての役目を果たした後、中古車として同じ系列のルノー名古屋東店にて販売されていたのである。
新車時に試乗してからは1年ほどの時間が経過していたものの、販売会社が同じということでナンバーが変更されなかったため、その個体であることが判明したのだった。ある意味、運命的な再会と言えるのではないだろうか。
非力なエンジンを3ペダルを駆使して操るのが楽しい!
もともとルーテシアのデザインが気に入っているという“taizou”さんはノーマル状態をキープしていきたいと話しており、前の愛車であるプジョー「206」もMT車だったとのことで、非力なエンジンを3ペダルを駆使して操ることに歓びを見出している様子。
希少なゼン0.9Lではあるが、2018年に関西で同一グレードが9台集まってツーリングをしたことが思い出深いエピソードだそうで、今後も狭いながら車中泊を楽しみながら、あちこちへ足を延ばしたいと話してくれた。
すでに愛車となって9年が経過したゼン0.9Lだが、現状同じようなコンセプトの車両もないため、まだまだ乗っていきたいとのこと。今後は黄ばんできてしまったヘッドライトのリフレッシュや、お疲れ気味のエアコンの修理をするのが当面の目標と語ってくれた。
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