アメリカならではの砂漠と大自然を満喫できるジョシュアツリー国立公園
「アメリカの母なる道」と呼ばれる「ルート66」が2026年で100周年を迎えます。ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手を応援しにカリフォルニアを訪れる日本人が多い今、そこからちょっと足を延ばせば満喫できる、ルート66ゆかりのスポットをご紹介。今回はルート66と並んでぜひとも一度は行っておきたいスポット「ジョシュアツリー国立公園」で、キャンピングトレーラー「エアストリーム」によるグランピングを体験してきました。
ジープ・ツアーでサンアンドレアス断層地帯を疾走
ロサンゼルスを出発して東に向かい、パームスプリングスで1泊。早朝に熱気球フライトを体験した後は、「ジョシュアツリー国立公園」へ向かう。が、その前にパームスプリングス近郊のメタテランチ保護区に立ち寄った。地図では国立公園のすぐ南西だが、山脈で隔てられている場所だ。
ここには「レッド・ジープ・ツアー(Red Jeep Tours)」というアドベンチャー・プログラムが存在する。カリフォルニア州を縦断するサンアンドレアス断層に属する、峻険な岩山と砂漠の中をジープで走って案内してくれるという趣向である。
現地に現れたのは真っ赤にペイントされたジープ「CJ-8 スクランブラー」。「CJ-7」のロングホイールベース仕様として1981年~1986年に生産されていたモデルだ。
ツアーガイドのダレルさんはジープをギュンギュン勢いよく飛ばしながらも小まめにストップし、太平洋プレートと北米プレートが衝突して断層が形成されるまでの地質学的な解説から、ここの動植物の自然史、そして先住民であるネイティブアメリカンの文化に至るまで、じつに広範な情報を巧みに語ってくれた。
ワイルドで大ざっぱなツアーかと思いきや、炎天下の砂漠でダレルさんは我々に頻繁に水分補給や冷たいおしぼりを提供してくれて熱中症予防を徹底し、内容的にもなかなかアカデミックな充実した時間だった。
荒涼とした砂漠は、いつか映画で見たイメージそのもの
ジープ・ツアーを終えて駐車場に戻ると、ほど近いインディオの町の人気のサンドイッチ&ハンバーガーショップ「TKB Bakery & Deli」で調達したハンバーガーを車内で食べながら、ジョシュアツリー国立公園へ。
国立公園の名前にもなっている「ジョシュアツリー」はユッカの仲間の植物で、学名はずばり「Yucca brevifolia」(短葉のユッカの意味)。節くれだった枝ぶりから、旧約聖書のヨシュアという人物がひざまずき天を仰ぐ姿になぞられて命名されたと言われている。とはいえそれより何より、日本においてはU2が1987年にリリースした名アルバム『ヨシュア・トゥリー』で有名だろう。
この日は国立公園の西側の出入口が工事で夕方まで通行止めとなっていたため、公園の南東側から入っていった。じつはジョシュアツリーが群生しているのは西側エリアだけで、東側ではしばらく荒涼として何もない砂漠の風景が続く。その次にチョーヤカクタスという、奇怪な形のサボテンの群生地。やがて西側になると、ジョシュアツリーと数々の巨岩が見えてきた。
砂漠に似合うエアストリームで超快適なグランピング
すでに夕方が近づいていたので、国立公園の由来であるジョシュアツリーの群生地の探索は翌日として、この日の宿泊地「オートキャンプ・ジョシュアツリー(AutoCamp Joshua Tree)」へチェックイン。
銀色に輝くキャンピングトレーラー「エアストリーム」といえばアメリカのアウトドア・カルチャーを象徴する歴史的なアイコンで、映画などでもおなじみの存在。ここにはそんなエアストリームを用いたグランピングのサイトが大量に設けられていて、人気に応えてさらに増やしている最中だという。
エアストリームの中はエアコンも効いていて広いシャワールームもあり、キッチン設備も本格的なもの。ベッドルームにダブルベッド、ダイニングスペースのソファを展開すれば、トータルで大人2名+こども2名が快適に過ごせる設備だ。
一行でBBQを楽しみ、夜のとばりが降りてきたら、星空観察の時間。「トゥエンティナイン・パームス・アストロノミークラブ(29 Palms Astronomy Club)」という地元の天文団体によるプログラムで、スティーブという青年が手際よく天体望遠鏡を展開し、夜空の星々を見せて情熱的に解説してくれた。同行していたIさん(ロサンゼルス在住)のファミリーもここに合流していたのだが、小学生のお子さんも目を輝かせて夜空を楽しんでいた。
いつまでも眺めていたい、巨岩とジョシュアツリーの風景
翌朝は標高約1500m、ジョシュアツリー国立公園で一番高い地点にあるキーズ・ビューへ。標高3506mのゴルゴニオ山と3302mのサンジャシント山という、南カリフォルニアを代表する山と、南にはソルトン湖まで望める絶景スポットだ。
そしてバーカー・ダム・ネイチャー・トレイルを歩き、巨岩とジョシュアツリーの風景をじっくりと楽しむ。空がくっきり青いので、どこをどう撮影しても「映える」。ときどき小さな花やサボテンが生えているのを見つけながら、小一時間ほど歩き回って、「心の中のアメリカ」を満喫できた。
クルマで移動する道すがら、巨岩の脇でキャンプを楽しんでいる人たちも見かけた。公園内にいくつかサイトがあるようで、ロッククライミングも同時に楽しめるわけだ。これもまた、楽しそうだ。
国立公園の北部にあるトゥエンティナイン・パームスの町でビジターセンターを見学し、目の前のバーでランチ用のブリトーを調達したら、クルマで一路、東へ。いよいよルート66の町、ニードルスを目指すのだ。
■Visit California(カリフォルニア観光局)
https://www.visitcalifornia.com/jp/
■Visit Greater Palm Springs(グレーターパームスプリングス観光局)
https://www.visitgreaterpalmsprings.com
■Visit CA Deserts(カリフォルニアデザート観光局)
https://www.visitcaliforniadeserts.com
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