タイヤの空気圧が見事にハマったSUGO戦
2023年に「ロードスターカップ」で公式レースデビューを果たした20代自動車ジャーナリストの筆者。2025年シーズンはマツダ「ロードスターNR-A」を新車購入して、ロードスター・パーティレース ジャパンツアーシリーズに挑戦します。開幕戦では地元富士スピードウェイながらクラス14位と悔しい結果に。「このままじゃいけない!」と4月6日にスポーツランドSUGOで開催された第2戦に参戦。その様子をレポートします。
ロータスの走り方が体に染みつき苦戦……
ロードスター・パーティレース ジャパンツアーシリーズは全国を転戦して、シリーズで全8戦(有効ポイント6戦)が開催される。その名のとおりマツダ「ロードスター」のみで戦うワンメイクレースだ。近年レベルが高くなっていて、開幕戦に参戦する面々を見てみるとSUPER耐久経験者がぞろぞろ……。
スポーツランドSUGOは、地元である富士スピードウェイの次に多く走ったサーキットだ。このサーキットは昨シーズン参戦したロータスカップジャパンの舞台のひとつであった。そのため、基本的なライン取りなどは認知しているつもり。いかにロードスターの乗り方にアジャストしていくかが課題となる。
しかし、スポーツランドSUGOは2024年と比べて大きく変わったポイントがある。それはコース全体で舗装が張り替えられたことだ。実際に走ってみるとそのグリップ力の違いに驚かされた。それはしっかりとタイムにも表れ、練習走行から上位陣は1分45秒台をマーク。現在の規定で定められているポテンザRE004よりハイグリップなタイヤであるRE-71Rで競われていたときのコースレコードを破りそうな勢いだった。
かくいう筆者はというと、1分47秒7が練習でのベストタイム。コース前半でロードスターの乗り方にアジャストできていなかった。速い選手の後ろに着いて研究を重ねるが、どうしてもSUGOでの走り方のイメージがロータスでできあがっている。旋回中のクルマの姿勢を上手く作ることができない。いろいろとアドバイスをいただきながら、イメージを固めていくことはできたが、タイムが出ていないことへの焦りを感じながら練習走行日は終了した。
人生初の4輪脱輪でベストタイム抹消
迎えた予選。仲間内でコースへ出るタイミングやスリップストリームの使い合いなどを決めて、コースイン。計測1周目でキッチリとスリップストリームを使い、1分46秒678をマーク。「よっしゃ! ベストタイム大幅更新したぜ」と思いながらピットに戻るが、正式結果ではまさかの4輪脱輪でベストタイム抹消となっていた。人生初の経験である。
結果、セカンドベストとなる1分47秒673が適用され、エントリーしているシリーズクラス23台中20位、クラブマンクラスも含めた全体31台中23位という結果となった。なお、もしもベストタイムが抹消されていなかったら? というタラレバであるが、その場合はクラス全体ともに14位であった。前回の富士ラウンドもクラス14位だったため、現状の自分の実力はこのあたりなのかもしれない。
予選は悔しさが残ったが、目標としていたシングルフィニッシュが遠のいたこともあり……
「ま、あとはいっぱい抜くだけか」
と、肩の荷が下りた感覚で決勝に臨むことができた。
バトルも多く経験を得ることが出来た1戦
決勝ではオープニングラップで1台オーバーテイクすると、その後はレース中盤まで前を走る116号車をなかなか抜くことができず、もどかしい展開が続いた。ペースでは著者の方が速いため、追いつきノーズを覗かせることは簡単だったが、抜き切るまでにはいかない。レース折り返しとなる7周目の4コーナーのブレーキングでインに飛び込みオーバーテイクすることができた。
その後は、今回のタイヤの空気圧セットが正解だと感じることができた。
予選よりも気温が上がり、空気圧の変化が大きくなった決勝。これを見据えて筆者は低めの空気圧でスタートしたのだが、これがハマった。レース後半で空気圧の変化から挙動を乱しているライバルたちをオーバーテイクすることができた。
結果的にチェッカーを受ける時にはクラス17位、全体18位で戻ってくることができた。5台をオーバーテイクしたことになる。
正直、納得できる結果ではない。ただ、乗り方の次なるヒントが見つかったし、人生初の予選ベストタイム抹消も経験。バトルも多く経験を得ることができた1戦でもあった。今回の納得できない結果を無駄にしないように、6月にモビリティリゾートもてぎで開催されるラウンドに備えていく所存だ。
最後にご協力、応援して下さった皆様ありがとうございました! 次戦はより良い報告をできるように精進してまいります。
