ギャラクシー・マカオに特注モデルの「フライングスパー」を納車
ベントレーは、ラグジュアリーリゾート「ギャラクシー・マカオ」に、「フライングスパー」の特注モデル9台を納車したと発表しました。ベントレーのコーチビルド&オーダーメイド部門であるマリナーが用意した特別なモデルは、どのような仕様なのでしょうか。
快適性を追求した「ウェルネス・シーティング」を採用
ベントレーモーターズは、中国・マカオに位置する世界有数の高級リゾート「ギャラクシー・マカオ」に、これまでで最大規模となる9台の「フライングスパー」を納車したと発表した。
ベントレーのビスポーク部門「マリナー」が手掛けたフライングスパーは、同モデルで最上級の存在である。外装にはペールブロガーの特別塗装が施され、ギャラクシー・マカオのエンブレムが前方ドア2枚にあしらわれる。さらに、乗降時にはギャラクシー特注のウェルカムランプが乗客を迎える。
内装には全席に「ウェルネス・シーティング」を標準装備。このシステムはゾーンごとの暖房・換気機能に加え、「ポスチュラル・アジャスト」により乗員の筋肉にかかる圧力を自動で変化させることで、移動中の疲労を最小限に抑える。
シートにはギャラクシーの刺繍ロゴが手縫いであしらわれ、後部ドアを開けるとソフトクローズ機構により閉まる直前にエンブレムが再び現れるという、隠れた意匠も光る。
ベントレーの送迎車が世界の一流ホテルに
今回の納車は、ザ・ペニンシュラ ロンドンに4台の「ベンテイガ ハイブリッド」を導入した成功事例に続くものである。その後、ザ・ペニンシュラ香港でも8台の「ベンテイガ EWB アズール」が導入され、送迎車として活用されている。
ギャラクシー・マカオが世界最大規模でフライングスパーを導入したことは、世界の高級ホテルおよびリゾートにおいてベントレーの存在感がいっそう強まっていることを如実に示している。ベントレーはいまや、洗練された運転手付き移動体験の究極的表現として広く認識されている。
AMWノミカタ
かつてはショーファーカーのロールス・ロイス、ドライバーズカーのベントレーと言われたものだが、近年ロールス・ロイスは「ブラックバッチシリーズ」など走りの楽しさを追求するモデルを導入し、逆にベントレーは後席の快適性を重視するベンテイガ EWBやアズールモデルを導入するなどその境界線は曖昧になってきている。ベントレーが「ショーファーカー」として広く認識されているということは時代も、顧客の嗜好も大きく変化しているということであろう。
今回のギャラクシー・マカオでの送迎車はセダンモデルのフライングスパーが選ばれた。乗降性や荷室容量を考えればSUVのベンテイガ EWBなどが最適と思われるが、中国はまだセダンモデルの需要が大きい。日本でのセダン比率は10%以下に落ち込んでいるが、中国ではいまだ30%程度もあるという。
中国では長年、セダンは政府公用車・企業幹部車・接待用車両など儀礼的意味合いや落ち着き・格式が求められる場面では主に選ばれてきた。フライングスパーという選択は実用性よりも中国に深く根付くマインドによるものなのであろう。
