ほぼ下道だけを使いイタリアからドイツへ帰宅ドライブ
ドイツ在住でモータースポーツを取材する池ノ内みどりさんは、WEC(FIA世界耐久選手権)の取材を終えてイタリアからほぼ下道でドイツへ帰ることに。日没との戦いだった峠ドライブや、走行中の思わぬトラブル、そしてベルニナ峠の絶景など、旅の記録をお届けします。
峠ドライブは日没との戦い
すっかり春を通り越して初夏の陽気のドイツ・ミュンヘンです。イースターの連休に開催されたWEC(FIA世界耐久選手権)が行われたイタリアのモンツァへ取材からの帰路は、久々にスイスアルプスの峠を愛車で走ることができました。
WECの取材を終えた翌日に、下道でヴェローナを超えてのんびりスイス方面へクルマを走らせていた途中で、アウトレットの入り口が見えました。数多くのクルマがそちらへ吸い寄せられていき、私も思わず前のクルマの後に着いて入りました。駐車場がものすごく広いのですが、どこもいっぱいです。ショッピングバッグをたくさん抱えた方を多く見かけ、掘り出し物がたくさんあるのかな? と気になりました。しかし時計を見るとゆっくりしている場合ではないということに気づいて、何も買わずに大慌てで駐車場へ向かいました。峠を走るには日没時間を考えないといけません。
美しいガルダ湖畔を走ってスイス領へ向かおうかと思っていたのですが、道中がとんでもなく渋滞していたので諦めて通り過ぎました。イースターの連休最終日でお天気も良いことから、やはり湖畔をドライブしたくなりますよね。ということで、ガルダ湖畔よりは小さいですが、その先にあるイゼーオ湖畔を走ってスイスへ向かいました。そちらの道は随分と空いており、山の傾斜を上りながらの湖畔の風景は本当に素敵だったのですが、私は山側の車線を走っていたため途中で停められる箇所でも景色が良く見えず、残念ながら写真を撮ることができませんでした。
急カーブで思わぬトラブルが
何本も長い上り坂のトンネルを抜けて先へ進みます。トンネルを抜けるといよいよ峠道のはじまりです。すれ違うのも厳しい箇所もありますし、岩陰で先の見えない狭いカーブが続きます。地元の方々はすっ飛ばされていますが、私はマイペースをキープ⋯⋯、やはりイタリアですね。後続車がイライラしている感じが見えましたが気にせず制限速度をキープして走っていたら、カーブ手前でものすごい速度でオーバーテイクしていきました。
しかしちょうど上りの超狭い急カーブでバスが上から降りてきて、イラついて私を追い抜いたクルマは勢い余ってバスと岩にすっぽりと挟まってビックリしました(笑)。バスは動けないので、そのクルマは岩にミラーと後部ボディを擦りながらバックせざるをえませんでした。安全運転大事ですね。私は手前のバスがすれ違える少し広めの場所で待機していたので、運転手さんが笑顔で手を挙げてくださいました。
ベルニナ峠と憧れのベルニナ急行
イタリアの峠をいくつか超えて、いよいよスイス領へ。もうすでに山影になっており、アウトレットで寄り道をしたことをすごく後悔しました。しかし、目の前に広がる雪山にワクワク感が止まりません。今回のルートに選んだベルニナ峠は2021年にも走ったことがありますが、その際は逆ルートだったので新鮮です。日中に走っていればもっと美しかったはず。
峠の一部では有名なベルニナ急行が平行して走っており、この列車にもぜひ一度乗ってみたいです。写真を撮るにはかなり暗くなっていたので、2021年に行った時の風景をお楽しみくださいね。
ベルニナ峠を降りて真っ暗な下道を走っていると気づかないうちにオーストリアへ入国。次第に大雨になり、前が見えないことったら。もちろん速度を落としてゆっくり走りましたが、ここでも猛者は真っ暗闇の大雨の峠をオーバーテイクしていくクルマもいました。
オーストリアからドイツ国内へ入ってしばらくしたところでやっと雨が止んでやれやれ。そしてドライコンディションのアウトバーンは快適走行。ほとんど自宅のミュンヘン手前まで速度制限解除(速度無制限)なので、少しアクセルを踏んで楽しいドライブで自宅へ到着しました。なんとかその日のうちに自宅に辿り着いたので、イタリア→スイス→オーストリア→ドイツのほぼ下道コースも意外とあり?(笑)
