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標高4000m超の頂きを目指す世界で2番目に古いレース!日本人3選手が挑んだパイクスピーク2025

34年前に1991年式日産パルサーGTI-Rで挑戦した神子力選手。34年ぶりにパイクスピークに再挑戦。今回は残念ながらコースが短縮されたことから、頂上までのレースをするため、2026年のパイクスピークに向けて準備をスタートするとしています

誰よりも速く標高4300m超の頂上まで駆け上がる!

2025年6月22日、アメリカコロラド州で標高4302mの山頂を目指す伝統のレース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」の第103回大会が開催されました。ヒルクライムレースは、スタート地点からゴールがある頂上までのタイムを競い合う至極明快なタイムトライアルレースです。その聖地であるロッキー山脈の舞台で、名誉ある称号「キング・オブ・ザ・マウンテン」を巡る熱い戦いに日本人3名が参戦しました。

ロッキー山脈で行われた世界で2番目に長い歴史を持つレース

標高4302mの山を誰が一番速く駆け上がるかを競う「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(通称パイクスピーク)」の第103回大会が、現地時間2025年6月22日(日)に開催された。この大会は1916年に初開催され、アメリカの「インディアナポリス500マイルレース(インディ500/初開催1914年)」に次ぐ、世界で2番目に長い歴史を持つレースとして知られている。

ヒルクライムレースの舞台となるのは、ロッキー山脈南端に位置する「パイクスピーク」という山である。観光用の「パイクスピーク・ハイウェイ(全長約20km、コーナー数156)」を使い、標高2862mのスタート地点から標高4302m(約14115フィート)の山頂のゴール地点までのタイムを計測。1年に1度、レース当日のみハイウェイ全線が封鎖され、1台ずつのタイムアタック形式で競われる。

レースウィーク中の練習走行は、コースをロア・ミドル・アッパーの3区間に分けて実施され、全体を通してのタイムアタックは本番の1回のみ。独特の練習スタイルもパイクスピークの特徴といえる。

舗装路化に伴い死亡事故多発で2輪部門は廃止

かつては未舗装区間が多く「ダートレース」の印象が強かったが、2012年に全線が舗装された。これにより走行スピードが上昇し、2輪部門での死亡事故が相次いだため、現在は4輪部門のみで開催されている。現時点での最速記録は、2018年にロメイン・デュマ選手が電気自動車「Volkswagen I.D. R Pikes Peak」で記録した7分57秒148である。

2025年大会には3名の日本人ドライバーが参戦

2025年の第103回大会には全73台がエントリーし、その中に日本人ドライバー3名が名を連ねた。

■神子 力(かみこ ちから)選手
No.34 日産パルサーGTI-R(1991年式)
昨年はマシンの輸送トラブルで参戦を見送ったが、今回は無事に渡米し、34年ぶりにパルサーでの挑戦となった。

■吉原 大二郎(よしはら だいじろう)選手
No.59 ホンダCR-V e:FCEV(2025年式)
カリフォルニア在住のドリフトレーサーで、2019年にパイクスピーク・デビュー。今回は、パイクスピーク史上初となる燃料電池車での挑戦に注目を集めた。

■吉岡 稔記(よしおか としき)選手
No.91 トヨタGRスープラ(2020年式)
ミシガン在住のドリフトレーサーで、パイクスピークは2014年以来の参戦。T-RADレーシングからの出走となった。

予選トップはアンリミテッドクラスのファッジオーリ選手

予選は3日間の練習走行のうち、ロア・セクションでのタイムが採用される。ここで最速を記録したのは、アンリミテッドクラスに参戦したシモーネ・ファッジオーリ選手(No.55/2018年型ノヴァ・プロトNP01 Bardahl)で、タイムは3分33秒757。ロメイン・デュマ選手(No.310/2025年型スーパーマスタング・マッハE)は3分34秒073で2番手につけた。

日本勢の予選タイムは以下の通り。

決勝は強風のため距離短縮

決勝当日は天候こそ良好だったが、山頂付近で風速36.7mを超える突風が吹き、コースの短縮が決定された。2021年以来となる措置で、スタートからグレンコーブ(標高3487m)までのロア・セクションで決勝レースが行われた。スタート時間も遅れ、午前10時7分にようやく競技が開始された。

日本人最速は吉岡選手

結果として、日本人3選手は全員完走を果たした。

なお、全73台中3台がゴールに到達できず、完走車は70台であった。

パイクス参戦2回目のファッジオーリ選手が総合優勝

2025年大会を制したのは、アンリミテッドクラスに出場したシモーネ・ファッジオーリ選手。タイムは3分37秒196。パイクスピーク2度目の挑戦で、見事「キング・オブ・ザ・マウンテン」の称号を獲得した。

ファッジオーリ選手は2018年にノーマM20(Norma M20 SF PKP)で初参戦し、当時ルーキーながら8分37秒230で完走し、総合2位に食い込んだ実力者。その後はランボルギーニ「ウルス」のタイムアタックにも関与し、今回ついに最速記録保持者ロメイン・デュマ選手を打ち破る形で頂点に立った。ちなみに、9分を切ったことのあるドライバーは、これまでに5名しかいない。

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