王者TOM’Sがまさかの脱落でノーポイント!タイトルの行方が“わからなくなった”
スーパーGT第7戦の決勝レースが10月19日、大分県のオートポリスで行われました。3時間の長丁場のレースを制したGT500クラスは、12番グリッドからスタートした100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴選手/牧野任祐選手)でした。そのGT500クラスのレポートをお届けします。
(motorsport.comの記事をもとに再編集しています)
セーフティカーランが導入で上位2台のNISMOが猛追を受けることに
今シーズン最後から2番目のレースであるオートポリス戦は、タイトル争いにおいて極めて重要である。サクセスウエイトが半減されたため、ランキング上位陣はこのレースで確実にポイントを稼ぎ、王座戦線への生き残りを図る必要がある。
予選は雨が降ったり止んだりと難しい天候となったが、13時10分からの決勝レースはドライコンディションでスタートした。雨の心配もあったが、結局降ることはなかった。
GT500のフロントロウは、3号車Niterra MOTUL Zと23号車MOTUL AUTECH Zの日産NISMO陣営が独占。ポイントリーダーである1号車au TOM’S GR Supra(坪井翔選手/山下健太選手組)を8点差で追う14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也選手/福住仁嶺選手組)が3番グリッドにつけた。一方、1号車は7番手スタートであった。
スタート直後、トップ3をうかがっていた38号車KeePer CERUMO GR Supraの大湯都史選手樹は、12号車TRS IMPUL with SDG Zのベルトラン・バゲットに追突されスピン。最後尾まで転落した。この接触により、12号車IMPULにはドライブスルーペナルティが科された。
レースは序盤から荒れ模様となった。開始19分(12周目)、7番手を争っていた64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTの伊沢拓也と24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zの松田次生選手が、3コーナーへのブレーキングで接触。外に弾かれた24号車リアライズはバリアに衝突してダメージを負い、レースを終える。この一件により、64号車Moduloにはドライブスルーペナルティという裁定が下された。
24号車の車両回収のためセーフティカーランが導入された後、NISMOの2台を脅かす存在として浮上したのは、6番手スタートの37号車Deloitte TOM’S GR Supraであった。ステアリングを握る笹原右京選手は14号車ENEOSを抜き3番手に上がると、2台のNISMOをロックオンした。25周目に23号車MOTUL、28周目に3号車Niterraを攻略しトップに浮上。
23号車MOTULの高星明誠選手も3号車Niterraの前に出ようと試みたが、1コーナーのブレーキングでオーバーラン。大きくポジションを落とした。トラブルがあったのか、その直後のピットストップでステアリングを交換するシーンが見られた。
レース終盤1時間で順位が大きく動きTOM’S2台がリタイア
レース開始1時間前後、多くのマシンが1回目のルーティンストップを行った。37号車Deloitteの笹原選手は、早めのピットストップでアンダーカットし前に出ていたマシンを掻き分けポジションを上げたが、38号車KeePer、19号車WedsSport ADVAN GR Supraを抜きあぐねる間に、タイトル争いのライバルである1号車auにも迫られた。その途中の第1ヘアピンでDeloitte笹原選手と、懐に入ろうとしたau坪井選手が接触するという、TOM’Sにとってはヒヤリとする場面もあった。
折り返しの1時間半を過ぎても、GT500はトップから11番手までがほぼひとつの集団に固まっていた。ピットイン周回数やドライバー交代の有無など戦略がバラバラなため、集団内では順位変動も頻繁に発生し、終盤に向けて展開がまったく読めない状況が続いた。
レース残り1時間が近づき、各車は最後のピットストップに向かった。結果、トップ3は100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT、16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTの順となる。予選では下位を占めたホンダ勢が、一転して上位を独占した。
一方、レース序盤・中盤の主役であったTOM’Sの2台はペースを落とし、ポイント圏外となった。2台は揃って緊急ピットインし、メカニックがフロントグリル付近を掃除する様子が映し出された。どちらも状況が深刻だったのか、2台は一旦コースに復帰したものの、結局ガレージインしレースをリタイアで終えた。
ホンダが今季初優勝、タイトル争いは混沌へ
100号車STANLEYは独走状態を築き、危なげない走りでトップチェッカーを受けた。12番グリッドからの逆転勝利で、ホンダ陣営にとっては今季初優勝となった。2位は大草りき選手が残り1分でオーバーテイクを決めた64号車Modulo、3位は16号車ARTAであり、両チームとも今季初表彰台となった。これまで苦戦していたホンダ勢が、2024年のシビック投入以来、上位3位独占というベストリザルトを残した。なおトヨタ勢最上位は4位の38号車KeePer、日産最上位は6位の23号車NISMOであった。
1号車au TOM’Sがノーポイントに終わったことで、最終戦を前にタイトル争いは混沌としてきた。au TOM’Sの坪井選手、山下選手組が依然トップ(60.5ポイント)だが、ランキング2番手の14号車ENEOS(大嶋選手/福住選手組)が54.5ポイント。そして3番手には、優勝した100号車STANLEY(山本選手/牧野選手組)が52ポイントで食い込んできた。スープラ勢による争いになると見られていたが、ホンダ勢が意地を見せた形だ。
