業界唯一の評論家がオカルトグッズとの対峙をレクチャー
貼るだけ、巻くだけで効果があるという半信半疑なアイテムも多い“オカルト系チューニング”。しかし、効果を感じる人も少なくありません。今回は20年以上オカルトグッズを研究してきた著者が、磁石チューンを中心にその効果の理由と実践法を紹介します。信じるも信じないも自由ですが、100円ショップ売っている磁石でも始められる手軽なDIYチューニングの奥深い世界をのぞいてみませんか。
科学的根拠を持つアイテムは効果を感じられる
信じるも信じないも読者次第だ。付けたり、貼るだけで燃費やパワーがアップすると言われているオカルトグッズに興味を持つ方も多いのではないだろうか。もちろん信じない人は絶対に信じないだろう。
私は20年ほど前から研究を重ねている、業界唯一のオカルトグッズ評論家を自称している。信じない人の気持ちも理解できるが、安価かつ無害なものを試行し、あれこれと楽しめれば良いと考えている。作用の理屈が不明なアイテムは、まさにザ・オカルトグッズであり、まことにディープな世界だ。信じる者が探求すれば良い道である。
それとは分けて考えたほうが良いのが、オカルトのように見えて明確に理屈があるアイテムである。トヨタのアルミテープが良い例だ。GRからはボディコートやガラスコートも発売されており、いずれもボディまわりの静電気を除去して空気抵抗を低減する効果を発揮する。
ちなみに、私はトヨタのアルミテープの開発担当者は、技術部門の第一線で活躍する人物であった。結局のところ、これらはオカルトではないというわけだ。「貼るだけで効果がある」という点ではオカルトの定番スタイルではあるが……。
強力なネオジム磁石がガソリン内の分子を分離させる
同様の理屈を持つ、オカルト系の定番であり、DIY可能な代表格が磁石だ。
磁石を燃料パイプに巻くことで燃費やパワーアップを実現するとされている。文字にするとたしかに怪しさは満点だ。理屈は明確にあり、ガソリンの分子が固まると、それが燃焼を阻害している。その状態を、磁力を当てることで分子をバラバラにして、燃焼効率をアップさせるというものだ。
問題は磁力の強さで、小学校の理科の実験で使う程度の磁石では効果は期待できない。ハードディスクや高級カースピーカーなどに使われているネオジム磁石という強力なタイプを使う必要がある。以前は専門店で高額で売られていたが、最近では100円ショップでも売られているため試しやすい。ちなみに、ネオジム磁石は非常に強力で、電子機器を破壊する可能性があり、体に当て続けるのも健康に良くないため取り扱いには注意が必要だ。
取り付けのノウハウと注意点
取り付け方法は、燃料ホースを2個セットの磁石で挟むようなイメージでテープを固定する。その際、磁石のN極をホース側にする。ホース越しでもN極同士が向かい合うため超強力ゆえに反発力が凄まじく、磁石が飛んだり弾けたりするので非常に大変だが、工夫して固定してほしい。
個数は10個、すなわち燃料ホースの片面に5個ずつ程度から試すのが推奨とされている。とくにゴムホース部分に取り付けるのが好ましい。また、できるだけエンジンに近いところでないと、磁力でバラバラになった分子が再び付いてしまうので効果を発揮しにくいとされている。つまり燃料タンク付近に磁石を取り付けをしても、そこからエンジン(インジェクター)まで送られていくまでに分子が再び結合してしまうのだ。燃料ホースを探すのが意外に難関だが、エンジンの上部からインジェクターを見つけられれば発見しやすい。わからない場合はディーラーなどに尋ねれば教えてくれるだろう。
私の経験では効果体感度はかなり高い部類に入るため、個数を増やしながらセッティングを楽しめる。ネオジム磁石が100円ショップで手に入るようになったのは、そうした意味で喜ばしい。
