東北660・HA36カップ第3戦レポート
HA36型スズキ「アルト」のワンメイクレース「東北660・HA36カップ」のシリーズ最終戦が、雨が降り続くエビスサーキット西コースで行なわれました。ドライバーの腕と判断力が試される難しいコンディションでのタイトル争い。前戦の雪辱を晴らすべく快走する選手や、初挑戦で存在感を示した新たな顔ぶれの登場など、見応えのあるレースとなりました。シリーズを締めくくる最後の激戦の模様を、クラス別に振り返ります。
前レースで失格となった原因を修復して挑む最終戦
2025年10月26日。NAエンジンのHA36アルトによるワンメイクレース、「東北660・HA36カップ」の第3戦がエビスサーキット西コースで開催された。全3戦で行なわれるシリーズの最終ラウンドというだけあり、どのドライバーも自身のランキングをひとつでも上げようと、雨が降り注ぐなか入念に走り込み、セットアップを重ねていた。
1クラス:岡野知大がウエイトを積んで見事優勝
まずは1クラスの模様から見ていこう。予選で唯一となる1分28秒台をマークし、総合のポールポジションを獲得したのは、シーズン途中から参戦する1#岡野知大だ。以前は東北660ターボGPで好成績を残していたドライバーで、第2戦では上位でチェッカーを受けたものの、車両重量が規定を下まわっていて失格という処分を下された。
雪辱に燃える今回はウェイトを積んで重量を合わせ、腕の差が顕著に出るウェット路面で実力を証明。遅れること約0.4秒差で2番手につけたのは、JAF公認レースでも活躍した大ベテランの姉・珍、3番手は岡野のチームメイトで、同じく第2戦を最低重量違反で失格となった963#岡部皓輝だ。
決勝は安全性を考慮しローリングスタートが採用され、岡野は安定したラップを刻みながらレースを牽引する。予選から大きくポジションを上げたのは59#田中翔馬。ロードスター専門店のオーナーとして知られるが、グリップ走行は本大会までほぼ未経験で、当初はセッティングにだいぶ苦しんでいたようだ。しかし今シーズンは確実に表彰台をゲットするようになり、今戦は予選4番手からジャンプアップし自己最高の準優勝。3位は姉・珍をパスした岡部となった。
2クラス:高杉俊太郎が圧倒的な速さで完勝
続いてAGSミッションの2クラス。ポールポジションは東北660選手権とダブルエントリーの728#高杉俊太郎で、クラス唯一の1分23秒台をマークするばかりか、総合でも5番手という速さを見せつける。それを追うのは、こちらもダブルエントリーの361#高松正雄、さらに2025年からレース復帰を果たした440#塩野力也が続く。
高杉が逃げる展開は決勝でも変わらず、そのまま見事にポール・トゥ・ウィン。高松もポジションを守って準優勝を遂げた。3位に食い込んだのはダークホースの305#阿部孔城だ。東北660選手権にはマイカーで参戦していたが、今回はレンタルマシンでHA36カップにデビュー。初めての車両かつウェットという不利な条件にもかかわらず、初戦で表彰台を獲得したのは見事というほかない。来シーズンも継続して参戦すれば、台風の目となるだろう。
シリーズチャンピオンと来季への展望
なお、シリーズチャンピオンは1クラスが346#岩塚眞澄、2クラスが575#高橋康平とARYレーシング勢が独占した。ランキング上位のドライバーについては、また別の機会に紹介したい。
回を重ねるごとにレベルが上がっていくHA36カップ。来シーズンも2025年と同じ全3戦を予定している。スケジュールが決まり次第、ウェブサイトやSNSで告知するため、興味がある人はオフシーズンの間にクルマを作り込んでおこう。
