2026年国内モータースポーツ開幕! スーパー耐久もてぎ第1戦は路面改修でコースレコード更新続々
朝夕の寒さも少し緩んできた2026年3月21〜22日、栃木県のモビリティリゾートもてぎにて「ENEOS スーパー耐久シリーズ2026 Empowered by BRIDGESTONE(S耐)」の開幕戦が行われました。路面改修によってコースレコードが続出し、フルコースイエローが連発する荒れたサバイバルレースとなった第1戦になりました。2日間にわたって2グループに分かれて行われた4時間レースの激闘を、日本のモータースポーツ界トップが集結した異例の開幕式の様子とともにレポートします。
国内モータースポーツ界の錚々たる面々がS耐グリッドに集結した2026年モータースポーツ開幕式!
AUTOBACS SUPER GTシリーズ(S-GT)や、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)に先んじて開幕を迎えたスーパー耐久(以下、S耐)。この週末のもてぎには、2026年の“モータースポーツ開幕式”として、そうそうたるメンバーがグリッド上に並んだ。
S-GTを運営するGTアソシエーション(GTA)の金曽裕人取締役、SFを運営する日本レースプロモーション(JRP)の上野禎久社長、そしてS耐を運営するスーパー耐久未来機構(STMO)の桑山晴美副理事長。これに加えて、国内の4輪モータースポーツを統括する日本自動車連盟(JAF)の坂口正芳会長や、2輪を統括する日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)の鈴木哲夫会長も姿を見せた。
さらには「クルマをニッポンの文化に!」を謳い、モータースポーツの盛り上げに積極的に取り組んでいる日本自動車会議所の豊田章男会長も参加し、まさに国内レースの幕開けにふさわしい光景となった。
シーズンオフ中に路面改修された恩恵で各クラスのコースレコードが約2秒短縮される白熱の予選に!
S耐は昨年同様、GT3車両によるST-Xクラスから、メーカーの開発車両が参戦するST-Qクラス、さらには市販車ベースのST-1〜ST-5クラスまで、全11クラスが混走する耐久レースとして開催される。
各大会によってレーススタイルは変わるが、開幕戦の今回はST-TCRとST-USAの2クラスが“お休み”となり、9クラスの参加車両が2グループに分かれて4時間レースを行うフォーマットが採られた。
21日(土)のRace.1は、ST-XとST-Qの一部、ST-1、ST-3、ST-4、ST-5F、そしてST-5Rの7クラスが参戦。22日(日)のRace.2は、ST-X、ST-Z、ST-Qの一部、ST-1、ST-2の5クラスが参戦する。結果的にST-XとST-1は両レースに出走することになった。
21日午前に行われた公式予選は、S耐の特徴のひとつである「AドライバーとBドライバーのベストタイム合計」でグリッドが争われた。モビリティリゾートもてぎは2025年のシーズンオフからコース路面が全面張り替え作業が行わられており、その恩恵もあって全体的にラップタイムが向上。各クラスともに従来のレコードタイムから2秒ほど更新される驚異的なペースとなった。
モータースポーツの世界において「2秒」というタイム差は、カテゴリーがひとつ上の別のマシンになったと言えるほどの異常なタイムアップである。路面がフラットに改修されたことでタイヤのグリップ限界が劇的に上がり、今年のS耐全体のスピードレンジが一段と底上げされている事実をまざまざと見せつけた。
最速タイムをマークしたのは「#33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3(ジンズー・スン/太田格之進/アダリー・フォン)」を駆る太田格之進だ。唯一1分47秒台に入れる1分47秒947をマーク。ジンズー・スンもAドライバー予選で最速タイムを記録しており、堂々のポールポジションを獲得した。
6度のフルコースイエローなどサバイバル展開となった荒れたRace.1をレクサスRC-Fが制す!
21日午後に行われたRace.1決勝は、計7クラスの32台が出走。ポールポジションから好ダッシュを見せた#33のAMG GT3がリードを奪う。これに「#23 TKRI松永建設AMG GT3」や「#44 TEAM POP RACE AMG GT3 EVO」が続いてトップグループを形成した。
しかしレース前半、スタートから約2時間が過ぎるまでに6度ものフルコースイエロー(FCY)が導入されるなど、荒れた展開となっていく。
この波乱のなか、着実にルーティンピットを行った「#31 DENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/蒲生尚弥/小河諒/嵯峨宏紀)」がトップに浮上する。終盤に入るとこれを#33のAMG GT3が猛追する展開となったが、イエローフラッグ区間での追い越しによるドライブスルーペナルティを受けて後退。結果として、#31のレクサスが逃げ切って開幕戦Race.1を制した。
5クラス30台出走のRace.2はクリーンな4時間耐久レースをAMG-GT3駆る格之進が逃げ切る!
22日に行われたRace.2決勝には、計5クラスの30台が出走した。前日のRace.1にも出走したST-XとST-1の2クラスに関しては、大会特別規則によってRace.1のリバースグリッドでスターティングポジションが決定された。
そのため総合ポールポジションにはST-1クラスの「#2 シンティアム アップル KTM」がつけ、2番手グリッドにはST-Xクラスの#44 AMG GT3 EVOが並ぶ。優勝した#31のレクサスは6番手からのスタートとなった。
ポールから好スタートを切った#2のKTMだったが、やはり最高峰ST-X勢とのパフォーマンス差は大きかった。純レーシングカーであるFIA-GT3車両(ST-X)と、軽量スポーツカーであるST-1の圧倒的なパワー差が、このリバースグリッドの醍醐味を生み出す。後方から凄まじい勢いで追い上げてきた#44のAMG、#23のAMG、そして「#777 D’station Ferrari 296 GT3」があっという間にトップ3を形成し、やがて#23のAMGがトップに立つ。
前日とは打って変わり、Race.2はやや落ち着いた展開で進む。しかしスタートから1時間余りが経過したところで、V字コーナーでストップした車両が発生。車両回収と芝生への引火を消火するため、FCYからセーフティカー(SC)が導入された。
このタイミングでほぼ全車が最初のルーティンピットを行ったため、SC明けの残り2時間39分でレースが再開される。ここからは#23と#33のAMG同士によるトップ争いが白熱。第2スティントで順位変動はなかったが、第3スティントでついに#33がトップに立つ。
最後は太田格之進が#23の追撃を振り切ってトップチェッカーを受けた。前日のRace.1でペナルティに泣き3位に終わったうっぷんを見事に晴らし、Race.2の勝利を飾った。
