MB.OSとAIRMATICが導く、SUVのSクラスの新境地
メルセデス・ベンツがフラッグシップSUV「GLS」の改良新型を欧州で発表しました。新世代エンジン群の採用で動力性能と静粛性を高め、MB.OSによるAI統合制御とMBUXスーパースクリーンの標準装備で知能化も大きく前進。クラウドベースのダンパー制御付きAIRMATICを新導入し、後席の乗り心地も向上しています。全長5207mm・3列7人乗りのフラッグシップSUVが、快適性と技術力の両輪でさらなる高みへと進化しました。
新世代エンジンとAIRMATICが走行性能を大幅強化
GLSは「SUVのSクラス」と位置づけられるブランドのフラッグシップSUVであり、今回の改良ではパワートレイン、デジタル機能、快適装備、先進運転支援、内外装デザインにわたって大幅に刷新している。
まずはパワートレインだが、新世代エンジン群の採用で力強さと洗練性を両立。GLS 580 4MATICはV8エンジンの最高出力が従来の380kWから395kWへ向上し、最大トルクも730Nmから750Nmに増強し、俊敏で余裕ある加速性能を実現。GLS 450 4MATICでは、最大トルクを560Nmへ引き上げた。
ディーゼルエンジン搭載のGLS 350d 4MATICおよびGLS 450d 4MATICには、電動加熱触媒を初めて搭載し、排出ガス後処理の温度管理を最適化した。アルミ製クランクケースとシリンダーヘッド、NANOSLIDEシリンダーライナー、高度な冷却機構付きスチールピストンも採用し、軽量化と効率向上を図っている。全エンジンにISGと48Vシステムを組み合わせ、ブースト、惰性走行、回生に対応する。
走行性能ではE-ACTIVE BODY CONTROLが引き続き注目装備となる。5基のマルチコアプロセッサーと20以上のセンサーを用い、1秒間に1000回の演算でサスペンションを制御。ロール、ピッチ、リフトを抑えながら、快適性と運動性能を高水準で両立する。今回は、クラウドベースのダンパー制御付きAIRMATICを新たに導入した。Car-to-X情報を活用し、前方の減速帯などに到達する直前に減衰力を自動調整することで、後席の乗り心地を高める。メルセデス・ベンツによれば、この機能は自社開発で特許申請中としている。
MBUXスーパースクリーンで知能化が加速
全車に10基の外部カメラ、最大5基のレーダー、12基の超音波センサーを装備する先進運転支援は、MB.OS上で統合し、AIが周辺状況を解析。欧州ではMB.DRIVE Standardを標準装備し、中国では発売時からMB.DRIVE ASSIST PROを設定する。駐車支援のMB.DRIVE PARKING ASSISTは、最大5km/hで自動駐車を行い、従来比で約60%高速化した。白線のない駐車スペースも検知し、手動で停めた車両の出庫支援にも対応。
標準装備のMBUXスーパースクリーンが注目されるインテリアでは、1枚のガラス面の下に3基の12.3インチディスプレイを配置し、先進的なコクピットを構成。助手席ディスプレイも標準で、走行中でも同乗者がコンテンツを楽しめる仕様だ。後席には11.6インチのフルHDディスプレイを2基備えたMBUXハイエンドリアエンターテインメントを用意し、着脱式の新型MBUXリモートコントロールから快適装備や各種機能を操作できる。MBUXバーチャルアシスタントは複雑な対話に対応し、ナビゲーションにはGoogle Maps技術を採用。GLSでは初めて、ARナビゲーションヘッドアップディスプレイを設定。
全長5207mmの3列室内、外観にもスターデザインを採用
外観では大型化したラジエーターグリルとクロームフレーム、輪郭照明付きの意匠が存在感を高める。ボンネット先端には直立したスリーポインテッドスターを新たに装着し、一部市場では発光機能も備える。ヘッドランプとテールランプにはスターデザインを採用し、ひと目でメルセデスSUVとわかる表情を与えた。DIGITAL LIGHTは最新世代へ進化し、照射領域は従来比約40%拡大、消費電力は最大50%低減、重量も25%以上軽量化された。ハイビーム到達距離は最大600mに達する。
ボディサイズは全長5207mm、全幅1956mm、ホイールベース3135mm。3列7人乗りを標準とし、3列目でも身長1.94mまで快適に着座できる。全シートは電動調整式で、3列目は床下格納が可能。2列目を倒すことで最大2400Lの荷室容量を確保。Rear Comfort Package Plusではマルチコントロールシート、Proマッサージ機能、5ゾーン空調、電動サンブラインド、ワイヤレス充電などを用意する。さらに新しい振動機能付きマッサージや、約90秒ごとに車内空気を入れ替える電動キャビンエアフィルターも採用し、全席での快適性を追求している。
【AMWノミカタ】
日本市場において、メルセデス・ベンツのSUVモデルではGクラスが圧倒的な販売台数を記録する。本格的なオフローダーとしての歴史と物語性、ラグジュアリーカーとして誰もが理解できるシンボル性、そしてリセールバリューの高さなども大きな要因だろう。一方、GLSはメルセデス・ベンツブランドが持つ最新技術、安全性、快適性のショーケースとして機能し、内なる満足感を重視する人に選ばれるモデルといえる。
今回の改良新型GLSにおいて、MB.OSによるシステム統合、AIを活用した知能化と解析力の向上、MBUXスーパースクリーンによる上質なデジタル体験は、体感しやすい進化として映るだろう。しかし目に見えない部分でも改良は着実に積み重ねられている。ディーゼルモデルへの電動加熱触媒の初採用により冷間始動時の有害排出ガスを削減し、NANOSLIDEシリンダーライナーや冷却機構付きスチールピストンの採用によってエンジンの摩擦を低減、耐久性と熱効率を高めている。
