働くクルマをUSタコマ風に仕立てたプロボックスのアウトドア仕様に驚く
高い実用性と耐久性を誇り、日本のビジネスシーンを支え続ける「働くクルマ」の代名詞であるトヨタ「プロボックス」。そんな商用バンをベースに、タフなアウトドア仕様へとカスタマイズする手法が熱い視線を集めている。大阪府に店舗を構える「パパママカーズ」が手がけたのは、USトヨタのピックアップトラックを彷彿とさせる顔つきと、快適な車中泊空間を両立させた1台だ。商用車のポテンシャルを極限まで引き出した、隙のないアプローチの数々に驚かされる。
タコマをリスペクトした迫力のフェイスとこだわりのオリジナル塗装に惹きつけられる
パパママカーズは、世間がアウトドアブームで騒ぎ出す遥か前の50系(初代)当時から、トヨタ「プロボックス」の持つ可能性を見出し、カスタムを手がけてきた気鋭のショップだ。現在は160系を主流に、USトヨタの「タコマ」をリスペクトした大型フェイスキット「USマイルボックス」をオリジナルで展開している。
フェイスキットの構成パーツは、ボンネット、バンパーカバー、グリルマーカーであり、フロントの「TOYOTA」ロゴは純正オプションを流用している。この迫力あるフェイスに合わせた専用のUSグリルガードも用意され、フロントマスクの力強さをさらに引き立てる。ヘッドライトはBKM製をベースに、デイライト部分をレスにした同店のオリジナル仕様である。
また、同店はオリジナルのボディカラーに対するこだわりが非常に深く、ユーザーが頭に描くイメージカラーに限りなく近い色合いを再現してくれるのが特徴だ。今回はトヨタ「RAV4」のアーバンカーキ色に調色されたラプターライナー塗装(表面にザラザラとした凹凸があり、耐久性の高い特殊なウレタン塗装)を披露している。ボディ部分は中目、黒バンパー部分は粗目で塗り分けることで、タフな質感に見事な立体感を持たせている。
商用車感を払拭するクールなリアビューと悪路を走破するリフトアップの足まわりが凄みを増す
リアまわりも細部まで抜かりなく手が加えられている。テールランプの意匠変更にくわえ、スチール製のリアバンパーガードを組み合わせることで、商用車特有のチープさを払拭したクールなリアビューが印象的だ。通常、プロボックスのような商用車はリアゲートに最大積載量の表示が義務付けられている。これをエンブレム型の積載ステッカーを用いてクリア仕上げの立体型とすることで、デザイン性を損なわずにスマートに表記している。
4ナンバー枠(小型貨物自動車の規格)に収まる9mmワイドのオーバーフェンダー(車幅を広げるための追加パーツ)も、純正品のラインに合わせた形状で違和感なくフィットしている。フェンダーエンドにはフラットな泥除け(マッドフラップ)も備わり、オフロード感を高める演出が心憎い。
足まわりには、14インチホイールに175/80サイズのヨコハマタイヤ製「ジオランダー」をセットし、舗装路からダートまで幅広い路面で安定した走破性を発揮する。さらに、オリジナルのスプリングで2インチのリフトアップ(車高を上げること)を施しており、チラリと見えた際にお洒落なスプリングのカラーは全12色が設定されている。ルーフバーにはスチール製のオリジナルキャリアを設置し、「8800」のステンシルロゴを施工して積載力とミリタリーテイストを見事に両立させた。
快適な車中泊を約束する専用ベッドキットと乗用車ライクなインテリアに驚かされる
インテリアも、長時間のドライブや車中泊を快適に過ごすための工夫が満載だ。シートにはアームレスト(肘掛け)を備えたオリジナル仕様のヴィンテージシートカバーを装着している。見た目の良さだけでなく、シートのクッション性を上げて乗り心地をアップさせる加工も施工済みだ。女性ユーザーにとって待望の「ミラー付きバイザーカバー」は、小物の収納場所も増える実用的なアイテムとして高く評価されている。
Dピラー(車体最後部の柱)のスピーカーパネルには、新たに16cmスピーカーが収まるように加工が施された。商用車特有の鉄板がむき出しになった内張りが、このパネル効果によって一気に乗用車風へと早変わりし、リアから広がるサウンド効果も高い。リアゲート裏もシートカバーと色味を合わせ、統一感のあるキャビン空間を作り上げている。
荷室には、上下2段で便利に使い分けられる専用のベッドキットを用意した。ベッドマットは3枚構成となっており、車外に出せばキャンプ時の荷物置きテーブルとしても活躍する。ネジ込み式の脚を外して車内に敷き詰めれば、大人2名が足を伸ばして就寝できるフラットなベッドとして使用可能だ。
さらに、プロボックス専用の蚊帳や網戸も設定されている点に注目したい。空気を通すメッシュ素材と、外から車内が見えにくい目隠し用素材の2枚重ね構造になっており、虫の侵入を防ぎながら安全に換気ができる。ベッドキットを使用するなら、ぜひ合わせて装着したい必須アイテムである。
圧倒的な耐久性と無駄のない四角いボディを持つプロボックスは、本来ビジネスの現場で酷使されるために生まれたクルマだ。しかし、その積載力とタフさを逆手に取り、タコマ風の顔つきと車中泊仕様へと大胆にカスタムすることで、週末のフィールドを遊び尽くす最高の相棒へと変貌を遂げている。日本の経済を支える営業車を、自分だけの秘密基地に変える大人のロマン。パパママカーズが手がけたこの1台は、内外装ともに隙のない完成度で、新たなアウトドアライフの扉を開いてくれるはずだ。
