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すべて桁違いのブガッティの2024年を振り返る…ラグジュアリー&エレガントな世界ではライバルを寄せ付けないモルスハイムの戦略とは

日本の東京・秋葉原で撮影されたブガッティ トゥールビヨン

ブガッティが2024年に行った活動を振り返る

ブガッティは2024年に大きな成果を収め、世界中の愛好家たちが同社の独自の哲学との歴史に刻まれてきた出来事を祝う年となりました。ブガッティの2024年に行ってきた活動と2025年に向けた意気込みを見ていきます。

真のアイコンの誕生から100周年

2024年に100周年を迎えたブガッティ「タイプ35」は、史上最も成功したレーシングカーとして活躍し、自動車界の伝説の地位を確固たるものにした。2024年にタイプ35はウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで100周年を記念した特別モデル「ボライド」と共演し、多くの観衆に称賛された。

シロン時代の終焉と最後の生産車「L’Ultime」

「シロン」の生産がいよいよ終了を迎えた。有終の美を飾る「L’Ultime(究極)」と名付けられた500台目のシロンは、ビスポーク部門であるシュール・メジュールチームによって製作された。

シロンの心臓部には、2005年の復活以来、ブガッティのパフォーマンスに新たな命を吹き込んできた伝説のW16エンジンが搭載されている。圧倒的なパワー、卓越した技術的精度、奔放なエモーション。これらすべてが融合し、パフォーマンスに新たなベンチマークが示された。

W16エンジン時代の最後の作品

W16エンジン時代の最後の作品である「W16ミストラル」の生産が2024年後半に開始された。そしてW16ミストラルの「ワールドレコードカー」と名づけられたモデルが、オープンモデルの世界新記録となる最高速度453.91km/hを樹立。ブガッティは4度目の最高速度世界記録を達成した。

新たな時代の幕開けを象徴する新型「トゥールビヨン」

ブランドの本拠地であるモルスハイムで、「トゥールビヨン」が披露された。8.3L V16エンジンに3基のモーターを組み合わせたPHEVで、システム総出力は驚異的な1800psに達する。エアロダイナミックなフォルムと時代を超越したインテリアデザインが施されたこのクルマは、永遠に畏敬の念を抱かせることとなる。

トゥールビヨンは、2024年に世界で最も権威のあるイベントに参加した。「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」でのデビューから、米国での「モントレー・カーウィーク」、フランスの「シャンティイ・アーツ&エレガンス・リシャール・ミル」では「一般投票賞」を受賞し、オートクチュールのショーケースで来場者を魅了するなど世界中で華々しく披露された。

世界初のブガッティ・ホームブティックが誕生

2024年4月にミラノで開催された「サローネ・デル・モービレ」で、第3弾となるブガッティ・ホームコレクションを発表した。これに続き、ドバイに世界初のブガッティ・ホームブティックをオープンした。新しいブガッティ・ホームコレクションは、2025年1月にフランス・パリでデビューを飾る。

スタッフトレーニングの強化

ブガッティの哲学はカスタマーサービスの品質にも反映されている。同社は熟練したチームを対象に集中的なトレーニングプログラムを実施し、ブランドに対する知識をさらに深め、世界中で顧客との新たな関係を築くことを目指している。チームの努力は、セールスおよびアフターセールスにおける「ブガッティ・アワード・オブ・エクセレンス」で表彰される。

モルスハイムに拠点を置くブガッティは、ブランドの新たな章の幕開けに向けて準備を進めている。より多くの熟練したプロフェッショナルが事業に加わる中、最新のオフィス施設がオープンし、最先端のアトリエの拡張計画も具体化しつつある。

新たなカスタマイズとパーソナライゼーションを提供

2024年は、シロンで高度に専門化された生産プロセスが、ボライドとW16ミストラルの製造に向けてさらなる複雑な改良が施された。2025年を迎え、ボライドの生産はさらにペースを上げ、またW16ミストラルの納車も行われる。

ブガッティは、「シュール・ムジュール」プログラムによる新たなカスタマイズとパーソナライゼーションの提供も拡大している。W16ミストラルの特注デザイン、オートクチュールにインスパイアされた絶妙な素材とトゥールビヨンの多様なオプション、そして顧客体験をさらに高いレベルへと引き上げることに誇りを持って前進している。

AMWノミカタ

2024年のブガッティは伝説のタイプ35の生産100周年という節目を迎え、その歴史を振り返る記念の年となったが、新たな時代を切り開くブガッティ初のV16ハイブリッドパワートレインを搭載した「トゥールビヨン」を発表するなどブランドとしても大きな節目を迎える年となった。

また、これまであまり語られてこなかったがアフターサービスに本腰を入れ始めたことも大きな前進だろう。車種の拡大により2026年には1200台のブガッティが世界中を走ることとなる。そして新たなハイブリッドエンジンも導入され、それに対応するスタッフの専門的な知識も必要になってくる。

将来中古車として販売される際の車両整備の拡大、オーナーチェンジプロセスの改善、および幅広い製品ラインアップを通じて、現在および将来の中古ブガッティオーナーの増大するニーズに応えるべく取り組みが必要となってくる。現在、15のディーラーが高度なサービスを提供できるサービスパートナー・オブ・エクセレンスに移行しているが、日本でそれを取得したディーラーがあるとはまだ聞かない。

先日、日本でもトゥールビヨンのお披露目が行われたことは、まだまだ日本もポテンシャルの高いマーケットであると認識されている証拠であろう。ブガッティの目指す「完璧を追求する姿勢」がサービス部門でも世界中に拡大することを期待する。

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