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マクラーレン「セナ」が約1億6700万円で落札! 新車価格を上回る価格で落札されたのはオプション効果?

107万7500ドル(邦貨換算約1億6700万円)で落札されたマクラーレン「セナ」(C)Courtesy of RM Sotheby's

限定モデルだけに新車価格よりも上乗せで落札

2025年1月24日〜25日にRMサザビーズがアメリカ・アリゾナで開催したオークションにおいてマクラーレン「セナ」が出品されました。500台が限定生産されたうちの64番目にあたる出品車は、カリフォルニア州ビバリーヒルズのマクラーレン・ディーラーを通じて、最初のカスタマーに納車された1台です。

アイルトン・セナへの敬意を表したモデル

2018年のジュネーブ・ショーで、マクラーレンが「P1」に続いて発表したアルティメット・シリーズが、「セナ」だ。その車名がF1世界選手権において、マクラーレン・ホンダで1988年、1990年、1991年と、3回のドライバーズ・チャンピオンの栄光に輝き、モータースポーツの歴史にその名を永遠に刻んだアイルトン・セナへの敬意を表したものであることは、誰もが知るところである。そのセナの唯一無二ともいえる開発目標は、マクラーレンがこれまでに生産したロードカーの中でも、最もサーキット走行に適した車両を提供するということにあった。

最高速度は340キロに到達する

今回RMサザビーズのアリゾナ・オークションに出品されたのは、500台の限定で生産されたセナの中で64番目に生を受けたもの。走行距離は600マイル(約960km)未満で、ミラオレンジのボディカラーにパートンブルーのアクセントをあしらい、インテリアにはカーボンブラックのアルカンターラ・トリムが採用されている、いかにも刺激的なフィニッシュを見せる1台である。

アルティメット・シリーズの前作、P1が、ゼロ・エミッション走行の最大可能距離は短いものの、搭載されるエレクトリック・モーターのみでの走行を可能としていたのに対して、マクラーレンは走りを追求するために軽量化を重視。

そのため、このセナにはハイブリッド・システムの搭載は行われなかった。ミッドに搭載される「M840TR」型エンジンは、4Lの排気量が設定されたV型8気筒ツインターボで、最高出力は800ps、最大トルクは800Nmを発揮した。組み合わされるトランスミッションは7速のデュアルクラッチ式シームレスシフトギアボックス(7速SSG=DCT)。ローンチコントロールの採用により、0-100km/hを2.8秒で、また0-200km/hを6.8秒で加速し、最高速では340km/hを誇る運動性能を可能にした。

ドライサンプの潤滑システム、軽量鍛造部品、電子制御ウェイストゲート付きの超低慣性ツインスクロールターボチャージャーの採用なども、技術的には大いに注目を集める部分だった。

オプションだけで5万ドルかけられた1台

もちろんセナの魅力はパワーユニットのみならず、その卓越したシャシーと革新的なアクティブエアロダイナミクスにも表れていた。フロントの大型スポイラーとダイナミックウイングレットはボディ下の気流を最適に誘導し、一方ラジエターの冷却を終えたエアはルーフへと導かれ、巨大なアクティブリアウイング全体へと送られる。このウイングは油圧制御され、ダウンフォースの最適化のほか、エアブレーキとしての機能、空気抵抗の最小化などさまざまな機能を持つ。参考までにセナの最大ダウンフォース値は771kg。これはP1から40%の改善に相当する。

すでに触れたとおり、500台限定生産の64番目にあたるこのセナは、カリフォルニア州ビバリーヒルズのマクラーレン・ディーラーを通じて、最初のカスタマーに納車された。それはオリジナルのセナにさまざまなオプション装備を組み合わせたものであり、Bowers & Wilkinsの7スピーカー・オーディオ・システムや特注のヘッドレストにシルパネルなどを含め、その総額は5万ドルを超えるまでに至った。

ちなみにファースト・オーナーがこのセナを購入するために支払った車両本体価格は101万1742ドル。今回のオークションでは、100万ドル〜120万ドル(邦貨換算約1億5500万円〜約1億8600万円)のエスティメート(推定落札価格)を掲げた。実際には、それをわずかに上回る、107万7500ドル(邦貨換算約1億6700万円)での落札が実現した。出品者としても落札者としても、これはまずは十分に納得できる数字だったといえるのではないだろうか。

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