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日本の顧客がオーダーした唯一無二の「ファントム チェリーブロッサム」誕生…ロールス・ロイスが日本の花見文化を表現した傑作

ロールス・ロイス ファントム チェリーブロッサム:スターライト・ヘッドライナーには繊細な白い花を散りばめた桜の枝の刺繍が施されている

桜にインスパイアされた唯一無二のファントム

ロールス・ロイス「ファントム」は2025年に100周年を迎えます。2025年4月2日、同社は日本の花見から着想を得たオーダーメイドモデル「チェリーブロッサム」を発表しました。スターライト・ヘッドライナーは日本古来の精巧な刺繍技術で桜が再現され、6カ月の開発期間を経て完成されました。彫刻的な3D刺繍が採用されたロールス・ロイス初のモデルを紹介します。

日本の顧客が依頼して製作

ロールス・ロイス・モーター・カーズは、特別オーダーによって製作された「ファントム チェリーブロッサム」を発表した。この壮麗な1台は、桜の花のはかない美しさ、そして日本の顧客の花見の記憶にインスパイアされてデザインされたモデルである。

日本文化において桜は、自然のリズム、春の訪れ、そして無常の美を象徴する存在である。桜の花は約1週間ほどしか咲かない短命な花であることから、人生を慈しむことの意義を強く想起させる。その象徴性は日本の芸術、文学、哲学に深く根付いており、桜は花見という何世紀にもわたって続く伝統行事において祝われてきた。

このファントム チェリーブロッサムを注文した日本の顧客は、幼少期から親となった現在に至るまでの大切な花見の記憶をかたちにしたいと願っていた。そして、花見の精神と同様に、世代を超えて受け継がれる遺産であり体験となるような、特別仕様のファントムを創造したいと考えたのである。

日本の伝統技法によって花見を表現

車内には、花見の木の下に座っているかのような感覚を表現した緻密な刺繍が施されている。スターライト・ヘッドライナーには繊細な白い花を散りばめた桜の枝の刺繍が施され、舞い散る花びらのモチーフはリア・ドアパネルや、フロントとリアの助手席コンパートメントを隔てるプライバシースイート・パーティションにも展開されている。この現代工芸の驚くべき表現にかかるデザインと開発には6カ月以上を要し、ヘッドライナーの刺繍だけでも3週間、25万針を超える刺繍が施された。

刺繍された桜の木の豊かな糸の質感は、日本古来の織り技法に着想を得たタタミ縫いによって実現されている。刺繍された枝は絡み合い、重なり合い、下方に向かって伸びているように見える。この効果を得るために、1人の職人が11の刺繍フレームを丹念に整列し、クルマの後方から前方へと流れる継ぎ目のない1本のグラフィックを創り上げた。

ヘッドライナーに用いられたサテン刺繍の花びらは、異なる角度の光を宝石のように反射するよう設計されており、これらの花びらはリアキャビンのドアやプライバシースイートの仕切りなど、随所に配置されている。

立体的な桜の花びらの刺繍を初採用

ロールス・ロイスとして初めての試みとなるのが、インテリアにあしらわれた立体的な桜の花びらの刺繍である。この触覚的かつ彫刻的なディテールは、ドアにあしらわれた花びらが舞い落ちるようなクラシックな刺繍とは対照的なコントラストを生み出している。花びら一枚一枚は手作業で整えられた後、車内の照明に映えるよう配置され、柔らかな陰影を生み出している。

外装にもこのテーマがさりげなく反映されており、アークティックホワイトのボディにはクリスタルをあしらったコーチワークとともに、リアのパッセンジャードアからハンドペイントのコーチラインが引かれ、繊細な桜の花のモチーフが描かれている。これは、車内の芸術性を優雅に予感させる意匠である。

AMWノミカタ

桜をテーマにしたこのモデルはじつに日本らしい。今回のこのモデルのハイライトは、刺繍の技術であろう。ひとつは日本古来の技法にヒントを得たタタミ縫いで、これは密に並んだ刺繍糸による広い面をずらして配置することで、より自然な仕上がりが得られるという。

また耐久性が向上し、グラデーションなどの光沢の調整がしやすいという利点がある。もうひとつはロールス・ロイスとして初めて採用した3D刺繍である。写真を見ていただくとわかるように、リアルな花びらが室内に舞い落ちているように見える。このような顧客からの高い要望がロールス・ロイスのクラフツマンシップの技術力をさらに成長させ、他のブランドでは実現することのできない絶対的な価値に変わってゆくように思える。

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